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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

日本経済は楽観出来ない状態?

2017年2月24日

テーマ:日本経済の状況

コラムカテゴリ:医療・病院

日本経済は楽観出来ない状態?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は何時もとは少し趣向を変えまして現時点で日本経済が置かれている状況に関して京都大学教授で現安倍政権で内閣官房参与でもある藤井聡先生の文章をご紹介致します。
現段階において客観的なマクロ経済データを踏まえれば、日本は決して「楽観」できない状況にあることが明確に見えてきます。もちろん日本経済は、2013年のアベノミクスの第二の矢である10兆円補正予算の執行によって、確かに「成長」することができました。2013年には名目1.7%、実質2.0%の成長率(暦年)が記録され、物価も確かに下落傾向から上昇傾向へと転じました。しかし、2014年4月の消費増税が、そんな日本経済に大きな「冷や水」を浴びせかけます。消費増税によって消費が冷え込むと同時に、世帯収入も低迷、結果、成長率が大きく低迷していくことになります。…とはいえ、昨年2016年の成長率を確認すると、名目1.0%、実質1.3%と、かつてよりは低い水準ではありますが、未だに成長しているように「見えて」います。しかし、これにはトリックが隠されています。
そもそもGDPは、内需と外需(純輸出)の合計で表されます。その「サイズ」でいえば、外需のサイズは全体の1.3%にしかすぎません。つまり、その大半が「内需GDP」なのです。で、この「内需GDP」に着目すると、10兆円の補正予算が行われた2013年の成長率は、名目も実質も2.4%であった一方、昨年2016年の成長率は実質で0.5%にまで低迷しているのです。そしてなんと、名目でいえば、-0.04%と「マイナス成長」に陥ってしまっているのです!こうした内需GDPの「マイナス成長」をもたらしたのはもちろん、2014年の消費税増税であることは明らかです。
アベノミクスが始められた2013年から、内需GDP成長率は少しずつ上昇していきます。そして、消費増税直前の2014年1-3月期には、実に4%を超える成長率を記録します。しかし、消費増税が導入されて以降、内需成長率は着実に低下し、昨年2016年に突入してからはほぼ0成長の領域に突入し、2016年の内需GDPは、トータルとして「マイナス成長」を記録することになったのです。今の日本経済は、実は「東日本大震災クラスの経済被害を被った状況」とほぼ同様の状況にあるのです。その背景には、消費増税によって消費が大きく冷え込んでしまったという事実があります。ただし、人間は食べないと生きていけませので「食費」だけは大きく減らすことはできません。だから、消費増税以降、食費を削る代わりに「食費以外」の消費を縮小せざるを得なくなるのです。そうなると必然的に上昇するのが「エンゲル係数」(出費に占める食費支出の割合)。消費増税が行われた2014年4月以降、我が国のエンゲル係数は、尋常でないスピードで急速に上昇しているのです!言うまでもなくエンゲル係数は、その国の国民の貧困さのレベルを表すものであり、したがって、発展途上国か先進国かによって大きく異なるものです。エンゲル係数は国民の貧困さが高い発展途上国は必然的に高く、裕福な国民が多い先進国では低いのです。この点を加味すると、我が国は今、消費増税以降、急速に「貧困化」が進んでいるということを示しています。つまり、消費増税が我が国の「後進国化」をもたらしているという次第です。以上のデータを踏まえるなら、わが国は決して楽観できるような状況ではないのです。こうした客観的な事実に基づいた、適切かつ大胆な経済政策が展開されんことを、心から祈念したいと思います。
*第2次安倍内閣・内閣官房参与 京都大学 藤井聡教授の文章を一部抜粋・改変 
 以上の様な意見を鑑みると今のマスコミ報道はかなり偏りがあると言わざるを得ない様にも思われます。ただ、いつから藤井先生が内閣官房参与に招かれたのかは分かりませんが...藤井先生自身が祈念するのではなく、折角ですから彼の意見を十分に反映した積極的な財政再建策が打ち出されることが望まれます!

14.2.24 吾妻小富士

 3年前の今日2/24の吾妻小富士です。3年前は山頂付近の雪も今シーズンよりは少ない感じですね!

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佐藤浩明

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