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カウンセリングの種類、選び方や受け方を知って失敗しない選択を

カウンセリングにはいくつもの種類があり、カウンセリングルームによって、それぞれ扱う手法が異なります。一般的には、複数のカウンセリング手法、心理療法を用いてセッションを行います。代表的なアプローチ法を紹介するとともに、症状に合ったカウンセリングをご紹介します。

職場、親子、夫婦間などの悩み

心の不調を感じ、自分自身では解決できないと思ったら、カウンセリングを受けることが解決方法のひとつとしてあります。

では、どんなカウンセリングを受けたらいいのでしょうか?

仕事がうまくいかない、職場の人間関係で悩んでいるなど、会社内の問題で心のバランスを崩してしまったら、まずは、会社の上司やメンタルヘルスケア専門の窓口に相談しましょう。事業所によっては連携している産業医の面接が受けられます。

また、産業カウンセラーが社内に常駐もしくは委託契約している場合、仕事や人事に関するメンタルケアに対応したカウンセリングが受けられます。会社関係の悩みに関連した心の不調を個人的に解決したい場合、独立開業している産業カウンセラーのカウンセリングを受けることもできます。

自分自身の悩み、親子関係、夫婦関係、友人知人関係、学校関係など仕事以外の要因で心の不調を感じたとき、それが心身ともに不調の度合いが深刻な場合は、心療内科などの医療機関を受診してから、カウンセリングの必要があれば医師に相談しましょう。

医療機関を受診する前に、まずはカウンセリングを受けて相談してみたい、ストレスや不安が大きいので誰かに話を聞いてほしいといった場合は、臨床心理士や公認心理師、心理カウンセラー、セラピストなどのカウンセリングを受ける方法があります。さまざまな資格や経験のあるカウンセラーが開業しているので、自分に合ったカウンセリングを探してみましょう。

カウンセリングの種類

アプローチの仕方にいくつかの種類があるように、実際のカウンセリングの手法にもさまざまな種類があります。カウンセリングを受けることになったら、どのようなことをするのか、主なカウンセリングの手法は以下のようなものがあります。

認知行動療法

「認知」とは、「現実の受け取り方」や「ものの見方・考え方」のことをいいます。この認知に働きかけて心の状態を整えていく療法が「認知行動療法」です。最も科学的な根拠を持った療法といわれ、うつ病や不安障害、パニック障害、強迫性障害、人格障害、幻覚妄想、トラウマなどの問題に用いられています。

私たちには、何か出来事が起こったときに瞬間的に思い浮かべるイメージがあります。これを「自由思考」といい、以降に起こる感情や行動に影響を及ぼします。自由思考が出来事に過剰に反応したり、ネガティブな思考に陥ったりすれば、つらい気持ちや不本意な行動になります。

認知行動療法の進め方は、まず、この自由思考に注目して現実とのズレを検証し、感情や行動にどのように影響しているかを調べます。次いで、現実にそった柔らかい自由思考に変わるように、ものの見方を変える練習をします。

スキーマ療法

認知行動療法の「自動思考」には、思考を生成させる「スキーマ(信念体系)」があります。スキーマをもう少し具体的にいえば、自動思考より深いレベルの、自分や他者、自分を取り巻く世界に対して持っている思いや価値観ということになります。

心の不調をもたらすネガティブなスキーマには、「早期不適応スキーマ」という早期(子どもの頃)に定着しているものが18種類あります。 そのひとつに「見捨てられ/不安スキーマ」があります。幼い頃、親との関係性が不安定だったり、親の離婚・再婚などにより途中で養育者が変わったりした場合、人間関係において「どうせまた自分は見捨てられる」といったスキーマができる場合があります。

スキーマ療法は、そのような、心を支配しているネガティブな思考を手放して、不安に襲われない「適応的思考」に変換していく療法です。自分が傷ついていることを認めるところから心の奥深いところまで、カウンセラーと一緒に入り込んでいく手法なので、クライアントにはつらい体験になります。

方法としては、カウンセラーがクライアントと親子のような関係をつくって、クライアントの心を育て直します。自分の考えを越えて「真実」となってしまった不適応スキーマに対して「真実とは違う」ことの認識を促し、健全な適応スキーマに変換していきます。豊富な知識や経験、高度な技術が必要になるので、スキーマ療法が行えるカウンセラーは少ないのが現状です。

ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法は、1950年代にドイツ出身の精神分析医フレデリック・パールズとゲシュタルト心理学者のローラ・パールズ、ポール・グッドマンなどにより開発されました。

