母は、誕生日を忘れられる気がない。

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

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8月は、母の誕生日だった。

昭和23年生まれ。
今年78歳。

そして母は、
誕生日になると必ず言う。

「今日は私の誕生日だからね」

……知ってる。
8月の誕生日覚えてます。

なのに言う。

「今日は私の誕生日だからね」

今年も、
無事に自己申告いただきました。

母は、祝ってもらう気満々

誕生日って、
周りが気づいて、

「おめでとう」

と言ってくれるものだと思っていた。

ところが母は違う。

忘れられるくらいなら、
先に知らせる。

忘れられる前に、
知らせる。

たぶん母の中に、

「今日が誕生日なのに、誰も気づかなかった」

という未来は、
存在していない。

だから言う。

「今日は私の誕生日だからね」

……とても分かりやすい。

「言わなくても分かる」は、案外分からない

これって、
仕事でもよくある。

「これくらい分かるでしょ」
「見ていれば分かる」
「わざわざ言わなくても……」

そう思っていることほど、
案外伝わっていない。

本人の頭の中では、
巨大な看板が出ている。

ところが相手からすると、

「……何の看板?」

だったりする。

「察してください」
と言われても、
こちらには心の字幕機能は付いていない。


だったら、
言えばいい。

「これがうれしい」
「こうしてほしい」
「今日は誕生日」


母は、
このへんを全然ためらわない。

自分の「うれしい」は、自分で知らせる

母を見ていると、
「察してほしい」と
「伝える」は、
似ているようで全然違うと思う。

母は、
黙って待っていない。

「今日は私の誕生日だからね」

と、自分から知らせる。

すると周りも、

「ああ、そうだったね」
「おめでとう」

と動ける。

これ、
ものすごく単純な話なのかもしれない。

自分がうれしいことを、
自分で知らせる。

相手に当ててもらおうとしない。

母は78歳にして、
このあたりが実に分かりやすい。

そして、今年も8月は終わった

今年の誕生日も、
無事終了。

78歳。

誕生日を忘れられず、
ちゃんと祝ってもらい、
本人も満足。

たぶん、
来年も言う。

「今日は私の誕生日だからね」

……はい。
知ってます。
覚えてます。

というか、

もう8月が近づくと、
こっちが先に思い出します。


母の誕生日は、
本人の自己申告によって、
毎年しっかり定着していく。

これはこれで、
かなり優秀な広報活動なのかもしれない。

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鎌田千穂
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鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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