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小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(おがわよしお) / ファシリテーター

BTFコンサルティング

コラム

組織力強化:アジャイルな会社とは:イノベーションを実現するために

2021年6月7日 公開 / 2021年10月26日更新

テーマ:組織力強化

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: リーダーシップ スキルチームビルディング働き方改革

このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。

このコラムが参照する資料は、CxO(Chief x Officer)向けのものです。
CxOとは、「Chief=組織の責任者」+「x=業務・機能」+「Officer=執行役」の頭文字をとったもので、企業活動における業務や機能の責任者を指しまます。CEO(Chief Exective Officer=最高経営責任者)、CFO(Chief Financial Officer=最高財務責任者)のように、「x」に代入される頭文字によってその職務や職責が異なる、最高◯◯責任者のことです。

なぜCxO向けの資料を参照しているのに、コラムの対象読者をビジネスパーソンとしたのか。
アジャイルな会社とは、今後の会社の一つの姿である、と私は考えるからです。今お勤めの会社と比べることは、先が見通せない今、価値があることだと考えますので、対象読者をビジネスパーソンとしました。


2020年新型コロナウイルスが流行する以前からVUCA(ヴーカ)は言われていました。VUCAとは、Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの頭文字です。不安定で、不確実で、複雑で、不明確といったところでしょうか。

コロナ禍になり、不安定性、不確実性、複雑性、不明確性は増していると感じます。先が見通しにくくなっています。

このような環境の下、アジャイルという言葉を最近良く見聞きするようになっています。
アジャイル、英語のagileで「機敏な」という意味の形容詞です。
アジャイルはソフトウェア開発で使われている開発方法の1つです。ソフトウェア開発で使われている方法を、ソフトウェア開発以外でも見聞きするようになっています。例えば、働き方、経営、組織文化


このコラムはアジャイルな会社について書きます。
私は今までにアジャイルな働き方に関して、下の4本のコラムを書いています。


実は、4本目の『働き方:コロナ後のアジャイルな働き方:どこからでも働けるようにするために』を書くために、いくつかの資料を読んでいまして、アジャイルな会社についての資料にたどり着きました。下記の5つの資料です。

なお、()内の日本語は私がつけました。

書籍 "Doing Agile Right" は、"Transformation Without Chaos"(カオスなしの変革)という副題がついたハーバード・ビジネス・レビュー・プレスが出版したものです。
著者は、ベイン・アンド・カンパニーのコンサルタント、Darrell Rigby、Sarah Elk、Steve Berezの3名です。

このコラムでは、上記5つの資料からアジャイルな会社に変革するためのキーポイントについて、私の観点で切り出してみたいと思います。

  1. はじめに、この書籍が執筆された背景についてまとめます。
  2. 次に、アジャイルな会社に変革するための誤ったアプローチについてまとめます。
  3. 最後に、アジャイルな会社に変革するための正しいアプローチについてまとめます。


私がアジャイルな働き方と出会ったのは2014年頃です。アジャイルな働き方が腑に落ちるまで時間がかかりました。試行錯誤しながら約4年間アジャイルな働き方を実践しました。コロナ禍でVUCAの今、アジャイルな働き方は1つの有力な選択肢ではないか、と私は思っています。自身の経験を踏まえて、このコラムを書きます。

このコラムは次の3つの章で構成します。10分程度で読める内容です。


私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのために貢献したい」と考え、この屋号にしました。

ファシリテーション。Facilitationという名詞です。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。

ファシリテーションをする人をファシリテーター (facilitator) と言います。


1. 時代背景

資料3は、現状のビジネスが置かれている環境を「一貫した危機とブラックスワン」と表現しています。ブラックスワンとは、滅多に起こらないものの、起きてしまうと壊滅的被害をもたらす事象です。

例として、デジタル・ディスラプション(デジタル技術を活用した商品やサービスなどが登場することによって、旧式のものが破壊されること)、自然災害、データ漏洩、貿易戦争、テロ、規制、金融ショック、軍事的対立、社会不安、物言う投資家、経済危機、そしてパンデミックをあげています。

