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ネガティブ感情のせいで冷静になれない

2023年1月16日

テーマ:心が辛くなったとき

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

ネガティブ感情のせいで冷静になれない

≪ご相談≫

嫌なことや不幸ごとが立て続いた上に、自分の体調も悪化して、ここ最近ずっとネガティブな気持ちから抜け出せず辛いです。
もっとポジティブにならなければ、と思うのですが、不調のせいか夜も眠れないことが多く、気持ちがバタバタして冷静になれません。
どうしたらいいでしょうか。

≪ご相談への回答≫
ご相談ありがとうございます。
まずは体調は如何でしょうか。この時節、流行病だけでなく寒さや寒暖差で体に負担がかかりやすいです。負担にならない程度に、体を労わる工夫をしてみてください。

『ネガティブな気持ちから抜け出せず辛い』というご相談ですね。

生きていれば、嫌なことや不幸ごとはどこかで遭遇します。完全に避けることは出来ませんし、避けようとすると今度は行動範囲や生活環境が限定され、本来得ることが出来るはずの楽しいことや嬉しいことから自分を遠ざけることにつながります。

とはいえ、嫌なことがあれば嫌な感情が湧き上がり、それによって気分が落ち込んで、長引けば睡眠や日常生活に影響を及ぼすのもまた自然な流れです。

避けられない出来事に対して起きるネガティブな感情への、自分なりの対処方法を作っておくことで、『自家薬籠中』とすることが出来ると、嫌なこと・不運なことをむやみに怖がることも、未来への不安も必要以上に高まるのを避けることが出来ると思います。

自分のメンタルヘルスを保つためには色んな方法があります。
自分自身と向き合い、受け容れて、生きてきた中で損なわれた部分を補修しながら土台作りからやり直す長期対策から、まずは今の気持ちを落ち着かせる、頭痛がした時に飲むアスピリンのようなものまで様々です。

すでに睡眠にも影響が出ていらっしゃるようですから、まずは「アスピリン」タイプの「気持ちの落ち着かせ方」をご紹介します。

【すぐ出来る気持ちの落ち着かせ方】
①腹式呼吸
②いる場所を変える
③思っていることを紙に書き出す
④一人になる
⑤30数える
⑥何でもいいから環境を変える
⑦好きなことに集中する

一つずつ見ていきましょう。

①腹式呼吸

何かあれば深呼吸、というのはよく言われると思いますが、その時に必ず「腹式呼吸」をしてください。
腹式呼吸とは、鼻から吸って、腹が膨らむ呼吸です。腹ではなく胸が膨らむ呼吸もありますが、こちらではあまりメンタルに影響しません。
腹式呼吸には自律神経を整えて、副交感神経を優位にする効果があります。
気持ちが落ち着かない時は、緊張状態が長く続いている状態です。
リラックス=副交感神経を優位にして、緊張状態を和らげましょう。

②いる場所を変える

イライラしたり焦ってしまう時に有効です。
場所を変える、ということは、徒歩なり何かの交通手段なりで体を移動させる必要があります。
体を動かすことにつながり、視界に入るものが変化します。
頭に酸素が回り、冷静さを取り戻せます。

③思っていることを紙に書き出す

なぜ「書く」のか、というところがポイントです。
紙に何かを書く時のことを想像してください。
白い紙とペンを用意し、椅子に座ってペンを持ちます。
何を書こうか、と、思考に意識が集中します。
そのうち何かを思いつきますが、それをどんな言葉にして書くか、を考え出します。
意外とぴったりな言葉って、思い浮かばないものです。
そうして試行錯誤して出来上がった「思っていることリスト」は、心の中で形を成さずにため込んでいた感情を形にして、自分から切り離したもの[/太字]です。
自分自身と一体化していたと思っていた感情と、距離を取ることが出来ます。
書き終わったら何度か読み返してみましょう。
同じ言葉が何度も出てきているかもしれません。
もしそうなら、まずはそこから対処していくことが出来るのではないでしょうか。

④一人になる

一人になることは、淋しいことでも逃げていることでもありません。
人は、周囲から常に刺激を受け続けています。それを取捨選択できる状態なら問題ありませんが、メンタルの調子を崩してしまっている時は、刺激の全てを自分への攻撃のように解釈して受け止めてしまいます。
土砂降りの雨の中に、レインコートも傘もなしで飛び出して行けばどうなるでしょう。ずぶぬれになって風邪を引いて、一つ間違えば大病にもつながります。
刺激のある環境にい続けるには、それに見合った状態にあることが必要です。
そうでないなら、自分の準備を整えるためにも、一度一人になりましょう。

⑤30数える

衝動的な感情にてこずっている時にお勧めです。
人間の脳は、とっさの危険回避のために、面倒くさい思考回路を全部ショートカットして決断し行動出来るための近道を持っています。
恐怖や怒りが瞬間的に爆発するのはそのためです。
突然背後から襲われた、という状況ならそれも有効ですが、会議の中で自分の提案を却下されたときに爆発してしまったら、自分を守るどころかデメリットしかありません。

理性的な判断が思い浮かぶためには、衝動性を制御する前頭葉の働きを待つ必要があります。
その為に、数を30数えましょう。本当は30秒もかかりませんが、念のため(笑)

⑥何でもいいから環境を変える

環境というと色々あります。
先ほどの「いる場所を変える」というのもそのうちの一つです。
部屋が暗いなら灯りをつける、窓を開けて空気を入れ替える、もっと広い場所・狭い場所へ移動する、座っている状態が続いているなら外へ出て歩く、スマホの電源を切る、など。

「もし~~ならいいのに」と思う想定があるなら、それに近い環境を真似してみるのもいいかもしれません。
「給料日が来たら好物を食べに行こう」と思っているなら、今の手持ちで買える値段で、好物を楽しむのもいいでしょう。

⑦好きなことに集中する

気分を盛り上げたい時にこそ活躍するのが「趣味」です。
趣味そのものではなくても、それに付随することでもいいでしょう。
海外旅行が趣味だけど、お金も暇もない(社会情勢も含めて)から行けない、というなら、机上旅行でも旅行会社のパンフレットを眺めるのでも、昔行った旅行先の写真を眺めるのでもテンションは上がります。

ただし、お酒・ギャンブル・不特定多数とのセックスについてはNGとしておきましょう。
気持ちが後ろ向きの時にこれらに救いを求めてもいい結果は生まれません。
気持ちが盛り上がるまで無理に続けた上に、習慣化して「依存」状態になるリスクがあります。

【注意点】

一つだけご注意いただきたいのは、「これをすれば気持ちが楽になる」と思って取り組まないようにしましょう。
気持ちが楽になるのは結果にすぎません。
①~⑦を試すことそのものを目的にしましょう。
自分に合うものが見つかって、それを何度か繰り返すうちに、気がつけば「冷静になれて」いるでしょう。
口内炎が出来た時は、気になって仕方がありません。しかし、気がつけば治っています。何月何日に治ったか、が分かる人は少ないでしょう。それと同じだと思ってください。

そうして「いつの間にかネガティブな感情から解放されている」経験を繰り返すことで、ネガティブ感情自体を避ける気持ちが少なくなっていくと思います。

一つでも「やってみようかな」と思っていただけるものがあれば幸いです。

≪オンラインカウンセリング惠然庵≫
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この記事を書いたプロ

西岡惠美子

精神障害者とケアする人を支えるライフカウンセラー

西岡惠美子(惠然庵(けいぜんあん))

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担当西岡惠美子(にしおかえみこ)

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