「ゲシュタルト」は、ドイツ語で「全体、完結、統合」の意味があり、ゲシュタルト療法は、人は外部の世界をバラバラに捉えるのではなく、意味をもつ一つのまとまりとして捉えるゲシュタルト心理学を基本概念にしています。またフレデリック・パールズは、フロイトの精神分析、実存主義、現象学、東洋の禅からも影響を受け、この心理療法を創設しています。

ゲシュタルト療法では、心の不調について過去に何があったかを突き詰めるのではなく、いま現在の自分が何をしているのかに視点を置き、過去に囚われている自分に気づくようにする心理療法です。

例えば、子どもの頃の記憶で「あのとき、なぜこうしなかったんだろう」など悔やんでいることなどを、対話によるロールプレイで、今現在の自分で気づきを得ることを目指します。

来談者中心療法

1940年代にアメリカの臨床心理学者、カール・ロジャースが創始した療法で、同時期に日本にも導入され、ポピュラーな手法となっています。来談者(クライアント)の話を注意深く傾聴し、来談者の様子に気を配りながら真剣に向き合うことで、来談者の気づきや成長を促す心理療法です。

カウンセラーは来談者に対して無条件に肯定的な関心を持ち、共感的な理解をしようと心がけますが、「人は自ら成長し自立することができる」という前提から、来談者への特別な働きかけはしません。来談者が心の内をうまく表現できなかったり、傾聴の方法になじめなかったりした場合は、他の手法も必要になります。

箱庭療法

砂の入った箱の中にミニチュアの玩具を置いたり、砂で何かをつくったりして、言葉では語りつくせない心の内を、クライアントに自由に表現してもらう心理療法です。元々は、自分の気持ちを言葉でうまく表現できない子どものために使用された療法ですが、今では幅広い年齢層で使用されており、特に日本で発展してきました。

箱庭療法は、実際のカウンセリングの場では、言語での面接や他の遊戯療法などと一緒に使用されます。

自分が言いたいことの補助的役割のほかに、自分でも気づいていなかった心の葛藤が表現されることもあるので、自己理解が促進され、心の不調を解決できる人格へと変容することが期待できます。年齢層も広いのですが、神経症、心身症、パーソナリティ障害など、さまざまな心理的課題に対して用いられます。

EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)

「Eye Movement」と名称にある通り、眼球運動を取り入れるなど神経生理学的なアプローチで心の不調を改善する心理療法です。アメリカの心理学者フランシーン・シャピロによって1980年代に開発されました。PTSD(心的外傷後ストレス障害)すなわち「トラウマ」に対して有効であると、多くの国が治療ガイドラインに掲載しています。

実際の手順としては、トラウマになってしまった記憶の映像、記憶にまつわる感情、否定的な自己評価を思い浮かべ、置き換わるべき健全な記憶や肯定的な自己評価を意識しながら25往復程度のリズミカルで素早い眼球運動を行います。眼球運動とともに、両耳から交互に音を入れる、体の左右対称な部分を交互にタッピングするなどの「両側性刺激」を与えます。

身体感覚に働きかけることで脳に直接刺激を与えることができ、トラウマによって固定してしまった認知や感情、身体感覚が変容して新しい記憶のネットワークがつくられます。対話のみによるカウンセリングでは届きにくかった、感情や身体感覚までアプローチできる心理療法です。

思い出すだけでも苦痛になる記憶を細かく語る必要がないので、クライアントの負担が少なくすみます。

アサーション・トレーニング

「アサーション(assertion)」とは、英語で「自己主張」という意味です。アサーション・トレーニングとは、文字通り「自己主張トレーニング」ということになりますが、自己主張が苦手な人のために1950年代のアメリカで生まれたカウンセリングの手法です。

心の不調を引き起こす原因の多くに、対人関係の問題があります。自己主張が苦手な場合、感情が激しかったり態度が強かったりする人の言動に負けてしまい、自分の発言や気持ちを表現することをがまんするため、ストレスがたまります。

ストレスがたまる状況を変えるために、相手に改善を求めるのは難しいので、相手の主張も尊重しながら自己主張も行い、健全な人間関係を築いていけるような言動をトレーニングで身につけていきます。

また、人の話を聞かずに自分の考えを押し通す人も、周囲から非難を受けてしまうなど、結果的にコミュニケーションに支障をきたします。

アサーション・トレーニングは、自分の主張を素直に表現できて相手の意見も尊重する理想のアサーションを身につけます。そして、ストレスのないコミュニケーションを目指すため、主にグループでロールプレイによるトレーニングを行います。

カウンセリングの選び方

まず、カウンセラーによって得意分野が違うので、どんな分野に適応できるのかを調べましょう。トラウマやコンプレックスなど自分自身に関する悩み、不登校や引きこもり、人間関係でも、男女間の問題なのか家族の問題なのかでもアプローチの仕方が違います。

