組織力強化:迅速に組織変革する9つの方法:ファシリテーターの観点で考察する

小川芳夫

小川芳夫

テーマ:組織力強化

このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象として書いています。

このコラムは、McKinsey & Companyが2020年6月26日に出した記事 ”Ready, set, go: Reinventing the organization for speed in the post-COVID-19 era” についてファシリテーターの観点から考察するというものです。

何度も感染の波に襲われ、いつ終わるかもわからないコロナ禍。そんな中、迅速に組織改革をする必要性を主張する記事です。

私は翻訳者ではありませんし、翻訳するつもりもありません。上記の記事に書かれていることを、ファシリテーターとしての観点で考察してみよう、という試みです。

このコラムは次の2つの章で構成します。15分程度で読める内容です。


私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのためのお手伝いをしたい」と考え、この屋号にしました。

ファシリテーション。Facilitation という名詞です。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター(facilitator)と言います。


1. “Ready, set, go: Reinventing the organization for speed in the post-COVID-19 era” が主張する『変わらなければならない理由』に対する考察

記事が主張している組織改革をしなければならない理由は、新型コロナウイルス感染症が拡大し、今までのやり方ではうまくいかないことがわかり、変わらなければならなくなったからです。

もう少し、掘り下げてみると、生産性を上げながら意思決定のスピードを上げる必要があるということです。
そのためにはデジタル技術に代表されるテクノロジーとデータを新たな方法で活用しなくてはならなくなった、としています。

事例をあげています。

  • 国際的な電話会社は、1000人の店舗従業員をインサイドセールスに配置転換し、3週間で再教育した。
  • アメリカに拠点を置く小売店は2日で商品の販売方法を変えた。客が電話やオンラインで注文し、車で引き取りに行く時刻を取り決めておき、客の車が店の前に停車したら、店員が注文品を車内にいる客に手渡す方法にした。従来なら企画だけで18ヶ月かかっていたことを2日でやり遂げた。
  • 製造業の工場で、従来の40%の従業員数で90%以上の生産をあげた。
  • エンジニアリング会社が1週間かからずに人工呼吸器を設計し製造した。
  • 造船会社は、地方公務員と調整し、何千人もの従業員を1日3シフトから2シフトに切り替えた。


日本でも事例があります。

  • ビックカメラは英ダイソンの日本法人と提携し、有楽町店(東京・千代田)など一部店舗でビデオ会議システムを使ったお客への遠隔接客を始めた。
  • 住友不動産はマンションのオンライン見学会を6月から始めたところ、約1カ月で200組の参加を集め、20組程度の成約を得た。
  • BMW日本法人は販売店に行かずに車を購入できるネット販売を全国で大半の車種を対象に始めた。商品説明などの接客はビデオ会議システムで応じる。
  • アステラス製薬は営業の仕事をオンライン化した。医薬情報担当者(MR)がウェブ上で医師と直接やりとりができる営業ツールを導入。全国の医師の9割にあたる28万人へのアクセスが可能で、新規顧客をオンラインで開拓することも可能になった。
  • 第一生命保険は営業職員にスマートフォンを配布し、顧客と直接会わずにビデオ会議などで保険の契約を終えられる体制を整えた。
  • 化粧品大手のポーラは一部の販売員が自宅からビデオ会議システムで接客している。
  • 管理栄養士による営業支援を遠隔化するカゴメも「所属する栄養士は9割が女性。育児中でも空いた時間に仕事ができる。地方への営業に出向く必要もない」としている。
  • ノジマは商品や接客知識にたけた高齢社員について、在宅勤務による遠隔販売員としての活用を検討する。


さらに、2022年6月20日の日経電子版の 『設備投資回復25%増 22年度、脱炭素などで積み残し挽回』 という設備投資動向調査。
『全産業の計画額は前年度実績比25%増える見通しだ。伸び率は1973年度以来の高水準で投資額は07年度に次ぎ過去2番目に多い。サプライチェーン(供給網)の混乱などで21年度に積み残した投資を挽回する動きが底上げする。脱炭素などへの投資が目立つが、部材の供給制約が長引けば、計画が下振れする可能性がある。』と分析しています。

これらの事例の要点はスピードです。迅速かつ確実に成し遂げることが必要です。
これらの組織は、組織上の境界を取り去り、組織的なサイロを壊し、誰も不可能だと思っていた組織変革を成し遂げた、とマッキンゼーは言っています。


