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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

しんちゃんは何故、お尻を出すのか?

2017年1月29日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

しんちゃんは何故、お尻を出すのか?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は『しんちゃんは何故、お尻を出すのか?』という精神科医のブログからのお話の抜粋です。なかなか興味深い内容でしたのでご紹介します。

なぜ、しんちゃんはお尻を出すのか?
しんちゃんは、人前でよく「お尻ぶりぶり」と言いながらお尻を出してふざけます。母みさえと父ひろしを呼び捨てにすることもあります。特にみさえには「お便秘みさえ」「ケツでか~」などと言い、からかいます。このように、ふざけたり人をからかったりするのは下品で不真面目だという理由で、PTAの親たちは有害番組だと思ったのでしょう。
そもそも、しんちゃんはなぜお尻を出すのでしょうか?それは、しんちゃんが、コミュニケーション能力を高めようとしているからです。それが結果的に、下品で不真面目なように見えてしまっているだけです。なぜなら、しんちゃんは、知らない人しかいない状況や好きな女性の前では、むしろ過剰な良い子を演じることで笑いを誘います。しんちゃんがお尻を出すのは、圧倒的にみさえがそばにいる時です。そして、みさえのリアクションを確認して、楽しんでいます。つまり、しんちゃんは、母親が嫌がることをわざとやっているのです。心理学的に言えば、愛着理論の試し行為に当たります。「構ってほしい」「それでも構ってもらえる」という信頼関係の確認です。このようなふざけ、からかい、いたずらなどは、信頼関係を深めるためのより高度な「挨拶」であると言えます。つまり、コミュニケーション能力とは、ふざける能力、遊び心でもあります。相手にふざけた後にその出方を見て、心の間合いを探っています。
ところで、しんちゃんは小学生になっても、お尻を出すでしょうか?その答えは、ノーです。しんちゃんの発達段階の幼児期はトイレットトレーニングの時期です。この時期は「お尻」「うんち」など排泄に関する下ネタをとても意識し、過剰に反応し、大好きになります。ところが、小学生の学童期に入ると、すでにトイレットトレーニングの課題は卒業しています。幅広い学習の機会が増え、表面的で具体的な発想から、より内面的で抽象的な発想をするようになります。よって、ふざけるにしても、見た目よりも中身に目が向き、より高度になっていきます。これが、ユーモアのセンスに発展していきます。逆に言えば、尻出しなどの単純なふざけによって、ユーモアのセンスの土台を作っているとも言えます。
*精神科医 荒田智史先生の内容を抜粋一部改変

 最近はあまり観なくなったクレヨンしんちゃんですが、この様な精神科医の視点からの解説はなかなか興味深いものがありますね!

17.1.28 朝焼け
 昨朝の通勤路の光景。雲間からの日差しもなかなかのものでした!

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佐藤浩明

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