予測不能で加速する変化の中でも、繁栄するビジネスを築くという野心を持つことの大切さを訴えています。下記の3点が大切だそうです。

  • 散発的なイノベーションを、危機が訪れたり去ったりする中でも機敏さを保つ組織的なイノベーションにすること
  • 競合をマーケットから追い出す力とマーケット・シェアを獲得すること
  • いかに優れた結果を出すのかというプロセスに誇りを築くこと


その上で、焦点を当てるべきは下記の4つだと主張しています。

  • 顧客
  • 従業員
  • 株主
  • コミュニティ


予測不能な環境でも生きていくための方法は、冒頭で紹介したアジャイルな働き方のコラムで紹介しています。

ビジネスを運営するためのオペレーションと、ビジネスを変革するイノベーションとは補完的なものであり、相互に依存するものであり、互いに有益なものだとしています。どちらかが大きすぎてもバランスが悪くなってしまいます。

官僚組織はビジネスを運営するためのオペレーションに重きを置きすぎる傾向がある、と指摘しています。

わかりやすいスライドがあったので紹介します。(タップやクリックで拡大します)
ベルトコンベア
上図は、問題を分析し、アイデアを出し、製品やサービスが世に出る時点での具体的な要件を予測し、設計し、開発し、テストや検証を行い、世に出す。そして世に出た後は保守を行う。という一連のことがベルトコンベアに乗ったかのように実施されていく様を表現しています。いわゆるウォーターフォール型ですね。高いところからこぼれた水は下に落ちていきます。水は自力で高いところへ登ることはありません。

昔はこれでもよかったのです。今は予測困難な時代です。例えば上の段落の「製品やサービスが世に出る時点での具体的な要件を予測する」。製品やサービスが世に出る1年先2年先を予測することは不可能なのです。予測困難なことを予測することは出来ません。
にもかかわらず、今までと同じように、予測し、人に命令し、人を機械を扱うように操作するというやり方では、少し上の段落に書いた「予測不能で加速する変化の中でも、繁栄するビジネスを築くという野心」を実現することは出来ません。


このような時代背景の中で、資料1〜資料5は、アジャイルな会社(Agile Enterprise)が必要だと主張しています。

ところで、資料3のウェビナーのなかで「顧客中心でなければ成功しない、ボス中心では失敗する」と語っていた点が印象的でした。官僚組織はヒラメ社員を育ててしまう危険性があります。『ビジネス変革:世界の成功事例:成功要因を考える』で紹介した成功事例は、顧客体験価値に徹底的にこだわっていました。


2. アジャイルな会社に変革するための誤ったアプローチ

資料5では、アジャイルな会社にしようと試みて大失敗した事例研究から、下記の有害な3つのアプローチが紹介されています。日本語は私が訳したものです。

  • 全社一斉にアジャイルを展開する(Agile, Agile, Everywhere)
  • 「君たちアジャイルをしよう」(Let's Have You Folks Do Agile)
  • その場しのぎのアジャイル(Agile as Quick Fix)


3つとも説明すると、このコラムが長文になり過ぎてしまうので、この章では、「君たちアジャイルをしよう」を取り上げることとします。

経営学者のフレデリック・テイラー(Frederick Winslow Taylor)が、1911年に出した "The Principles of Scientific Management"(科学的管理法の原理)という書籍には下記4つのことが書かれているそうです。ウィキペディアによると、「科学的管理法の父」と称されている方だそうです。

  1. マネージャーは仕事の計画を立て、被雇用者はその仕事を実施する
  2. マネージャーは、被雇用者が最も効率良く仕事をする方法を、科学的に分析する
  3. マネージャーは適正な人が適正な仕事をするよう、科学的に適正な人を選択し訓練する
  4. マネージャーは被雇用者が仕事を実施することを厳密に監督する


資料5では上の4つの教義を信じる人をテイラーリストと呼んでいます。

テイラーリストがアジャイルを実行しようとすると悪いことが起きる、としています。
よくあるパターンは、次のようなものです。

組織のトップにいるリーダーが部下にアジャイル変革することを指示します。トップ自身はアジャイル変革せず、テイラーリストで居続けます。強い権限を持ったPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)を作って、アジャイル変革を推進しようとします。PMOは詳細な予算、実行計画、マイルストーン、ガント・チャート、報告制度を作って、計画通りに進捗しているかどうか確認します。おびただしい数のアジャイルチームが作られ、典型的な例としては、2日間程度のアジャイルに関するトレーニングを終えただけのテイラーリストがアジャイルチームをリードします。