変革を成し遂げた会社は、スリム化された意思決定のプロセスを持ち、第一線のリーダーに権限を与え、動きが鈍い官僚的なピラミッド型の構造を停止したそうです。スピードを上げるためです。そういう第一線のリーダーがいない(トップが第一線のリーダーを信用しない)会社の結果は見えている、とマッキンゼーは主張しています。

『組織力強化:コロナによる組織の変化:ファシリテーションが果たす役割を考える』 で書いたように、ピラミッド型の組織では生き残れないということなのでしょう。やはり、ネットワーク型の組織に移らざるを得ないのだと思います。それを拒んだり、移行することが不可能な会社は淘汰されてしまうかもしれません。
こんな時なので、従業員の方も自分の会社はどうなのか、よくウォッチしておいた方が良いかもしれません。

マッキンゼーの記事によると、CEOたちは次のように言っているそうです。

  • 意味のないくだらない雑談を止め、論点を真面目に議論するようにしたら、意思決定のスピードは加速した。パワーポイントを禁止し、参加者を9人以下に絞り込み、1回の会議で意思決定までたどり着いた。パワポは説明資料ですから説明会には適しているでしょうが、意思決定を1回の会議でやるのなら、説明する内容は会議が始まる前に参加者は理解していて、さらに自分の考えを持って参加することが参加するマナーとして求められる、と私は思います。
  • 月曜に依頼したら、金曜日までに実際に動くプロトタイプができた。GV(Google Venture、グーグル・ベンチャー)のSPRINTみたいですね。コロナ禍なので、オンラインでワークショップを開催してできるようになっていることが求められる、と私は考えます。
  • 職場のチームを超えた直接的なつながりを持つ時間を増やした。役割を見直し、マネージャー達を元気付けた。ネットワーク型の組織での協働ですね。マッキンゼーの記事は、多分想定読者を経営者やマネジメント層としているように思えるので、こう書いているのだと思います。私に言わせると、『組織力強化:コロナ禍のリーダーシップ:ファシリタティブなリーダーシップとは』 に書いたように、ファシリタティブなリーダーシップを持った人を元気付ける、ということだと思います。その人がマネージャーでもいいし、一般の従業員でも良いのです。
  • 新しい技術を一晩で採用した。ビジネスを危険にさらさない程度の失敗に対して寛容であった。私は、これはキーポイントだと思います。ちょっとの失敗はOKとする。その代わり、ちゃんと振り返りをして、大きな失敗とならないように次の打ち手を考える。この辺りのことは『働き方:アジャイルな働き方とは:アジャイルな働き方を導入するには』 を参考にしていただけると思います。
  • 最も困難な課題に対してベストな人たちのチームで対応した。『もし彼らに出来ないのであれば、誰にも出来ない』というようなチーム。


マッキンゼーの記事は、経営陣は新しい協働ツールを採用した、と書いています。
『会社の会議:BTFコンサルティングの使い方(オンライン対応):お客様のご成長のために』 で紹介している協働ツールをうまく活用し始めているように思います。
技術を活用した新たな人と人との相互作用は、お客様や従業員の体験価値を高めることにつながる可能性がありますし、コロナ禍での協働のしかたを創ることにもつながると思います。

スピード感を持って成果を出し、高いお客様の体験価値をもたらし、従業員の能力を高め、会社の業績にも貢献する。そんな会社だったらいいなぁ、と思う方もいらっしゃると思います。今までのやり方を変える必要があるので、結構キツいかもしれませんが、どのみちキツいのなら将来につながる方が良い、と私は思います。

これらの成果は可能であり、必然ではない、誰でも手に入れられるものではない、とマッキンゼーの記事は言っています。組織の成功は努力して構築するものだとしています。そして、リーダーたちは組織が古い行ないやプロセスに戻らないことを確実にしなくてはならない、と主張しています。それは、常に組織構造に変化を起こし、変化のスピードを持続し、従業員を鼓舞して従業員の体験価値をもたらすことになる、としています。

古い行ない、古いプロセスとは何か。次章で説明します。


2. 迅速に組織変革する9つの方法と各々の方法に対する考察

マッキンゼーの記事は、迅速に対応できるように組織を作り直すことが重要だ、としています。そして、迅速に新しい働き方を導入した会社の経営層は、階層のない組織に興味を示し、急進的なアプローチで意思決定や働き方を見直している、と書いています。

