なぜ、そこまで大きくした?

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:この世界、知らんことだらけ

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能登半島に、巨大なイカがいる。
石川県能登町の「イカの駅つくモール」。

そこにいる生物。
全長13メートルの「イカキング」。

13メートル。
イカ焼きにするには、鉄板が足りない。

刺身にするには、皿が足りない。

……そもそも、まな板の問題じゃない。

町おこしに海洋生物の巨大化という手段を採用

町の特産品を知ってもらう。
観光客に来てもらう。

そのために、
名物を大きくする。

ここまでは、わかる。

看板を大きくする。
文字を大きくする。

……で、イカを13メートルにする。

途中で、誰か縮尺の確認を忘れたのだろうか。
もはや水産物というより海から来た建造物。

「イカの町です」と伝えるために、
イカを町の景観に収まらないサイズまで持ってきた。


観光名物、まさかの討伐対象。

このイカキング、
ただ眺めるだけではない。

口の中に入って、
食べられる体験ができる。

触腕に巻き付かれたような写真も撮れる。

イカを食べに来たはずが、イカにも食べられる。

……食物連鎖を
観光プランに組み込んできた。

ところが、写真を撮る段階になると、話が変わる。

巨大イカに立ち向かう。
巨大イカに襲われる。
巨大イカと格闘する。

記念写真のはずが、
怪獣映画のワンシーン。

観光名物を作ったら、
観光客が勝手にラスボス戦を始めた。

作った側は、町の名物として歓迎してほしかったはず。

ところが、観光客は戦闘態勢。

イカは何もしていない。
ただ、そこにいるだけ。

それなのに、次々と戦いを挑まれる。
王様なのに、待遇が悪い。

記念写真に、勝敗はいらない。

普通のイカなら、写真を撮って終わる。

ところが、
13メートルもあると、
見る側のテンションまでおかしくなる。

「大きいね」で済ませられない。

なぜか、戦いたくなる。

巨大なものを見たら、
自分の強さを試したくなるのか。

それとも、
ただ並んで写真を撮るだけでは、
思い出として弱いのか。

観光地に来てまで勝負を挑む。

しかも、相手はイカ。

勝っても賞金は出ない。
負けても、たぶん病院送りにはならない。
なのに、写真だけは決戦の記録になる。


本人は無言。宣伝部隊は、観光客。

イカキングは、今日もそこにいる。

戦わない。
営業もしない。
ただ、巨大なまま立っている。

それなのに、写真を撮られ、SNSで紹介され、話題になる。

イカ自身は、一歩も動いていない。
宣伝活動は、観光客が代行。

本人は無言。
宣伝部隊は、観光客。


……町おこしに、ずいぶん働き者のイカを採用したものだ。

いや、働いているのは観光客か。

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鎌田千穂
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鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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