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コラム

心の応急処置

2023年4月5日

テーマ:心が辛くなったとき

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

心の応急処置
頭が痛かったら頭痛薬を飲む。
指を切ったら絆創膏を貼る。

それと同じように、心が痛かったり傷ついた時「応急処置薬」があると便利ですよね。

これはお医者さんにもらう薬より先に、自分で作れます。

<症状1:自分の意見を否定されたとき>

家族と過ごすとき、会社で仕事をしているとき、友人と遊んでいるとき。
自分が「こうしたらいいのでは」と思って言った意見を拒否された、否定された、という経験は誰にでもあると思います。

自分なりに良かれと思ったから言った、「どうしようか?」と意見を求められたから思ったことを言ったのに、想定以上の拒否反応が返されると、ただ意見を採用されなかった、という以上にショックを受けます。

最初は驚き、そして体のどこか(胸など)が痛みだし、その痛みよってネガティブな感情が喚起されて、その場にい続けることが辛くなります。

そして自分が出した意見とは違うものが採用され、その場のメンバーがその意見に沿って動き始めると、自分もその一員であるにも関わらず、否定された感覚が残り続けるでしょう。

≪応急処置① 自分が言ったことを忘れる≫

良かれ、と思って言ったからこそ、その後も引きずってしまうのかもしれません。
良かれ、の中には自分なりのリスクヘッジも含まれているでしょう。
しかし、他のメンバーがNOと言ったなら、一旦自分の意見は忘れましょう。
どうしても、というなら、自分だけの時に実行するためにとっておきましょう。

≪応急処置② 似た意見に賛成する≫

人数が多いほど、いろんな意見を持った人がいます。
自分の意見自体は拒否されたとしても、似たような意見を言う人がいるかもしれません。
その人と一緒に再提案することも可能です。

≪応急処置③ 自分まで否定しない≫

周囲から意見を否定されたとき、一緒に自分の存在そのものを否定・拒否されたと捉えて落ち込んでしまう人がいますが、それは絶対に違うので気を付けましょう。
あくまでその場でそのメンバーでその時にどうするか、という「材料」を出し合っただけ、その結果でしかありません。

<症状2:孤独や寂しさを感じたとき>

物理的に一人でいるときだけでなく、回りに人がいるのに、寂しさや孤独を感じることがあります。
人間には「所属の欲求」という基本的な心理欲求があるため、自分が一人きりだ、と感じると不安が高まります。
何か危機が生じたときに自分を守れない、と考えてしまうからです。

孤独や寂しさを感じる原因は人それぞれだと思いますが、孤独感が長く続くと、気持ちの上でネガティブになるだけでなく、高血圧や免疫力の低下など身体的なリスクにもつながります。
孤独感そのもの、またはそれによるストレスを緩和する必要があります。

≪応急処置① 状況を冷静に分析する≫

ふとした時に根拠なく孤独を感じてしまうなら、「本当に孤独か」を吟味する必要があります。
「誰も自分を理解してくれない」「自分はいつも一人だ」
と思っていたとしても、それが思い込みに過ぎないことも多いです。
本当に「誰も」なのか、本当に「いつも」なのか。

≪応急処置② 自分から近づいていく≫

強い孤独感を感じている人は、新たな孤独体験を避けるために、必要以上に人から遠ざかる傾向があります。
その結果として上述のような思い込みが該当する場面を自分から増やしています。
あえて自分から誰かに近づいていきましょう。
挨拶や声かけ、手助け、SNSでのリプライなどでもいいかもしれません。

≪応急処置③ 相手になりきってみる≫

自分の周囲にいるけれど近づこうとしない人になりきってみましょう。

例えば同じ家の中にいるのに声をかけてこない家族に対して寂しさを募らせている場合。
相手は何か考え事や悩み事で頭がいっぱいかもしれない。
相手は相手で「今は一人でいたいのかな」とこちらに対して遠慮しているのかもしれない。
眠いだけかもしれない(笑)

違う視点から見ることで、ネガティブな感情が軽減します。

<症状3:自分で自分を責めているとき>

自己嫌悪、罪悪感、自己否定などの感情は、ごく些細な出来事からでも喚起されます。
何気なく言った一言で誰かの表情が曇った、会話が滞った。
気をまわしたつもりでやったことが、誰かの作業の邪魔になってしまった。
怒られた、失恋した、予定がキャンセルになった、目標をあきらめた、など。

明確なミスや失言であれば「ごめんなさい」を言うことで自己嫌悪も軽減されるかもしれません。
しかしそうしたはっきりした理由がない罪悪感や自己嫌悪のほうが、辛くて頻度も高いのです。

≪応急処置① 自分で自分に謝る≫

明確な謝罪対象がいない、または謝罪することが不自然な場合は、先に「自分」に謝りましょう。
必要以上に責めちゃってごめんね、みたいに。
反省や振り返りは大事ですが、やり始めると止まらなくなります。
どこかでストップして、「辛かったね、ごめんね」と言葉をかけて、落ち込んでいる自分を労わりましょう。

≪応急処置② 自分を許す≫

自己嫌悪の真っただ中にいるときに「自分を許す」というのは、自分を責めるよりもハードルが高い行為です。
そんなことしていいのか、自分にそんな価値があるのか、と、自分の価値を下げるほうにばかり気持ちが傾いているからです。
でも、そこまで傷ついて苦しんだなら、もう十分ではないでしょうか。
例えば今「15:55」だとしたら、自分を責めるのはあと5分で終わりにしましょう。
そして16:00になったら、自分を許して、責める気持ちは終了にしましょう。

≪応急処置③ 一つ学ぶ≫

自己嫌悪や罪悪感の真っ只中にいるときに、唐突に「楽しいことをしろ」と言われても戸惑ってしまう人が多いと思います。
その前段階として、今回の体験から1つだけ「学び」となることを見つけましょう。

  • 一人で動こうとしないで、次は誰かに声をかけてから作業しよう
  • 無理に会話を続けようとしたから変なことを言ってしまったのかもしれない。沈黙を怖がらないようにしよう
  • 目標を諦めたのは自分には大きすぎたからだ。計画を見直そう

など、「転んでもただでは起きない」精神でいると、ただ辛いだけ、という印象は薄れます。

<まとめ>

心が傷ついたり痛くなった時には、上記のように

  • 状況を冷静に分析する
  • 見方を変える
  • 自分を労わる

ことで辛さが緩和されます。
いきなりこうした思考作業に取り掛かるのが難しい時は、

  • 深呼吸
  • 短距離の散歩
  • 水分補給

で気持ちを落ち着けるなど、自分にぴったりな心の応急処置方法を作っておきましょう。

≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
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この記事を書いたプロ

西岡惠美子

精神障害者とケアする人を支えるライフカウンセラー

西岡惠美子(惠然庵(けいぜんあん))

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担当西岡惠美子(にしおかえみこ)

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