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マグネシウムの働きとは?

佐藤浩明

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テーマ:医療マメ知識

マグネシウムの働きとは?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「マグネシウムの働きとは?」というお話です。
 日頃はあまりその存在に気づいていない体内の微量元素であるマグネシウムイオン(Mg)は、水に溶けやすく、海水において2番目に多い陽イオンですが、酸化物や炭酸塩、リン酸塩などは水に溶けにくい性質を持ちます。
 生体に必須の元素は、海水中の濃度が高いものに多いと言われており, Mgも同じことがいえます。Mgの体内の働きは骨の弾性維持のほか、エネルギー代謝・DNAやRNA・タンパク質の合成、神経伝達、体温や血圧の調節といったものがあり、Mgが欠乏すると高血圧、不整脈、けいれん、神経障害などの症状が現れます。
 成人の身体にはおよそ22-26gのMgが含まれているといわれており、その約50-60%が骨に存在しています。このほか約20%は骨格筋に19%がその他の組織に残りの1%以下が血漿中に存在しています。骨は血漿中のMg濃度を一定に維持する貯蔵器官としての機能を果たしており、またMgは骨芽細胞の増殖を誘導しているため、食事におけるMg摂取不足は骨芽細胞の減少や骨重量の減少をもたらします。さらにMg不足は、TNF-αのような炎症を誘発するサイトカインの分泌を増加させます。つまり、Mg不足によりサイトカインの分泌が増加すると骨の再吸収が進み、骨が弱くなりやすくなります。
 Mgは生体にとって非常に重要な働きを有していることから、厳密な恒常性維持機構を有していますが、平成25年の国民健康・栄養調査では、男性は平均 255 mg、女性は 225 mg摂取しているとされており、推奨量(男性成人 370 mg、女性成人 290 mg)よりも少ないのが現状であり、カルシウムだけでなく、Mgも意識して積極的に摂取する必要があります。
 同じく体内の微量元素である亜鉛も最近は不足しがちと言われており、当クリニックでも口内の苦み等の症状を訴える方を調べてみると亜鉛不足の傾向のある方が結構おられます。亜鉛もMgと同じで生体にとっては微量ながら重要な役割を果たしているため、その不足は様々な症状を引き起こしますし、最近漸くその亜鉛不足を補う薬剤が発売され、今後は亜鉛不足が疑われる方は積極的に検査も行っていこうと考えています。
17.7.4 紫陽花

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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