福岡の偉人:大牟田市 世界に食い込んだテニスの先駆者・熊谷一弥
言葉を選ぶ。
地雷を踏まないように文章を書く。
誤解が生まれないように返信する。
ボタンの掛け違いを直す。
そんな対応を続けていると、
気付けば色んなことに巻き込まれている。
一つ一つは小さい。
でも積み重なると、
魂ごと削られる。
そして、その日は限界だった。
帰宅して。
そのまま昏睡レベルで爆睡。
昼頃の何気ない約束
その日の昼頃。
オカンからLINEが来た。
「貰い物取りにおいで〜」
どう考えても緊急性はゼロ。
私も軽く、
「夕方行くね〜」
と返した。
この時はまだ知らない。
この返事が数時間後、
家族を巻き込む生存確認イベントになることを。
人は疲れると記憶ごと寝る
その後また何気に対応が入った。
文章を書く。
連絡を返す。
説明する。
調整する。
気付けば脳みその容量は限界。
そして。
「いつでもいいよ」
と言われていたオカンとの約束は脳内から蒸発。
・・・どこか遠い宇宙へ旅立った。
私はそのまま帰宅し、
LINEも見ずに爆睡。
電話も気付かない。
完全なる通信停止状態。
オカンの脳内シナリオが動き出す
一方その頃。
オカンはなぜか、
「夕食を一緒に食べる」
前提で準備を始めていたらしい。
・・・私は聞いていない。
そんな会議には出席していない。
しかしオカンの中では、
すでに決定事項だったようだ。
時間が過ぎる。
来ない。
LINEしても返事がない。
電話しても出ない。
すると親という生き物の想像力は、
急激な進化を始める。
親の想像力はだいたい最悪へ向かう
最初はきっと、
「忘れとるんかな?」
だったとは思う。
その次は、
「寝とるんかな?」
その後、
「何かあった?」
になる。
そして深夜。
ついにオカンの中で、
「あの子、死んだ(確定)」
という結論に至ったらしい。
飛躍がすごい。
途中の選択肢が全部消えている。
深夜のナイトモード発動
そして10時から私の携帯はナイトモード発動。
電話しても出ない。
LINEも既読にならない。
そうなると、
親の不安は止まらない。
近所に住んでいるオカンが来襲。
近所の実弟まで深夜召喚されて大騒ぎ。
私の家の鍵を開け、
「チホ! アンタ生きてるの!!」
ほぼ夜間特殊部隊のテンション。
なお、この時点で弟はまだ来ていない。
オカン単独で突入してきている。
判断が早い。
行動力も異常に高い。
強制生存確認完了
私は何も知らない。
・・・ただ寝ている。
しかし、外では大事件。
そして。
揺さぶられて起床。
私は寝起き一発目の言葉が、
「……いや、寝とっただけやけど?」
だった。
状況が全く分からない。
するとオカン。
安心したのか怒ったのか分からない顔で、
「連絡くらいしなさい!」
とのこと。
それは本当にその通りである。
私はいつ加入したのか
しかし疑問が残る。
私はいつから、
「反応しなかったら死亡扱い」
の高齢者見守りサービスに
勝手に加入したのだろうか。
しかも利用者は私。
見守る側ではない。
見守られる側。
夕方。
ただ貰い物を取りに行く約束をしただけ。
深夜。
連絡が取れなくなった私。
死亡説を唱えるオカン。
現場へ急行する実弟。
そして強制生存確認。
・・・話が大きくなりすぎ。
次の日。
オカンから言われた。
「生きとるなら返事しなさい」
いや、その前に聞きたい。
私はいつから、
安否確認対象者になったん?