リーダーシップチームは、以前と変わらず、部下をマイクロマネジメントします。
ウィキペディアによると『マイクロマネジメントとは、管理者である上司が部下の業務に強い監督・干渉を行うことで、一般には否定的な意味で用いられる。マイクロマネジメントを行う管理者は、業務のあらゆる手順を監督し、意志決定の一切を部下に任せない。部下の立場から見れば、上司がマイクロマネジメントを行っていると感じられることは多いが、上司がそのことを自覚することは稀であるとされる。』とあります。

アジャイルは、マイクロマネジメントでは実を結ばずに終わる、としています。
アジャイルは、自己を管理し、試して結果を振り返り学ぶことです。トップダウンでの管理はアジャイルの環境では機能しません。


真のアジャイル変革は、CxOたちの積極的な関与と支援が必要だ、としています。
CxOたちがやるべきことは、部下をトレーニングのセミナーに送り込むのではなく、部下たちにどのようにすれば良いのかを示すべきだ、としています。CxO自らが、アジャイルを理解し、愛し、自分自身の観点でアジャイルの手法を使うこと、これらが必須だ、としています。CxO自らが変わらないとダメ、ということなのだと思います。


ここでのポイントは、『ビジネス変革:世界の成功事例:成功要因を考える』で成功要因として挙げた、トップのデジタルリテラシーと近いものがあります。DX(デジタル技術を活用したビジネス変革)では、会社のトップがデジタルに対して造詣が深いということが成功要因である、と書きました。技術的な詳細を知る必要は全くなくて、ビジネスの観点でデジタルは何ができるのかを自分なりに深く理解していることが大切だ、と書きました。

アジャイルについても、トップがアジャイルに対して深い造詣を持つことが成功要因となるのだろう、と思います。自分自身の言葉で、自分たちのビジネスの観点で、アジャイルは何ができるのか、自社ではどう使うべきなのかを語ることは必須なのだと思います。

この章では、アジャイルな会社に変革するための誤ったアプローチを書きました。
次章では、アジャイルな会社に変革するための正しいアプローチをまとめます。



3. アジャイルな会社に変革するための正しいアプローチ

1章で書いた通り、ビジネスを運営するためのオペレーションと、ビジネスを変革するイノベーションとは補完的なものであり、相互に依存するものであり、互いに有益なものであり、バランスをとるべきものです。

この章では、資料1〜資料5が訴える「アジャイルな会社に変革するための正しいアプローチ」についてまとめます。

まず、資料3から下図を紹介したいと思います。(タップやクリックで拡大します)
traditional to agile
左側が伝統的なアプローチで、右側がアジャイルなアプローチです。左側の人は、大きくて複雑な問題を必死に解決しようとしています。右側の人は、大きくて複雑な問題を1つずつ解決可能な大きさに壊している様子が見えます。

伝統的なアプローチは下記の特徴があります。

  • 完璧な計画と失敗回避
  • 全てにおいて複数の作業を同時に行う
  • 肯定的な進捗報告
  • 支配と力
  • ピラミッド型組織構造における承認の仕組み


アジャイルなアプローチは下記の特徴があります。

  • 迅速な適応と失敗からの回復
  • 今時点で最も価値のある仕事にひたむきに集中する
  • 透明性ある考えでプロトタイプを作る
  • 信頼とコーチング
  • 顧客との協働と承認


いくつかの特徴を私の観点で説明します。
上図の右側のアジャイルなアプローチでは、大きくて複雑な問題を1つずつ解決可能な大きさに壊しました。この中から、今時点で最も価値のあるものを選んで、それに集中します。