そして、勝者は今まさに果敢に実験をしている、と書いています。
何もしないと、とんでもないことになってしまうという危機感なのだろうと思います。

それでは、マッキンゼーがいう、迅速に組織変革する9つの方法について考察します。

① 【働き方】意思決定のスピードを上げて権限委譲する

パンデミックは意思決定のスピードを上げることが可能であることを示した、と書かれています。今まで無駄が多かったということに気付いてしまった、ということなのでしょう。ミーティングの数を少なくして、必要最小限の意思決定者を各々のミーティングに入れることが重要だとしています。ファシリテーターとしては、当たり前のことだと思っています。
オンライン会議は最大9人というルールを作っている会社もあるそうです。
事前に用意する資料は、1〜2ページの文書やエクセルなどのスプレッドシートにした会社もあるそうです。長いパワーポイントは説明に時間がかかるから会議では使わないそうです。1章に書いたように、説明内容は事前に理解して自分の意見を持って集まる、という会議リテラシーの高い組織に変わることを決めた、ということなのだと思います。説明会ではなく、会議を開くのだと。

意思決定の頻度を上げているそうです。年次から四半期にしているところもあるそうです。スピードを上げる。頻繁に見直す。そうすることで、フレキシブルに対応することが可能になります。まさにアジャイルな働き方ですね。CEOレベルなら年次を四半期に変えることは大きな変化なのでしょう。プロジェクトを実際にやっている従業員レベルでは、そんな悠長なことは言っていられないので、最長1日ではないかと思います。アジャイルに働くとは、そういうものです。

ビジネス遂行に必要不可欠でない意思決定は権限委譲することで、経営トップは重要な意思決定に集中できる。このためには、ビジネスをリスクにさらさない程度の失敗はトップが許容することが求められる、と書いています。

意思決定のスピードが遅いと、悪い結果を招く危険性があるからなのでしょう。
下図は、「知らないこと」の氷山です。(出所:The Iceberg of Ignorance
画像はタップやクリックで拡大します。
知らないことの氷山
問題が発生した際に、トップには伝わらずに、途中で揉み消されてしまうという模式図です。

組織の動きを早くするには、従業員のモチベーションを上げることが大切だとマッキンゼーの記事は主張しています。従業員の体験価値を上げることが大切だということなのでしょう。なお。従業員の体験価値については、『ビジネス変革:コロナ禍がもたらす変化:体験価値について考察する』 で説明しています。


② 【働き方】実行力をあげる

リーダーがコントロールを強めたりマイクロマネジメントをするということではく、難しい状況なので、第一線にいる従業員が協働して働くことに対してより責任を持つべきだ、とマッキンゼーの記事は書いています。
組織は、仕事を実行するのに必要な「筋肉」ともいうべきスキルを従業員が身につけることに注力すべきだとも書いています。


チームで働く全ての人は、誰が何をいつまでに何の役割でやらないといけないのか、そして何故それをやらないといけないのか、を明確にすることが必須です。リモートで働くか対面で働くかにかかわらず、チームのメンバーがやっていることを見える化するカンバン管理が必要です。クラウド上で使えるITツールがありますので、活用すべきでしょう。進捗状況が見える化されることで、大きな失敗になる前に、「予兆」を見つけることができます。 アジャイルな働き方です。

従業員は、指示待ちではなく、課題を解決できるスキルとマインドセットを持たなくてはいけない、とも書いてあります。
原文は、"Employees must also be equipped with the right skills and mindsets to solve problems, instead of waiting to be told what to do. " です。
欧米にも指示待ちの人はいるのです。そういう人は、雇用の観点でかなり厳しい状況に置かれていると想像できます。コロナ前の時代でも厳しかったですから。

そして、やると決めたことが実施されたことと、目標が達成されたことを確認することも必須。会社は目標を成し遂げたチームに報酬と評価与えることが大切だ、と書いてありました。

お客様に近い第一線のチームから出るアイデアとイノベーション(革新)を援助するべきであり、そういうものが出やすい職場のチームにするべきだとも書いてあります。
全社規模のビジネス変革に挑んでいる化学会社の例がありました。
全ての会議は、会議の目的と終了後に到達したい目標を共有することから始まり、To Do を決めて終わることにしたそうです。ファシリテーターの観点では、これは当たり前のことです。何の目的のために集め集まったのかは、事前に参加者に伝えられるべきです。そしてその会議の終了時に到達したい目標も事前に伝えられ当日リマインドされるべきです。目標が達成されれば、会議時間が残っていても解散となります。目標が達成できなそうであれば、最後の数分を使って「次をどうするのか」を決めます。私は、To Do を整理するのに、RACI(レイシー)というフレームワークを使います。RACI については、『会社の会議:会議の変革:RACI を活用して実施可能な To Do を合意しよう』 で説明しています。


