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英検1級道場ー2次試験対策ー日本国憲法、特に平和、日本の安全保障の在り方について研究しなおしました

2022年6月25日 公開 / 2022年6月29日更新

テーマ:英検2次試験・スピーキングに関する情報

コラムカテゴリ:スクール・習い事


2022年7月に英検1級2次試験が実施されます。

過去問を研究しましたが、毎回、幅広いジャンルから抽出し、微妙に表現を変えています。
どんなトピックが出るのか、まったく予想がつきません。

ウクライナ戦争や中国、北朝鮮の動きなどを踏まえて、日本の安全保障と憲法改正の議論がにわかに高まってきました。
何らかのかたちで、2次試験のトピックに出る可能性があります。

私自身の準備のために、あらためて一から日本国憲法を和文、英文の両方で研究しました。

なお、日本国憲法は当時の占領軍がまず英文で起稿し、日本語に訳したものがほぼ原文に近いかたちで制定されたと理解しています。
アメリカでは、当時のGHQがつくった日本国憲法草案が現存しているという話も聞いています。

公布 Promulgated on November 3, 1946
施行 Came into effect on May 3, 1947

構成:
・全部で11章、103条ある

・天皇が第1章なので、作られた当時、これが一番大事であった事情が推測されます
(ちなみに明治憲法も第一章は天皇であったと理解しています)

・第2章の「戦争の放棄」はArticle9だけであり、103条の中のたった一つに過ぎず、この条項だけでもって改正するとかしないといった議論は偏っていると考えます。今の憲法には不足している条項があると考えます。環境保護を初めとして、SDGsの17項目に書いてあることは憲法にもしっかり盛り込むべきだと思います

・第3章の「国民の権利と義務」はArticleが31個もあり、国民主権の観点で注目されます

・第9章に「改正」手続きが明記されています。衆参両議院(衆議院→参議院の順番)それぞれで、改正案を審議し、総議員数の2/3以上の賛成を経て国民投票にかけられます。国民投票で投票者数の過半数で改正可否が決まります。つまり、改正に熱心な安倍さんが決めることではないし、一部野党が身体を張って「改悪」を阻止していいものではない。野党は「護憲」と主張しているのだから、当然のこととして第9章に従って「改正」する方向でなければ矛盾していると言わざるをえません

第1章~第11章までの目次
CHAPTER I THE EMPEROR  Article 1~8
CHAPTER II RENUNCIATION OF WAR  Article 9
CHAPTER III RIGHTS AND DUTIES OF THE PEOPLE  Article 10~40
CHAPTER IV THE DIET  Article 41~64
CHAPTER V THE CABINET  Article 65~75
CHAPTER VI JUDICIARY  Article 76~82
CHAPTER VII FINANCE  Article 83~91
CHAPTER VIII LOCAL SELF-GOVERNMENT  Article 92~95
CHAPTER IX AMENDMENTS  Article 96.
CHAPTER X SUPREME LAW  Article 97~99
CHAPTER XI SUPPLEMENTARY PROVISIONS  Article 100~103


前文
We, the Japanese people, acting through our duly elected representatives in the National Diet, determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, do proclaim that sovereign power resides with the people and do firmly establish this Constitution. Government is a sacred trust of the people, the authority for which is derived from the people, the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which are enjoyed by the people. This is a universal principle of mankind upon which this Constitution is founded. We reject and revoke all constitutions, laws, ordinances, and rescripts in conflict herewith.

We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world. We desire to occupy an honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from the earth. We recognize that all peoples of the world have the right to live in peace, free from fear and want.

We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.

We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and purposes with all our resources.

この前文を読むと、さまざまな解釈が可能だと思います。
私は、「当時の占領軍が、日本を二度と戦争することがないように、勝利国に対して歯向かうことがないようにという意図で制定した」という主張が理解できます。

また、当時の日本は、この憲法を採択する以外に、国際社会に迎え入れてもらえない、国連への加盟も認められない、という状況であったと考えられます。

これは、悪いことをした子供が、「もうしないから、許して~」と親から約束させられるというシーンがイメージされます。

私は、平和を求めるという立場では、誰にも負けないと自負しています。
ただ、積極的に他国への侵略はしないが、今回のウクライナのように一方的に武力で攻め込まれた場合には、国際社会の助けを借りて抵抗し、国民の生命・財産・安全を守ることが国の役目だと考えています。

しかしながら、下記に述べるように、日本国憲法9条第2項では、日本は軍事力保持をしないと世界に公言し、明確に自衛権も否定しています。
いつでも攻めてきてよい。泥棒が入っても一切抵抗しない。入られないように準備をする権利さえ放棄しています。
この部分は、安全保障上大きな問題であり、改めるべきだと考えます。

この考えは、極めて常識的であり、誰にでも理解できる議論だと思います。

9条は下記のように2項で成り立っています。

CHAPTER II RENUNCIATION OF WAR

Article 9.
Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.

In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.

私は、第1項の、「国際紛争を戦争という暴力的手段で解決しない」という宣言は、海外に対してすばらしいことだと思います。

問題は、第2項にあります。
上記の目的を達成するために、陸海空の軍隊は保持しない、自衛権も放棄すると書かれています。

この2項がある限り、日本国民は今回のウクライナのように外国軍から蹂躙されても、一切抵抗できないし、日本政府は、国民の生命・財産・安全を守るという国としての役割を果たすことができないのです。

さらに言うならば、この条項に照らせば、今の自衛隊は明確に憲法違反です。
最近の世論調査では、大半の国民が自衛隊の存在を認めている事実からしても、憲法上に自衛隊を明記すべきだと考えます。

また、非核3原則も明記したらいいと思います。
因みに、非核3原則は法律でもなんでもないという事実は認識しておくべきでしょう

私は、この第2項(後半部分)を削り、第1項(前半部分)だけを残して平和外交に徹するのがよいと考えます。
つまり、日本は国際紛争を外交手段で解決する努力をするが、ウクライナのように、故なく一方的に軍事的に攻められたときには、抵抗して国民を守るということを可能にすることと、侵攻を未然に防ぐための備えが必要だと考えます。

このような私の考え方は常識的であると思うのですが、皆さんの意見はどうでしょうか。

いずれにしても、憲法をどうするのか決めるのは、一人ひとりの日本国民が国民投票で決めることが憲法に定められているので、ルール通りやればいいだけの話です。
皆さんも考えてみてください。
日本の未来、私たちの運命を左右する大事なテーマです。

この記事を書いたプロ

山中昇

自ら英検1級合格を続ける英語指導者

山中昇(英検一級道場)

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