マイベストプロ福島
佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

週1-2回の運動でも死亡リスク低下?

2017年1月30日

テーマ:運動の効用

コラムカテゴリ:医療・病院

週1-2回の運動でも死亡リスク低下?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「週1-2回の運動でも死亡リスク低下?」という報告です。
週1~2回の運動でも、全死因・心血管疾患・がんによる死亡リスクを低減するのに十分かもしれないという、英国ラフバラ大学のGary O'Donovan氏らの研究結果が報告された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年1月9日号に掲載。
 本研究はサーベイランス研究のプール分析で、イングランドとスコットランドの健康調査において回答した40歳以上の男女のデータを分析した。データは1994~2012年に収集し、2016年に分析した。運動パターンは、自己申告による運動の強度と頻度によって以下のように分類した。
「運動していない」:中程度の運動も強い運動もしていない「運動が不十分」:中程度の運動が週150分未満かつ強い運動が週75分未満、さらに頻度により分類
「週末戦士」:週1~2回の運動、中程度の運動を週150分以上または強い運動を75分以上 「定期的に運動」:週3回以上の運動、中程度の運動を週150分以上または強い運動を75分以上
 主な結果は以下のとおり。
・回答者6万3,591人(男性45.9%、平均年齢:58.6歳)のうち、フォローアップ期間中に計8,802人が死亡した。このうち、心血管疾患による死亡が2,780人、がんによる死亡が2,526人であった。
・全死因死亡の危険率は、「運動していない」群と比較して、「運動が不十分、週1~2回」の群で0.66倍、「週末戦士」群で0.70倍、「定期的に運動」している群で0.65倍であった。
・心血管疾患による死亡の危険率は、「運動していない」群と比較して、「運動が不十分、週1~2回」の群で0.60倍、「週末戦士」群で0.60倍、「定期的に運動」している群で0.59倍であった。
・がんによる死亡の危険率は、「運動していない」群と比較して、「運動が不十分、週1~2回」の群で0.83倍、「週末戦士」群で0.82倍、「定期的に運動」している群で0.79倍であった。
 よく、運動は週に2-3回はしましょうとか言われていますが、この報告では週1回でも運動する事で心血管系疾患による死亡率が低下したとされています。運動は確かにやり過ぎればデメリットも出てくる可能性はありますが、幾らかでも自分の出来る範囲ですることが最も重要なようです!

17.1.29 シクラメン
 我が家の書斎のシクラメン。綺麗に咲き揃ってきました!

この記事を書いたプロ

佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうクリニック内科・消化器科)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ福島
  3. 福島の医療・病院
  4. 福島の内科
  5. 佐藤浩明
  6. コラム一覧
  7. 週1-2回の運動でも死亡リスク低下?

© My Best Pro