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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

運動で骨内の脂肪も燃焼?

2017年6月23日

テーマ:運動の効用

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

運動で骨内の脂肪も燃焼?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「運動で骨内の脂肪も燃焼?」という報告です。
 運動をすると骨量が増え、骨密度が向上するだけでなく、骨の中の脂肪も燃焼する可能性のあることが、マウスを用いた研究で示唆された。骨髄内には脂肪細胞が存在しており、今回の知見は肥満者における運動のさらなる効用を示唆するものだという。
 研究を実施した米ノースカロライナ大学の研究者らによると、痩身マウスと肥満マウスではともに、ランニングなどの運動をさせると骨髄内の脂肪細胞の大きさが縮小した。さらに、肥満マウスでは、骨髄内の脂肪細胞の数が有意に減少したという。同氏は、「運動は骨を強化するが、特に肥満マウスではその効果が強いようだ。さらに体型にかかわらず、運動は骨の質に強く関連していた。マウス研究の結果をそのままヒトに当てはめることはできないが、マウスの骨や脂肪を生成する幹細胞はヒトと同種のものだ」と話している。これまで、骨髄内の脂肪は他の体脂肪と異なり、運動時のエネルギー源としては使用されないと考えられていたが、今回の結果はそれに反している。
 今回の研究では、通常食で育てた痩身マウス14匹と高脂肪食で育てた肥満マウス14匹の2群を対象として、4カ月齢のときに各群の半数に回し車を与えた。6週間後、痩身か肥満かにかかわらず全てのマウスで、運動介入により脂肪細胞サイズが有意に縮小していた。また、痩身マウスでは骨髄内の脂肪細胞数に変化はなかったが、肥満マウスでは運動介入により運動しなかった場合に比べて脂肪細胞数が半数以下に減少していた。さらに、肥満マウスでは運動により骨量も改善していた。
 同氏は、「脂肪の貯蔵に関わる生理学的な機序にはまだ不明な点も多い。われわれは今後も基礎研究を続けるつもりだが、こうした研究は最終的には、糖尿病や関節炎、拒食症、長期ステロイド投与が必要な患者などにおいて、骨の健康を維持・改善する方法の発見につながる可能性がある」としている。
 今までも運動の様々な効用は知られていましたが、骨髄内の脂肪まで燃焼するというのは驚きです。実際、運動する事で骨が強くなるという事は言われていましたが、それは脂肪を減らすことでも得られていたのかも?知れませんね。

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佐藤浩明

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