うまくいかないこともあるでしょう。毎日のスタンドアップで確認しチームで打ち手を考えます。

スタンドアップとは、スポーツチームがピンチに遭遇した時に、集まってどうするのか作戦を立てる会議のようなものです。タイムアウトをとって作戦を立てたりしますよね。典型的な例は「昨日何をしたか、今日何をするか、そして仕事の進行を阻害する何かがあるか?」 各人は平均1分間程度で言う朝の会です。人数や困りごとの内容にもよりますが、10分以内に終わることを目標にします。

会議室の椅子に座って時間をかけるのではなく、立って手短に検討するようなものなのでスタンドアップと呼ばれています。
1章のベルトコンベアの図は一方通行で後戻りできない仕組みになっていましたが、アジャイルなアプローチは後戻りOKです。このまま行ったら失敗しそうだ、と気づいたならば、少し戻って違うやり方でやれば良いのです。これを迅速にやることが大切です。大きな失敗から回復するのは大変ですが、小さな失敗(というか小さな失敗をすることになりそうだという予兆)から回復する(少し戻って違うやり方でやる)ことは比較的簡単です。

アジャイルなチームでは、チームの協働は透明性を保ったものになります。1章のベルトコンベアの図では、テストや検証を行う段階になって初めてモノ(製品やサービス)が見えます。アジャイルなアプローチのプロトタイプとは、もっと早期にモノを目に見えるようにするということです。

『ビジネス変革:小さく始めてコツコツ育てる:迅速かつ確実に進めるために』で説明しているように、プロトタイプは加工した画像でも紙上のスケッチであってもOKです。まずは、どんな感じかを迅速に掴むことが大切です。例えば何かのアプリのプロトタイプを作るのに1週間かかってしまうのであれば、ユーザーが使う画面の遷移を手書きで紙上にスケッチして、ユーザーの体験はどのようなものなのか、それは価値があるのか、裏ではどんなロジックが動くのか、そもそもそのスケッチしたものは実現可能なのか、等々を紙芝居のようなプロトタイプを作成して、クイックに議論する方が良いです。紙工作でモノを見える化してプロトタイプを作っても良いのです。肝はアジャイル(迅速さ)ですから。

顧客との協働。
もし製品やサービスを使う顧客と協働することが可能なのであれば、是非早めの段階から協働を初めて、製品やサービスを共創するというアプローチをとると良いでしょう。

ところで、アジャイルなチームは、アジャイルでないチームと比べて、プロジェクトの成功率はどうなのでしょう。

資料3によると、アジャイルなチームの成功率は42%で、アジャイルでないチームの成功率は26%だそうです。アジャイルなチームは優れた財務成績を出し、より多くの自社製品やサービスを購入してくれる忠誠度(ロイヤルティ)の高い顧客を獲得し、チームメンバーは仕事にやりがいを感じ生産性が高くなるそうです。

1章と2章で、ビジネスを運営するためのオペレーションと、ビジネスを変革するイノベーションのバランスが大切だ、と書きました。
アジャイルなビジネスのバランス
資料3では上図が説明されていました。(タップやクリックで拡大します)

ここでは、上から真ん中あたりの Planning, budgeting, reviewing(計画、予算、評価)について簡単に説明します。左端が厳格な年次で型にはめられたモノ(Rigid annual templates)、右端がマネジメントの場当たり的な手順(Haphazard system of management)です。左端でも良くないし、右端でも良くありません。中間のどこかに最適なところがあります。

例えば、全てが年次という考えに縛られていたとしましょう。この考えは会社中心な考えですよね。会社の外、例えば顧客は年次なんて関係ありません。「製品の◯◯が使いにくいから直して欲しい」という顧客からの声が多数届いたとしましょう。会計年度末に近づいていて予算がなくて対応できないので「来年度対応を検討します」と返すのは古い、としています。

アジャイルに対応するなら、「次のサイクルで対応しよう」となります。ベルトコンベアの図の右側の小さく砕かれた塊の1つにするのです。サイクルとは数ヶ月、1ヶ月、もっと短期間だったりする長さです。活気に満ちたフィードバックを回す(dynamic feedback loop)ことが大切です。やってみて振り返る。そして、うまくいかなかったことを洗い出し、次はどうしたら良いかを考える。そして、またトライしてみる。こうしたことを活気を持って回すことが大切だということです。そして、こうしたことから学びを得て、次につなげることも大切です。

