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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

親の発症年齢で認知症リスクに違い?

2017年6月1日

テーマ:認知症予防?

コラムカテゴリ:医療・病院

親の発症年齢で認知症リスクに違い?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「親の発症年齢で認知症リスクに違い?」という報告です。
認知症と家族歴について、オランダ・エラスムス医療センターの研究者らが調査したところ、親が80歳未満で認知症と診断された被験者では認知症リスクが高く、またこれらの被験者では診断時年齢と親の診断時年齢の間に強い相関が示された。
著者らは2000~02年の研究において、認知症ではない被験者の親の認知症歴を調査した。2015年まで、認知症リスクと親の認知症歴との関連性を調査し、人口統計、心血管リスク因子、既知の遺伝的リスク要因について調整した。さらに、親の病歴とMRIでの神経変性および血管疾患のマーカーとの関連を評価した。
 主な結果は以下のとおり。
・2,087人(平均年齢64歳、女性55%)のうち407人(19.6%)が、親のいずれか(診断時平均年齢79歳)に認知症歴があった。
・平均12.2年間の追跡期間中、142人の参加者が認知症を発症した。
・親の認知症歴は、既知の遺伝的リスク因子とは独立して認知症リスクと関連し(危険率1.67倍)、親がより若い年齢で診断されていた場合にリスクが高かった(80歳未満で診断された場合の危険率2.58倍、80歳以上で診断された場合の危険率1.01倍)。
・親が80歳未満で認知症を診断されていた場合は、被験者の診断時の年齢が親の診断時の年齢と強い相関が示されたが、80歳以上で診断された場合は有意ではなかった。
・脳MRIで認知症が認められなかった1,161人の被験者において、親の認知症歴は、脳灌流の低下および白質病変および微小出血の負荷の大きさと関連していた。
・認知症リスクおよびMRIマーカーは、家族歴が父親か母親で差がなかった。
 よく心筋梗塞を含めた心血管疾患では家族歴の有無も発症リスクと考えられていますが、認知症でも親の発症年齢で自身の発症リスクに違いがあるというのが本報告です。近年では認知症発症の危険因子なども色々と分かって来てはいますので...ある意味で親が早めに認知症を発症している際には自分もなる可能性が高いと考えれば当然かも?知れませんし、十分気をつけないといけないのかも知れませんね。

17.5.31 玄関
 我が家の玄関でも花々が咲き出し、少しは華やかになって来たようです!

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