脳は勝手に要約する。 〜ちゃんと聞いてる“つもり”が一番ズレる〜
令和8年7月28日に発生した熊本地震により被災された皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。
また、昼夜を問わず復旧活動にあたられている自治体職員、自衛隊、消防、警察、医療関係者、ライフライン事業者をはじめ、すべての関係者の皆さまに深く敬意を表します。
一日も早く穏やかな日常が戻ることを、心よりお祈りいたします。
令和8年熊本地震による被害状況等について7/29速報
令和8年熊本地震に伴う河川の被害状況等について7/29速報
思い出した言葉
令和8年熊本地震のニュースを見て、真っ先に思い出した言葉があります。
それは今から2年前。
2024年4月に、当法人が開催した「九州の未来・防災&BCP研修会」で聞いた一言です。
講師は、阪神・淡路大震災から能登半島地震まで災害対応に携わった方。
もう一人は人吉豪雨でも復旧支援の最前線に立たれた方でした。
その方々がおっしゃった言葉。
「善意だけでは、人は救えない。」
今回の地震で、その意味を改めて考えさせられています。
現場は、私たちが想像する以上に忙しい
地震が起きると、
「何か力になりたい。」
そう思う人はたくさんいます。
私も、その一人。
でも現場では、
市役所や自治体の職員も被災者です。
自宅が壊れた人もいます。
家族の安否が気になる人もいます。
それでも、自分のことを後回しにして、
避難所を回り、
被害を確認し、
朝も昼も夜も、国へ状況を報告しています。
今回も国は災害対策本部を立ち上げ、
TEC-FORCEを派遣し、道路、水道、港湾、鉄道、河川など、
多方面で復旧活動を同時に進めています。
「今すぐ」が、一番の支援とは限らない
「今すぐ現地へ行きたい。」
「物資を送りたい。」
その気持ちは、本当に尊い。
でも、災害現場は善意だけでは動きません。
救援物資は、
届けば終わりではありません。
仕分けをする人。
保管する場所。
必要な場所へ運ぶ人。
管理する人。
そこまであって、初めて支援になります。
届いた段ボール物資は、
残念ながら自分で避難所まで歩いてくれません。
善意が増えるほど、
現場の仕事まで増えてしまう。
そんなことも、実際には起こります。
「まだ復旧しない」には理由があります
停電。
断水。
ガスの停止。
「なぜ、こんなに時間がかかるの?」
そう思うこともある。
ですが、それは設備点検や二次災害を防ぐために、あえて止めている。
実際に今回も約8万4千戸で断水が発生。
その代わり給水車の派遣や応急給水が順次進められています。
見えないところで、
安全確認が続いている。
だから、
「遅い。」
ではなく、
「交通整理して順序良く確実に着実に進めている。」
自分が当事者から離れていればいるほど、
私たちが二次被害を起こさないために落ち着く必要があるのではないでしょうか?
災害時ほど言葉にも責任が大きくなる
災害が起きると、
SNSでは、
「誰の責任だ。」
「建物が悪い。」
「行政は何をしている。」
そんな投稿も目にします。
もちろん、検証は必要。
ですが、それは命を守る対応が落ち着いてからの検証でも遅くありません。
憶測が広がれば、
問い合わせが増え、
対応する人の時間が奪われます。
その時間こそが、
本来ならば命を守るために使われる時間だったかもしれません。
今、私たちにできること
支援には、
タイミングがあります。
だから今は、
正しい情報を待つこと。
デマを広げないこと。
現場を信じること。
外野は引っかき回さないこと。
そんなことだって立派な支援のひとつです。
2024年の講演で聞いた
「善意だけでは、人は救えない。」
という言葉。
その重みを改めて痛感しています。
善意は、とても大切。
だからこそ、
必要なタイミングで、必要な形で届ける。
それが、本当に人を支える力になるのではないでしょうか。