さて、アジャイルな会社になるためには、一気には行きません。(タップやクリックで拡大します)
アジャイルなチームからアジャイルな会社へ
まずは、少数のアジャイルなチームを作って、どうすればうまく機能するのか、トライしてみることです。ここで大切なことは、上の段落で書いた、やってみて振り返る。そして、うまくいかなかったことを洗い出し、次はどうしたら良いかを考える。そして、またトライしてみる、ということです。ここから、どうすればうまく機能するのか、アジャイルの恩恵を得ることができるのかを学ぶことです。

知見や経験が蓄積されてきたら、多の部門に広げていきます。うまくいっているチームのやり方を参考にしながら、自分たちの部門のチームのアジャイルが機能するように、トライします。トライして振り返る。そして、うまくいかなかったことを洗い出し、次はどうしたら良いかを考える。そして、またトライしてみる、このサイクルを回して自分谷に学びを蓄積する。

こうしたステップを踏むことが、アジャイルな会社になるための正しいアプローチだそうです。

アジャイルな会社はアジャイル・マインドセットを全社に育成し、チームはアジャイルな手法を実践しアジャイルなチームとして育っていきます。(タップやクリックで拡大します)
アジャイル・マインドセットとメソッド
アジャイル・マインドセットとは下記の12個です。

  • 顧客体験価値にこだわる
  • 個人と多様性の力を尊重する
  • 想像力に富むアイデア出しに貢献する
  • 持続可能なペースを維持する(早く走り続けると息切れして続かない)
  • 功績を頻繁に認め感謝する(頻繁にできるような粒度にして功績を認める)
  • 強みを活用する能力
  • 学び成長する機会
  • 悩みの種と正常な進行を妨害するものを撲滅する
  • 開始する。大きなタスクを検査可能な大きさにする(ベルトコンベアの図の右側の小さく砕かれた塊にする)
  • 他部門と連携を取らない仕事のやり方をしている全ての部門に共同体意識を持たせる
  • より効果的であるためにはどうしたら良いのか、じっくり考える
  • 単純さを探し求め、未完了の作業の数を最大化する(大きな作業ではなく、ベルトコンベアの図の右側の小さく砕かれた塊のようにする。一つ一つに単純さを求める)


アジャイルな手法とは下記の9つです。

  • 小さくて、ひたむきで、複数の専門分野を持ったチーム
  • 革新的な実験とプロトタイプに集中する
  • 頻繁なスプリントとスプリントの計画(スプリントとは、アジャイルの世界で使われる言葉で、チームが一定量の作業を完了させる際の短く区切られた期間)
  • 頻繁なスプリントに続いて、スプリントの総括と振り返りがある
  • 毎日のスタンドアップ(スタンドアップとは、スポーツチームがピンチに遭遇した時に、集まってどうするのか作戦を立てる会議のようなもの。典型例は「昨日何をしたか、今日何をするか、そして仕事の進行を阻害する何かがあるか?」について各人は平均で 1分間程度で言う朝の会)
  • スプリントで作業しているものの公開日時を計画する
  • 製品やサービスのロードマップ(これがないと全体の中でのスプリントの位置づけが不明確になってしまう)
  • 作業見積もりと作業速度の追跡
  • プロジェクト管理ツール(未処理分の作業の洗い出しと、その作業がどうなっているかの追跡)


この章は、アジャイルな会社に変革するための正しいアプローチについて書きました。
CxOのマネジメント時間はアジャイル前後でどう変化するのか、わかりやすい資料が資料3にありました。(タップやクリックで拡大します)
agile - management time changes
左端の棒グラフはアジャイル前のもので、右隣はアジャイルを始めてから3年後のものです。

  • 業務管理(Operations Management)の時間が60%から25%に激減しています。
  • 戦略開発と成長(Strategy Development and Growth)の時間が10%から40%へと激増しています。


業務管理はできるだけ次世代の優秀なマネージャーに権限委譲して、アジャイルな会社のCxOは本来CxOがやるべき成長戦略の方に時間をかけるようになってきているということだそうです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 
 

この記事を書いたプロ

小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(BTFコンサルティング)

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