③ 【働き方】類まれなパートナーシップを養成する

自社だけでなく、エコシステムを形成するパートナー会社も、同じスピードで変わらなければ、うまくいかないどこかでボトルネックが起きる。つながった世界では、もはやバイヤーとサプライヤー、製造会社と販売代理会社、雇用者と従業員、という境界を破壊しなくてはいけない、としています。
「つながり」は深い信用でつながれていることが必須です。そういったつながりは両社のシステムや業務プロセスを連携させることを可能にします。パートナー会社を巻き込んだ、デジタル技術を活用したビジネス変革(DX)の実現にもつながります。
変化のスピードを速くするためには、アジャイルに働けるチームを社内に多く持つことが大切だ、とも書かれていました。


④ 【組織構造】組織構造をフラットにする

スピーディな組織は、行動する人がたくさんいて、官僚組織の獣(Beast of Bureaucracy)に餌を与える人が少ない、と書かれています。

官僚組織の獣とは、簡潔な報告をし合い、承認を請い、非生産的な会議の席に座っているような人たちからなる獣のことだそうです。そして、会議終了後に、不安や恐れなどから寄り集まり、本当の会話を始めるような獣だ、とも書かれています。下図が官僚組織の獣の絵です。
なんか醜いと思いませんか?私はTVドラマの半沢直樹が戦っている人たちをイメージしてしまいました。
官僚組織の獣
出所:The Beast of Bureaucracy

硬直した階層構造組織を、フラットな構造にして、迅速に対応できるような仕組みにして、次々発生するチャレンジや機会に対応できるように変わるべきだ、と書かれています。
ミドル・マネージャーの数を減らして、実際に実行する人や決定者を増やすことが大切だ、とも書かれていました。
典型的な階層構造の組織図の組織ではなく、動的なネットワーク型のチームでなければならない、というようなことも書かれていました。


ネットワーク型の組織で、ファシリタティブなリーダーシップで、次々発生する課題に対応することが求められているようです。

対面であってもリモートであっても、協働できることは重要になるとも書かれていました。どこまでコロナ禍が続くのかわかりませんが、この指摘は大切なポイントをついていると思います。


⑤ 【組織構造】俊敏さを解き放ち、チームに権限を持たせる

コロナ禍になり、アメリカではアジャイルな働き方をするチームがたくさん見られるようになったそうです。小さいクロスファンクショナルな複数のチームが共通の目標に向かって協働する。これが大切です。そして、その協働は追跡され評価されることも、従業員の体験価値をあげるために大切です。

リーダーは各々のチームに明確な使命を与え、成果(お客様や従業員に関係するもの)を示す明確なデータを持って、評価することが大切だ、と書かれていました。
リーダーは、各チームが自律的に独自のアプローチで目標に到達するための支援をすることも大切だ、とも書かれていました。


事例として、コロナ前の時代からアジャイルな働き方を取り入れていた電話会社と銀行は、コロナ禍になってから新しいサービスをリリースするのに2倍速かったそうです。


⑥ 【組織構造】ハイブリッドな働き方が機能するようにする

ハイブリッドな働き方とは、ある時は出社して対面で協働し、ある時はテレワークで協働する、という働き方です。
従業員の体験価値を上げ、オフィスコストを下げることにつながります。

ハイブリッドな働き方を採用するメリットは、幅広いスキルを持った人材を獲得する機会が増える、ことです。働き方がより柔軟になりますし、生産性をあげることにもつながります。

そのメリットを獲得するには、下記の3点が必要だと書かれていました。

  • 従業員が協働するために必要なITツールを使うための基本的なスキルを持っていること。
  • 社会的なつながりを養育する規範を作ること。具体例は、組織のテレワークルールです。例えば、slackなどの非同期メッセージツールに即時応答を求めないことです。集中を妨害してしまいますから。いきなりの電話も同じですね。不急であれば非同期で良いはずです。
  • 規範・ルールは、詳細で従業員の働きに役に立つものを作ること。私は、その通りだと思います。

変な規範・ルールを作ってしまうと、従業員の体験価値が下がるので、優秀な人材は逃げていってしまうでしょう。優秀な人材は、もっと良い会社に行けるからです。従業員の体験価値は重要なものなのです。だから欧米では重要視されています。

