納得にこだわりすぎて沼る:「納得できない!」を活かす思考転換
我慢できる。
それだけで、
褒められることがあります。
- 「大人ですね。」
- 「よく頑張っていますね。」
- 「責任感がありますね。」
……便利な褒め言葉です。
でも。
我慢って、
使いすぎると減ります。
しかも、補充されません。
なのに。
なぜか、追加発注されます。
「今回だけ」が、定番になる
職場では、
頼まれごとがあります。
「これ、お願いしてもいい?」
「はい。」
「悪いんだけど、これも。」
「はい。」
「ついでに、これも。」
「……はい。」
最初は、
本当に今回だけだった。
「忙しそうだから。」
「私がやったほうが早いし。」
「まあ、これくらいなら。」
ところが。
「今回だけ」が3回続けば、もう定番メニューです。
しかも、本人の了承なし。
勝手にレギュラー入り。
「私がやったほうが早い」は、追加注文の呪文
これも危険。
「私がやったほうが早い。」
たしかに、その場では早い。
説明するより、
自分でやったほうが早い。
確認するより、
自分でやったほうが早い。
だから、やる。
そして次も、やる。
すると。
「ちょっと手伝う」が、
いつの間にか、
「担当する」に出世しています。
いや、
昇進希望は出してません。
最初から、
あなたの仕事だったわけではありません。
最初は時短。気づけば、業務の買い取りです。
しかも、買い取り価格はゼロ円。
「大丈夫です」が、仕事を増やす
職場では、
便利すぎる言葉です。
「大丈夫です。」
頼まれたとき。
困っていると言われたとき。
ちょっと無理かなと思ったとき。
つい出てしまう。
「大丈夫です。」
でも。
本当は大丈夫じゃない。
ただ、
断るほうが面倒だから言っている。
すると。
その場は平和。
誰も困らない。
仕事も止まらない。
……自分以外は。
「大丈夫です」と言った瞬間、仕事が一件増える。
そんなシステム、誰が作った?
しかも、
その代金を払うのは、
言った本人です。
我慢した履歴だけは、なぜか残る
こちらは、
かなり我慢している。
でも、
外からは見えません。
見えるのは、
断らない。
怒らない。
ちゃんとやる。
という結果だけ。
すると、
「このくらいなら大丈夫。」と判断されます。
一度我慢すると、
「前も大丈夫だったよね。」
という謎の実績が残ります。
我慢した履歴だけは、なぜか社内で共有されます。
こちらとしては、
一回限りの善意。
向こうからすると前例。
この差は、
かなり大きい。
褒め言葉とは限らない言葉
言われると、
ちょっと嬉しい。
「頼みやすい。」
「任せて安心。」
でも。
仕事界では、
危険信号かもしれません。
頼みやすい。
断らない。
ちゃんとやる。
……仕事から見たら、
かなりの優良物件です。
しかも、
登録料は無料。
更新料も無料。
便利に使われた分だけ、
削られるのはこちら。
一度「頼めばやってくれる」と登録されると、解除が難しい。
嫌われないようにしたら、仕事には好かれる
嫌われたくない。
嫌な空気にしたくない。
関係を悪くしたくない。
だから、
「いいですよ。」
と言う。
その一言で、
今日の予定が静かに死亡します。
でも、
その場は丸く収まる。
だからまた言う。
「いいですよ。」
すると。
仕事が寄ってきます。
次から次へと。
ありがたいですね。
……いらないけど。
「言い返す」と「線を引く」は違う
だからといって、
「じゃあ、全部言い返せばいいんですね。」
ではありません。
それをやると、
職場が一気にリングになります。
必要なのは、
喧嘩ではありません。
「今日はここまでしかできません。」
「それは、今の仕事が終わってからになります。」
「そこまでは引き受けられません。」
これくらいでいい。
小さく断る。
小さく伝える。
小さく線を引く。
それだけでも、
扱われ方は変わります。
我慢にはポイントカードがない
我慢は、
悪いものではありません。
一度なら、
美徳かもしれない。
二度なら、
頑張りかもしれない。
でも、
ずっと続けば。
ただの消耗。
しかも。
我慢にはポイントカードがありません。
どれだけ貯めても、
何ももらえません。
「我慢10回で、
有給1日プレゼント!」
……そんな制度、
見たことありません。
「よく頑張ったね」
と言われても、
給与明細に
「我慢手当」の欄はありません。
優しさにも、使用量がある
助けること。
協力すること。
誰かのために動くこと。
どれも悪いことではありません。
むしろ、
職場には必要です。
ただ。
自分を削らないと成立しない優しさは長続きしない。
善意で始めた仕事が、
いつの間にか正式採用されることもあります。
「ちょっと手伝う」が、
「担当する」に出世する。
「今回だけ」が、
「いつもお願い」に変わる。
そして。
「頼みやすいですね。」
……仕事からの評価だけ、
やたら高い。
我慢をやめるのではなく、使いすぎない
全部断らなくていい。
全部受け入れなくてもいい。
助けてもいい。
でも、
無理なものまで引き受けなくていい。
「今日はできません。」
「それは難しいです。」
「ここまでならできます。」
その一言が言えるだけで、
ずいぶん違います。
我慢は美徳。
それは、
たしかにそうかもしれません。
でも。
使いすぎると、消耗品になります。
そして、
消耗品になった瞬間。
なぜか、
交換ではなく追加発注されます。
しかも、
本人に確認なし。
……職場の自動発注システム、
なかなか高性能です。
だから。
「まだ大丈夫。」
と言えるうちに、
少し止まる。
「今回は無理です。」
と言ってみる。
「ここまでならできます。」
と線を引く。
それくらいで、
ちょうどいい。
会社には「交換用の自分」は置いてありません。
消耗品になるまで、
使い切らなくて大丈夫です。



