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自己肯定感が低いときは

2022年12月23日

テーマ:心が辛くなったとき

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

自己肯定感が低いときは
毎日の生活で、仕事で、学校で、趣味で頑張っていれば、嬉しいことや楽しいことばかりではなく、腹立たしいことやショックなこと、嫌だけれどやらなければいけないことや乗り越えなくてはいけない壁などとぶつかります。

どちらかというと自分にとって歓迎したくない出来事が起きた時に引っ張り出される「自己肯定感」
そういう状況だからこそ、「低い」ことを自覚しやすいのかもしれません。

自己肯定感とは何か、なぜ下がってしまうのか、低い時は何が出来るのか、を考察しました。

1.自己肯定感の定義

自己肯定感については、色んな人が定義づけを行っています。
なんと文部科学省までが、子どもの未来のための教育についての提言の中で「自己肯定感の低さ」を問題視しています。

自己肯定感とは、
・自分で自分のことを「OK」だと思うこと
・ありのままの自分で大丈夫だ、と思えること
・自分自身を大切にする感覚
などを差します。

似ている用語としては、「自己評価」「自己効力感」「自尊心(セルフ・エスティーム)」等があるでしょう。

裏を返すと、自己効力感が低い・下がっている時とは、

・自分で自分のことを「NG・ダメだ」と思っている
・ありのまま、今の自分では不安だと思っている
・自分自身を大切に出来ない状態

ということになりますね。

2.自己肯定感の中身

自己肯定感を高めよう、というスローガン(?)はよく聞くものの、では自己肯定感って具体的になんだろう、と、考えました。

①現実の自分自身を知っている

自分で自分を受け容れることが出来ている、ということは、受け容れる対象である「自分」のことを知っていなければなりません。
それは「もし〇〇が出来たら」という想定や条件を排除した、現実の今現在の自分自身を知っている、ということです。

②周囲を知っている

自分がいる周辺環境についても知っている必要があります。
住環境のようなハード面だけでなく、家族・友人知人・同僚上司部下・先輩後輩・その他関係者や、学校、会社、地域集団等の組織について、です。
自分はどんな人や環境に囲まれていて、どんな組織に所属しているのか、を知り、受け容れることです。

③自分が目指す方向性を知っている

人は毎日生活しています。起きて、外出して、役目を果たし、帰ってきて休みます。
その繰り返しの中で、好き嫌いや望むものかそうでないかは別として、目指す方向があります。
学生なら良い成績をおさめるとか、部活動で活躍するとか。
社会人なら仕事で業績を上げるとか、家族の健康管理をするとか。
自分がどの方向(目標・目的)へ向かっているのか、を知っているかどうか、です。

3.自己肯定感が下がりやすい条件・環境

①変化が起きた時

同じことを同じように繰り返すだけで、特に問題が起きないなら、自己肯定感という感覚を意識することすらありません。必要もないと思います。
しかし、生活の中で変化が起きると、人はそれに対応しなければなりません。
適切に対応出来れば問題ありませんが、対応できない時に「自分で自分のことを「NG・ダメだ」と思って」しまいます。

②想定・期待と違う結果になった時

何か行動を起こす時、小さなものであっても「こうなるはずだ」と、結果を想定します。
毎日の食事作りも、同じ時間に会社へ着くよう家を出る時も、仲のいい友人と飲みに行く時も。
慣れていることであるほど、「~~になるだろう」というより「なるはずだ」と、確定に近い想定をします。
それが、何かの不確定要素のため(必要な材料が揃わなかった、人身事故が起きた、友人が風邪気味だった)に、想定と違う結果になった時、「自分の準備や配慮が足らなかったせいだ、今の自分ではだめなのだ」と考え、自己肯定感の低下へつながります。

③他者との違いを悪く捉える時

人が皆同じではない、十人十色だ、と分かっていても、趣味嗜好や意見が違えば、小さくても摩擦が発生します。
それが家族や友人、同僚など、ごく近しい関係で同じ集団に属している人が相手だと尚更です。
好き嫌いは個人的な問題で、それに対して「良し悪し」はないはずなのに、他の人と違う選択をした自分を否定的に捉えてしまうことがあります。
自分の選択を自分で支持出来ず、「自分自身を大切に出来ない状態」になっているのです。

4.自己肯定感が低くなっている時にやること


自己肯定感=自分が自分をどう見ているか、ということなら、高くても低くてもどっちでもいいのでは、というのが本音です。
背が高い人もいれば低い人もいる、足が速い人もいれば遅い人もいる、というのと同じです。

しかし、自己肯定感が低いことにより、自分で自分を受け入れることが出来ない状態が続くと、自分の中で矛盾や葛藤が起きてそれがストレスへつながり、最悪の場合うつ病などを引き起こす理由になります。

つまり、自己肯定感が低いことそのものではなく、それによって影響を受ける部分をケアすることが最優先事項となります。

自己肯定感が低くなっている時、というのは、「自分は何をやってもダメだ」と思っている状態です。
道を歩いていて躓くのも、電車で座れないのも、飲み物をこぼしてしまったのも、全部自分がダメなせいだから起きたことだ、と考えがちです。

こんな時に無理矢理「自己肯定感を高めよう!ポジティブになろう!アクティブになろう!」とするのは、ガス欠の車を手押ししてでもドライブに行こうとしているようなものです。

違いますよね、ガス欠なんですから、まずはガソリンスタンドで給油するべきなんですよ。
人間も同じです。
自己肯定感が低い時は、低くなったきっかけがあります。
そのきっかけとは違う部分で給油しましょう。

職場の人と趣味の話をしたことが理由で自己肯定感が下がった、としたら。
別の同僚と趣味の話で盛り上がりましょう。家族と、でも、趣味仲間とでもいいです。
「自分はこの趣味が好きなんだ。あの人とは好き嫌いが違うだけなんだ」
と気づくことで、自分を受け入れることが出来ます。

他者と関わる場面で自己肯定感が下がりやすいなら、一人の時間を増やすのもいいと思います。
一人時間を過ごすことが出来る人は、自分で自分をメンテナンスできる人です。
そういう人が実は一番強いと、私は考えます。

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とはいえ、自己肯定感が高い=自分で自分をOKと思える状態になれるほうが便利でもあります。
次回は「自己肯定感を高めるために出来ること」についてお話しいたします。

この記事を書いたプロ

西岡惠美子

精神障害者とケアする人を支えるライフカウンセラー

西岡惠美子(惠然庵(けいぜんあん))

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