世界の糖尿病患者数は過去最多?
糖尿病では生活リズム・睡眠の質なども心・腎疾患に影響?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「糖尿病では生活リズム・睡眠の質なども心・腎疾患に影響?」という報告です。
糖尿病患者では食事や運動といった生活習慣因子だけでなく夜型・朝型などの生活リズムや睡眠の質、抑うつ状態の有無も心腎代謝の指標に影響を及ぼすことが、順天堂大学と那珂記念クリニック(茨城県)の研究グループの検討でわかった。2型糖尿病患者の心腎機能を改善し心血管疾患(CVD)の発症を予防するためには、さまざまな因子が複雑に絡み合う生活習慣のパターンを包括的に改善する介入が必要となる可能性があるという。
研究グループは今回、心血管疾患の既往がない2型糖尿病患者を対象に、生活習慣因子の内容で3つの群に分けて、それぞれの因子(生活リズム、睡眠習慣、抑うつ状態、食習慣、喫煙や飲酒の習慣、運動習慣)と心腎代謝パラメータとの関連を調べる研究を行った。
対象は心血管疾患の既往がない外来通院中の成人糖尿病患者726人。対象患者の平均年齢は57.8歳で、約6割を男性が占め、HbA1c平均値は7.0%であった。対象患者には生活リズム、睡眠の質、抑うつ状態、食習慣、身体活動量に関する質問紙調査と血液検査を行った。
まず、分析の結果、対象患者の生活習慣因子は、(1)生活リズム(夜型または朝型)、睡眠の質、抑うつ状態(パターン1)、(2)食事によるエネルギー摂取量、喫煙や飲酒の習慣(パターン2)、(3)身体活動量(パターン3)−の3つに分類されることがわかった。
次に、パターン1の夜型の生活リズムで睡眠の質が悪く、抑うつ状態の患者ではHbA1c値や空腹時血糖値、肝細胞障害を表すALTが高く、アルブミン尿がみられた。パターン2のエネルギー摂取量が多く、喫煙や飲酒の習慣がある患者ではアルコール性肝障害で上がる事が多いγ-GTP、中性脂肪、善玉とされるHDL-コレステロール、血圧、脈波伝播速度(いわゆる血管年齢)の各値が高値を示した。パターン3の運動量が多い患者では尿酸値が低く、肝機能値が軽度上昇していた。
さらに、年齢や性などを調整した分析を行ったところ、パターン1の生活はHbA1c値や収縮期血圧、血管年齢の値の上昇と関連し、パターン2は善玉のHDLコレステロールや中性脂肪、肝機能を表すASTやγ-GTP、拡張期血圧の各値の上昇と関連していることがわかった。
これはある意味では糖尿病患者さんに限ったことではないと思われますが、特に糖尿病は他の疾患より発症以前より動脈硬化性変化が起こりやすいとされていますからより心臓や腎臓などに影響が出やすいものと思われます!
今日は学会出席のため東京出張です。ホテルからは東京タワーが見えました!