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超高齢者は血圧上昇で認知症予防?

佐藤浩明

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テーマ:認知症予防?

超高齢者は血圧上昇で認知症予防?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「超高齢者は血圧上昇で認知症予防?」という報告です。
超高齢での高血圧の発症は、認知症に対していくらかの予防効果をもつ可能性があることが、米カリフォルニア大学の研究で示唆され、研究報告が医学雑誌の電子版に掲載された。
 中年期の高血圧は晩年の認知症リスクや、心臓発作・脳卒中のリスクを高めるが、80代または90代で発症すると90代での認知機能低下リスクが低減することが判明した。
 今回の研究では、90歳以上の対象者559人を3年近く追跡調査した。研究開始時、対象者に認知症は認めなかった。血圧の推移を確認し、6カ月ごとに認知症について評価したところ、追跡調査中に40%が認知症を発症した。
 高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)を80歳以降に発症した人は、90代で認知症を発症する可能性が正常血圧の人に比べて42%低かった。また、90歳以降に高血圧を発症した人は、認知症を発症する可能性が高血圧を認めなかった人よりも63%低かった。この関連性は、患者が降圧薬を服用していても変わらなかった。
本研究者は、「超高齢での高血圧はメンタルヘルスに有害でない。今回の研究は高血圧と認知症リスク低下の因果関係は証明していないが、年齢が問題であることは明らかだ。認知機能の低下リスクは経時的に変化することを理解することが重要である」と話している。
実際、以前に診ていた100歳過ぎの患者さんは何種類かの降圧薬は飲んでいましたが、そのお歳になっても日記などもお書きになる矍鑠としたご老人で当然、認知症などはありませんでした。私も診察時に血圧を測定するといつも収縮期血圧が180を超すことがしばしばでしたが、当初からの薬剤を変更することはしませんでした。それはある程度以上のご年齢の方は血圧を上昇させることでご自身の体を維持しているものと思ってもいたからです。
 ここ10数年の流れでは一時的な血圧上昇に関しては積極的に降圧薬を使わない様になっています。というのも血圧は患者さんご自身の意志で上げ下げ出来るものではなく、自律神経系によって上手くコントロールされており、血圧が上がるにはそれなりの意味があると考えられているからです。
       
17.2.24 吾妻小富士

 昨朝の吾妻小富士。ここ数日来の寒さのせいで山頂付近はまだまだ多くの雪が残っています。雪うさぎの登場にはもう少し時間が掛かりそうです!

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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