学術的に人の心理を学んでいるかどうかもポイントです。カウンセリングを長年してきたといっても、学問的なベースがなくて我流の視点しか持ち合わせないカウンセラーだと、問題解決にはつながりづらい場合があります。そういう意味では、臨床心理士や公認心理師の資格を持っているカウンセラーであれば、一定の信頼が保証されているといえます。

カウンセリングにいくつかの手法を合わせて用いることができるというのも、大切です。個人が抱える問題はその人ごとに特徴があり複雑なものです。1つの手法しか用いないというのであれば、クライアントの状態の改善は限定的になってしまいます。

カウンセリングのアプローチの仕方には、心の不調の原因を探って掘り下げていくもの、心の苦痛を癒やすヒーリングを主にするもの、思い込みなどの心のクセをなおしてポジティブに生きていけるように寄り添うコーチングなどがあり、どのような心のあり方を望むかによって選択が変わってきます。

カウンセリングの受け方

心理カウンセリングは、簡単にいえば、カウンセラーがクライアントの悩みや心の不調の原因を聞いて、指導や助言を行う治療方法です。あくまで、クライアント本人がどのようなことを望むのかが大切なので、心の不調に向き合うことなくカウンセラーから答えを引き出したり、すぐに不調を改善したりするような簡易性や即効性を期待することはできません。

心の不調を抱えながらも、自ら改善の意思を持たずに漠然と効果を期待してカウンセリングを受けると、多くは期待外れとなります。カウンセリングを受ける前に、どのようにカウンセリングを受ければ効果が期待できるのかを考えてみましょう。

カウンセリングのメリットを認識する

カウンセリングを受けることの第一のメリットは「話をしっかり聞いてもらえる」ということです。その上で、「今抱えている問題を整理」して、「考え方を状況に適したものに」変えることで、人とうまく付き合う「自分なりの方法」が見つけ、「人として成長」ができることです。

カウンセリングの目的を持つ

カウンセリングを受ける目的は、抱えている心の不調を改善することですが、もっと具体的な目的を持つとカウンセリングの効果が高まります。

まずは、カウンセラーに心の中を全て話してスッキリすることを目指しましょう。カウンセリングを受けて、モヤモヤした気持ちを少しでも解消することができれば、効果が高まるとともに通い続けるモチベーションになります。

気持ちがスッキリするという意味で、自分の抱えている問題を整理することも目的にしましょう。ひとりで思い悩んでいると結局自分自身で問題を複雑化してしまうのです。心の不調の原因である、自分では解決できない複雑な問題も、カウンセラーに手伝ってもらって一つひとつ整理していけば、解決への道がひらけていきます。

自分のペースで無理せず気楽に話す

初対面の人と話すときの緊張感や苦手意識などは、相手がカウンセラーであっても恐らく抱いてしまうでしょう。最初から無理に論理立ててうまく話そうとせずに、自分の気持ちに一番近い言葉をじっくり選んで、自分のペースでゆっくり少しずつ話しましょう。

自分をよく見せようとして、話す内容を選ぶ必要はありません。心を解放することで、自分を理解してもらうことが大切です。

カウンセリングの効果を信じる

「カウンセリングを受けたからといって、すぐに効果はない」と前述しましたが、かといって、効果を疑いながらカウンセリングを受けると、より良い道筋をたどることが難しくなります。相談者自身が主体的に取り組まなければ、効果を期待することはできないのです。

カウンセリングに時間がかかっても、目的意識をもって臨むと、心の不調は徐々にではありますが改善を期待できます。どうしても、効果が感じられなくて不信感を持つようであれば、正直にカウンセラーに伝えましょう。

また、カウンセラーを信頼できないのであれば、カウンセリング先を変えることもできますが、大切なのは、偽らずに、その時の自分の気持ちや考えなどをきちんと伝えることです。

カウンセラーは、そういった声にも耳を傾けてくれる存在と言えるでしょう。

相性のいいカウンセラーを選ぶ

カウンセラーは、心理学や心理療法を学び、カウンセリングの経験を積んでいるプロですが、相性が合わなければカウンセリング自体がつらいものとなります。どこのカウンセリングを受けようかと下調べをするとき、カウンセラーのプロフィールなどを見ると思いますが、実際に話してみると合わないということがあります。

資格をたくさん持っている、経験年数の多いベテランであるなども選ぶ基準にはなりますが、話しづらい、どうも緊張してしまうなど「気が合わない」と感じたら、ほかのカウンセリングルームを探してみましょう。

ひとりで悩む時間が長ければ、心の不調を改善する道のりはそれだけ長くなります。できるだけ早く、気軽に受けることができて、「話せてよかった」と思えるようなカウンセラーを見つけましょう。