腸内細菌に関して
便秘で腎疾患発症?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「便秘で腎疾患発症?」という報告です。
便秘症のある人のほうが腎疾患を発症する可能性が高いことが、米テネシー大学健康科学センター/メンフィス退役軍人医療センターの研究でわかった。この発見は、便秘を治療することで腎疾患を予防または治療できる可能性があることを示唆しているという。
同研究者らは、腎機能が正常な米国退役軍人350万人の医療記録を対象とした。2004~2006年の検討と、2013年までの追跡の結果、便秘症患者はそうでない人に比べて、慢性腎臓病を発症する可能性が13%高く、腎不全になる可能性が9%高かった。便秘症が重症の患者ほどリスクも高かった。
同氏は、「今回の研究は、便秘症が腎疾患の原因だと証明するものではないが、腸と腎臓との間に妥当な関連性があることを示し、腎疾患のリスク因子について新たな洞察をもたらす。われわれの結果は、便秘症患者では腎機能の経過を慎重に観察する必要があることを示唆している。今後の研究で便秘症が腎疾患を引き起こすと判明すれば、生活習慣の変更やプロバイオティクスの使用で便秘を治療することにより、患者の腎臓の健康を守ることができる」と述べている。
食事の欧米化に伴い、増えつつあると言われている便秘症ですが、今回の報告で腎疾患発症の可能も指摘されているというのは少し驚きでした。でも、最近腸内細菌叢に関する様々な研究が進み、腸内に何兆個も存在するといわれているそれらが免疫を含めた様々な働きをしていることが判明してきました。その様な事を考えると便秘を起こしているということはある意味、腸内細菌叢のバランスが悪い可能性は十二分にありますからそれがひいては腎臓に悪さをする可能性があっても不思議ではないのかも?知れません!
昨日からクリニック10周年記念で大阪に来ています。飛行機からは富士山が綺麗に見えました!