訳が拙くて恐縮ですが、次の2点が大切だと書かれていました。

  • 従業員はちゃんとスキルをつけるべき
  • リーダーはちゃんとしたことをするべき



⑦ 【優秀な人材】将来のリーダー候補を今日出す

CEOが吟味すべき次のリーダーは下記4点を満たす人だ、と書かれていました。

  • 意思決定をすることができる人
  • 迅速に実行できる人
  • 新しいことにチャレンジできる人
  • 不確実なことに直面しても自分のチームをリードできる人


リーダーとは、役割や職責であり、具体的には主任、課長、部長などです。
因みに、リーダーシップとは、職場のチームで目標に向かって協働し、目標を達成することを成し遂げる力です。目標を達成するよう働きかける力とも言えます。

官僚組織の獣になってしまった人はムリでしょう。
従業員はそのあたりのことに敏感になっていた方が良いかもしれません。会社の将来性を見るために。

2〜3年のリーダー育成期間という期間もコロナ前の時代にはあったとし、12ヶ月の期間を12週間に短縮した海外の会社がある、と書いてありました。もともと上記の4つのスキルをほぼほぼ備えていた人しかムリでしょうね。すべての従業員に、というわけではありませんが、⑥の「従業員はちゃんとスキルをつけるべき」の身につけるべきスキルを考える上で参考になるのではないでしょうか。

リーダーの方々にとって、大変な時代に入ったようです。


⑧ 【優秀な人材】どう学ぶのかを学ぶ

大切なスキル、核とも言えるスキルは、適応し素早く学ぶ能力である、と書かれてありました。また、継続して学ぶこと。未知の経験に対してオープンな姿勢でのぞみ、そこから学ぶこと。これらも大切だ、と書かれていました。

柔軟な考えを持っていて、前向きな考えの会社は能力開発を加速しているとマッキンゼーはいっています。この辺りのことに手をつけていないCEOのいる会社はどうなのか、従業員として注視していた方が良いかもしれません。

スキルには賞味期限があります。当たり前ですよね。だから学び続けることが大切です。また、状況変化に適応して何を学ぶのかを選べる能力もかなり大切だと思います。


⑨ 【優秀な人材】CEOとリーダーの役割を再考する

リーダーというものに変化が起きた、としています。その変化とは、下記です。

  • 変化前:命令し支配すること(命令者)
  • 変化後:困難な時に勝てるチームを作りそのチームの持っている力を解き放つこと(チームで意思決定し、決定事項を実行できるようなチームを作り、リーダーは力を与え、活力を吹き込むこと、明快なビジョンを伝えること)


これからのリーダーは、命令者ではなく、明快なビジョンを持った人であることが求められるとマッキンゼーは言っています。明快な将来ビジョンで組織を動かし、そのビジョンを実現するために従業員に力を与えられる人であることが求められると言っています。

困難な時に勝てるチーム。リーダーはチームのコーチとなり、チームが意思決定し、決定事項を実行できるようにコーチングできる人でなくてはならない、という意味のことが書かれてありました。そういうリーダーは、イノベーション、変革、成長を成し遂げるための触媒となるための、エネルギーや情熱が必要だとも書かれてありました。

ファシリテーターの私としては、『組織力強化:コロナ禍のリーダーシップ:ファシリタティブなリーダーシップとは』で紹介したファシリタティブなリーダーシップを持った人が求められているように思います。

ファシリタティブなリーダーシップを身に付けたい方、自部門にファシリタティブなリーダーシップを持った人を育成したいとお考えのリーダーの方、一人で自習するやり方は非効率です。誰かのアドバイス・支援を受けながら研鑽する方が効率が良い、と私は考えます。

私が提案するアプローチを、下記のコラムに書きました。

ご関心を持っていただけましたら、是非ご相談ください。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 
 

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

小川芳夫プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

小川芳夫
専門家

小川芳夫(ファシリテーター)

BTFコンサルティング

ファシリテーションを核とするソフトスキルを活用して、ビジネス変革の実現を伴走型でお手伝いします。組織の中にファシリテーターを育て、自律的に変革が実現できるようになるまで伴走型でお手伝いします。

小川芳夫プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ千葉
  3. 千葉のビジネス
  4. 千葉の人材育成・社員研修
  5. 小川芳夫
  6. コラム一覧
  7. 組織力強化:迅速に組織変革する9つの方法:ファシリテーターの観点で考察する

小川芳夫プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