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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

加齢による睡眠の質低下で認知症?

2017年4月22日

テーマ:認知症予防?

コラムカテゴリ:医療・病院

加齢による睡眠の質低下で認知症?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「加齢に伴う睡眠の質低下で認知症?」という報告です。
 年をとるにつれて睡眠習慣が変化する人は多いが、一部の高齢者では、それに伴って深く良質な睡眠をとる能力も失われることが分かった。この知見は、米カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが睡眠と加齢に関する医学文献を分析したレビューで示唆したもの。
同氏は、「高齢者に生じる睡眠の“断片化”は健康に影響し、うつ病や認知症など多くの疾患とも関連している。睡眠が断片化されると、夜中に何度も目を覚まし、深い睡眠段階がなくなってしまう」と話す。同氏らによると、特定の疾患やその治療が睡眠障害を引き起こすことも事実だが、逆に、睡眠の質の低下が疾患を引き起こすこともありうるという。
たとえば、睡眠障害と認知症の進行には「双方向」の関係があることが知られている。認知症の患者では睡眠障害が起きやすく、一方で、睡眠の質の低下は記憶力やその他の認知機能の低下を加速させうる。認知症になると脳内で蓄積されるアミロイドβ蛋白は、深い眠りによって除去されるという動物研究の報告もある。つまり、認知症と睡眠不足が互いに助長しあう「悪循環」に陥る可能性がある。一方で、高齢者では「早寝早起き」の傾向があり、若い頃よりも睡眠時間がわずかに短くなることも知られているが、こうした睡眠習慣の変化は正常であるという。
「健康に影響する重要な生活習慣因子として、運動や健康的な食生活だけでなく、睡眠にも気を配ることが大切だ」と同氏は述べ、定期的な運動による効果の1つとして、睡眠の質の向上も期待できると指摘。深い睡眠をとる能力は中年期から低下する場合も少なくないため、若いうちからケアをするべきだとアドバイスしている。
以前から睡眠の重要性は言われていますが、近年の認知症の増加は高齢化の影響が当然あるのでしょうが、運動不足などによる睡眠の質の低下も影響している可能性は否定出来ません。実際、ご高齢の方が不眠で睡眠薬の処方を望まれる方々も散見されますが、本来は薬剤の力など借りずに十分でなおかつ質の良い睡眠が取れるのが理想であるのは言うまでもありません!

15.4.23 吾妻小富士
 2年前の吾妻小富士。今年よりもかなり雪は少ない感じです!

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