怒りに振り回されない:人間関係のストレスとの付き合い方
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先日、友人のSNSの投稿で見つけた言葉。
「嫁ブリ?」
……なんだ、それ。
私、知りませんでした。
そこで調査開始。
すると。
結婚して、
初めてのお正月。
嫁いだ娘さんの実家へ、
嫁ぎ先からブリを贈る。
「いいお嫁さんをいただきました。
ありがとうございます。」
という意味らしい。
……福岡。
感謝の気持ちを、
魚で提出。
しかも。
ブリは、大きければ大きいほど、
「いいお嫁さんをいただいた」
という意味になるらしい。
つまり、
嫁の評価、魚体サイズ。
伝統は残す。でも、内臓までは守らない。
昔は、丸ごと一匹。
ところが今は、
「魚、さばけません。」
「丸ごとは困ります。」
「ゴミが大変です。」
ということで、
三枚おろし。
真空パック。
嫁ブリも、生活感に負けて加工される。
伝統は残す。
でも、
内臓までは守らない。
こういうところ、
嫌いじゃないです。
昔からの風習も、
暮らしに合わせて少しずつ形を変えている。
知らなかったら、どうなる?
夫婦二人なら、
「知らなかったね。」
「来年から考えよう。」
で済むかもしれない。
でも。
親が絡む。
「うちの娘、嫁に出したのにブリが来ていない。」
「え?」
「嫁ブリって知らないの?」
……夫婦の話だったはずが、
両家外交問題に発展。
しかも、誰も悪気はない。
ただ、
知らないことを、知らなかった。
これが、
ローカルルールの怖いところ。
知っている側には常識。
知らない側には、突然、採点基準が追加される。
しかも。
後から知っても、
初正月は一回しかない。
……なかなか厳しい。
知らないだけで、関係はこじれる
これ。
嫁ブリだけの話ではないと思うんです。
職場でも。
家庭でも。
地域でも。
「普通はこうでしょう。」
「そんなの常識でしょう。」
「なんで、そんなことも知らないの?」
そんな言葉が出るとき。
ちょっとだけ、
自分の考えを疑う。
それ、本当に「普通」なのか。
自分が知っているだけではないのか。
自分の中では当たり前でも、
相手にとっては初めてかもしれない。
知らないことを知らないまま、
「非常識だ。」
「失礼だ。」
「ありえない。」
と怒ってしまうと、
必要のなかった亀裂が入ってしまう。
知らないことより、
知らないことを知らないまま怒るほうが、
重量級のやっかいです。
怒る前に、常識を疑ってみる
もちろん、
何でも相手に合わせればいい、
という話ではありません。
でも。
「なぜ、そうしたんだろう?」
と一度考えてみる。
「もしかして、知らないだけかもしれない。」
そう思えるだけで、
話し方は変わります。
そして、
聞いてみる。
「これって、 こちらではこういう意味なんですけど、 ご存じでした?」
それだけで済むこともあります。
だからこそ、
怒る。
責める。
決めつける。
その前に、
「自分の常識が、相手の常識とは限らない」
と一度確認する。
それだけで、
無駄な衝突は減らせます。
でも、ブリ20件の向こうには
とはいえ。
2024年。
宗像・鐘崎の正月ブリは約350件。
そのうち、
20件が「嫁ブリ」。
この数字を見て、
「ああ、まだ残っているんだな。」
だけではありませんでした。
出会いがない。
結婚する人が減った。
若い世代が結婚しない。
そんな話を、
よく聞きます。
でも。
年末の鐘崎では、
20件の嫁ブリが、ちゃんと予約されていた。
その向こうには、
誰かと出会って。
結婚して。
初めてのお正月を迎える家族がいる。
なんだか、
ちゃんと未来、育っている。
そう思いました。
そして、
その未来をつなぐために、
昔から続いてきた風習がある。
知らなければ、
「なんでブリ?」で終わる。
知れば、
「そういう意味だったのか。」になる。
知らないことを、
知らないまま怒るのではなく。
まず、知ってみる。
それだけでも、
関係はずいぶん変わるのかもしれません。
そして、まさかの現地報告
そんなことをSNSで発信。
すると
まさかの当事者から、現地報告。
「私は、そんなこと知らず……送っていません。」
……そして、
「あとからは、どうしようもないことになりました。」
……ですよね。
それ以上は聞けない。
聞いたら、たぶんブリ一匹では済まなくなる。
ここは、
そっとしておきます。
嫁ブリから、ひとつ学んだ
私も今回、
初めて知りました。
嫁ブリ。
知らない風習って、
まだまだあります。
そして、
知らないことは、
別に悪いことではない。
問題なのは、
知らないことを知らないまま、
「相手がおかしい」と決めてしまうこと。
怒る前に、
一度だけ疑ってみる。
「私の常識が、
全部の常識なのかな?」
その一呼吸があれば、
避けられるいさかいもあります。
相手を変えるより先に、
相手の背景を知る。
自分の正しさを証明するより、
関係を壊さない方法を探す。
いい関係は、「自分が正しい」だけでは作れない。
嫁ブリ。
私は今回、
魚の風習をひとつ知りました。
でも。
もしかすると、
ブリから教えてもらったのは、
魚よりずっと大きな話だったのかもしれません。
次にブリを見たときは、
ただの魚ではなく、
「両家の外交官」に見えるかもしれません。
……ただし。
丸ごと一匹で来たら、
台所は少しざわつきます。



