高齢者の認知症予防には歯が大事?
脳トレで認知症予防?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「脳トレで認知症予防?」という報告です。
精神的な刺激となる活動への取り組みと、軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病の危険率低下との、横断的な関連が報告されている。しかし、70歳以上の高齢者による精神的な刺激となる活動がMCI発症を予測するかについての成果は、ほとんど知られていない。米国・メイヨー・クリニックの研究者らは、高齢者における精神的な刺激となる活動とMCI発症リスクとの関連を仮説検証し、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型の影響を評価した。
ミネソタ州メイヨー・クリニック加齢研究の参加者を対象に研究を行った。開始当初時に認知機能が正常であった70歳以上の高齢者について、MCI発症の有無をフォローアップした。調査期間は、2006年4月~2016年6月とした。開始当初時、参加者は研究参加1年以内の精神的な刺激となる活動に関する情報を提供した。認知神経学的評価は開始当初に実施し、その後15ヵ月間隔で実施した。認知機能の診断は、公表されている基準に基づき、専門家により行った。性別、年齢、教育レベルで調整した後に危険率を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・最終的には、認知機能が正常であった1,929人(年齢中央値:77歳、女性率:50.4%)を対象に、MCI発症の有無をフォローアップした。
・フォローアップ期間の中央値は4.0年であった。
・MCI発症リスク低下と関連していた項目は以下であった。
●ゲームのプレイ(危険率0.78倍) ●手工芸(同:0.72倍)
●コンピュータの使用(同:0.70倍) ●社会活動(同:0.77倍)
・APOEε4遺伝子型の解析では、精神的な刺激となる活動を行ったAPOEε4ノンキャリアのMCI発症リスクが最も低く(例えば、コンピュータの使用あり[危険率:0.73倍]、精神的な刺激となる活動を行っていないAPOEε4キャリアのMCI発症リスクが最も高かった(例えば、コンピュータの使用なし[危険率:1.74倍])。
著者らは「精神的な刺激となる活動を行っている認知機能が正常な高齢者は、MCI発症リスクが低下することが示唆された。この関連は、APOEε4の遺伝子型により異なる可能性がある」としている。
以前から東北大学の川島先生達が老人福祉施設などで彼らが開発した脳トレグッズを用いて、実際に認知機能がアップするというデータを出していましたが、今回は天下のメイヨー・クリニックが2000名あまりを対象にして検討したデータを出したのですから...やはり、脳トレは認知症予防になるというのはどうも間違いなさそうです。脳は本来は基本的に楽をする方向に働くというのは周知の事実で使わなければその部分はドンドン退化していくようです。それを考えても脳のある領域を刺激するいわゆる脳トレが認知症予防に効果があるというのはある意味では当然かも?知れませんね!
昨朝の吾妻小富士。ここ数日来の寒さのため、山頂付近の雪も目立って来たようです!