パワハラ vs カスハラ:職場と接客業界の迷惑劇場、そして新たな逆転現象
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
チホズスタジオは福岡市に拠点を置き、オンラインや訪問をあわせた産業カウンセリングを実施。
他にも実施していることは
- 産業カウンセリング及びコンサルティング。
- 人材育成の仕組みづくりのための自発的行動を促す教育研修。
- 「業務改善・組織変革」の企画提案実施。
- チホズ文字分析による人材分析及び提案。
「これってどっちが正しいの?」と問われる場面が、私たちの周りにはあふれています。
正義か悪か、成功か失敗か。白黒をはっきりさせたい気持ちはよく分かる。
ですが、果たして私たちの世界って、そんなに単純なのでしょうか?
白でも黒でもない。
正義か悪か。
良いか悪いか。
・・・もっと曖昧で多彩な世界が広がっている。
――そのことを受け入れると、今よりずっと居心地のいい場所が見つかるかもしれません。
世界の意外なつながり
日本語には「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがあります。
本来の意味は
大風が吹くと砂ぼこりが立ち、その砂で目を傷める人が増える
↓
目の不自由な人は三味線をひくから、三味線に張る猫の皮が不足する
↓
猫が不足すれば鼠(ねずみ)がふえて、あちこちの桶がかじられる。
↓
桶が壊れるので桶を新調する人が増える
↓
桶屋が儲かるという勘定
という一見バラバラな出来事が繋がっている様子を表現したものです。
現代においても、こうした複雑な連鎖は至るところにあります。
たとえば、タバコの自販機が街から姿を消したこと。
この出来事は、健康志向の高まりや社会の価値観が変化した結果とも言えます。
空気はきれいになった反面、「健康でなければいけない」という暗黙の圧力が強まる。
タバコを吸わない方は、タバコをする方に嫌悪感を高める。
昔は至るところでタバコを吸う方を見かけました。
今では、喫煙ルームで吸うことが当然のマナー。
こんな風に考えて行くと、物事は一つの側面では語れないほどに多層的なものですよね。
「白か黒か?」という問いが生む息苦しさ
「白黒思考」、つまり「正解か不正解」「善か悪」といった二極化した価値観は、私たちの選択肢を狭めがちです。
たとえば、こういう判断をしたことはありませんか?
成功していない自分はダメだ…。
もっと頑張らないと評価されない…。
引きこもりは悪いことで、社交的でなければならない…。
とはいえ、人にはそれぞれのペースがあり、価値観も多様なはず。
「成功」とは一体何を指すのか、「頑張る」とはどんな形なのか。
――それを一律に決めてしまうのは、私たちの可能性を狭めてしまうように感じてなりません。
以前に書いたコラムもご参考ください。
極端な判断の危険性:白黒志向に潜む歪み
グレーゾーンで見つける新しい視点
では、どうしたら白黒思考を乗り越え、多様性を受け入れることができるのでしょうか?
いくつかのヒントを書いていきます。
「それもあり」を口癖にする
友達や同僚の意見が自分と違うときも、「そういう見方もあるんだね」と柔軟に受け入れてみましょう。
学びや対話を大切に
「正しい答えが一つではない」ことを共有する。
そのために、教育やワークショップで多様性について考える機会を増やすのも良いアイデア。
プレゼンで視点を広げる
プレゼンテーションを行う立場なら、あえて異なる視点を提示するスライドを作る。
そして聞き手に「考える余白」を提供してみるのも効果的。
正解を決めない余白が、私たちを豊かにする
私たちの人生は、すべてを白と黒で割り切れるほど単純ではありません。
グレーゾーンには、新しい発見や多様性を受け入れる力があります。
そして、その余白こそが、私たちを自由で豊かにしてくれるのではないでしょうか。
あなた自身の「グレーゾーン」を見つけたとき、そこにどんな色が混ざっているか
――それを想像してみてください。
それはきっと、あなた自身の個性と価値観を映し出す美しい場所になるはずです。