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気になるカウンセリングの効果、逆効果のケースもあるって本当!?

カウンセリングは心の病気のみならず、心の健康を維持するためにちょっとした心配事や不安な気持ちがあるという場合に利用するケースが増えています。カウンセリングを受けることにより、どのような効果があるのでしょうか?また、逆効果になってしまうケースはあるのでしょうか?詳しくみていきましょう。

カウンセリングで相談できるテーマ

カウンセリングはカウンセラーとの対話を通じて、相談者の悩みや不安、心配ごとなどを導き出し、心の負担や日々の苦しみなどをケアしていくことです。カウンセリングでは、うつ病や不安障害といった精神疾患のケアの一環として受けるだけでなく、「ストレスで重苦しい気分を軽くしたい」「友人や家族には言いにくいことがある」「誰かに話を聞いてほしい」など、日常の中で生まれるさまざまな困りごとを相談することができます。



カウンセラーにより、対応している分野などが異なる場合がありますが、カウンセリングではトラウマ・PTSDやDV、育児や子育て、近所や職場・学校での人間関係、学校の勉強や部活動・仕事のプレッシャー、引きこもりや不登校、HSP(ハイリーセンシティブパーソン=非常に敏感で繊細な人)など、相談内容は多岐にわたります。また、夫婦間の問題や恋愛の悩み、マリッジブルーなどにも応じています。

カウンセリングは気軽に利用できる

なお、カウンセリングに対して「心の病気の人が通うところなのでは?」「カウンセリングを受けていると『弱い人』と思われそう」といったイメージを持つ人もいるかもしれません。そのため、気軽に利用できない雰囲気があるのではないでしょうか。


カウンセリングは特別なことではなく、「少し疲れているな」と感じたときに気軽に訪れることができる場所です。また、定期的にカウンセリングを受けて心の健康を保つ場所でもあります。体調が悪いときに診てもらう「ホームドクター」のように、「かかりつけのカウンセラー」を持つことが、海外、特にアメリカでは一般的なことと言われています。


風邪をあまりひかない人もいれば、のどの痛みからすぐに熱を出してしまう人がいるように、病気に対する免疫力には違いがあります。これと同じで、悩みや不安、心配ごとに対する耐性は人それぞれ異なります。


だから「いつもストレスを感じる私が悪いのだろう」「他の人はこんなことで落ち込んだりしないに違いない」「自分の気持ちは誰にもわからないだろう」などと考える必要はありません。物事の受け取り方や感じ方は千差万別なので、自分を責めずに、気になることがあればまずは相談してみましょう。

(相談例)

>旦那。妻の行動についイライラしてしまう

>妻が亡くなり喪失感でいっぱいで生きづらい

>旦那が不倫、浮気を繰り返し家庭をかえりみない

>職場で上司との関係に悩んでいる

>子どもが友達との関係で悩んでいるがどうアドバイスしていいかわからない

など

カウンセリングの効果とは?

では、カウンセリングを受けることで期待できる効果について、一部を紹介します。

【さまざまな感情がおさまり気持ちが楽になる】

自分の中につらい思いや悲しみ、怒り、不満、不安などを閉じ込めていると心に負担がかかり、心身に不調をきたすことがあります。カウンセラーに話すことで、気持ちがすっきりしたり、落ち着きを取り戻せたり、さまざまな感情がおさまることで混乱していたことがすっきりして、楽になることがあります。

【思考が整理され自分自身を客観視できる】

カウンセリングで、自分の内面を言葉にして話すことで、複雑にからみあった悩みや感情が整理され、物事をシンプルにすることができます。目の前に立ちふさがっていた大きな問題も、一歩引いた目線で捉えることができるようになり、解決の糸口を見つけ出しやすくなります。

【自身の思考や行動のクセに気づくことができる】

カウンセラーに自分が置かれている状況や気持ちなどを話す過程で、自分が抱えている悩みや問題を客観視できるようになります。客観的に見ることで、現在の状況に陥った考え方、物事の捉え方、行動パターンなど、自分のクセに気づくことができます。気づきを得ることで、自分自身、まわりの人たち、環境などへの向き合い方を見いだすことができます。

【自己肯定感を得ることができる】

日常の中で自分の考えや思いを話すとき、反論されたり否定されたりすることがあります。カウンセリングでは、相談者の話を傾聴し、共感の姿勢で対話を進めていきます。そのため「話をきちんと聞いてもらえた」「自分の気持ちをわかってもらえた」という経験を通じて自信を取り戻し、自己肯定感が生まれます。

【問題の対処法、自分の感情への向き合い方などを見いだすことができる】

頭の中が整理され、客観的に物事を捉えることで、自分がどのように動いていけばいいのか、ストレスなどにどのように対処していけばいいのか。自分をマネジメントするポイントがわかります。自分のさまざまな感情も受け入れ、自分自身を肯定することで新たな気持ちで前に進んでいくことができます。

カウンセリングで期待できないことは?

カウンセリングを受けることで、自分を取り巻く環境が変わったり、悩みの種だった職場の人が自分にとって付き合いやすい人になったり、といった効果を期待することはできません。また、相談者自身が生まれつき持っている気質が大きく変わるということでもありません。


カウンセリングにより自分の思考や行動のクセがわかり、それらとどのように付き合っていくのかが見えてきます。


例えば、仕事が手一杯でも誰かに助けを求めることができず、「自分ですべて完璧に終えなければ…」と気負って行き詰まっている人がいたとします。カウンセリングを通じて「自分は一人で抱え込み、頭がいっぱいになってしまう傾向がある」と知ることで、「今度からは仕事が2つ重なったらまず同期に声をかける。そして上司に現状を報告するようにしよう」と考えるようになり、実際に行動に移していくことで、つらさを和らげていく、といったイメージです。


こういったプロセスは「自分の性格はダメだ」と否定することではありません。人それぞれ気質があり、どれが良い、悪いはありません。ありのままの自分を受け入れること、上の例であれば完璧主義な部分も自分の一部として認めていくことが、カウンセリングの要素と言えるでしょう。

カウンセリングでは相性が大切

カウンセリングでは自分の内面について話す場面が多いため、相談者が話しやすい相手であること、つまりカウンセラーとの相性が重要です。会社や学校などで、気が合わない人に心を開くことができないのと同じです。


相談者の中には、「過去のカウンセリングでいい印象を持つことができなかった」「カウンセラーさんの反応がイマイチで、話をしながら気を使ってしまった」「カウンセラーさんの言葉に反論するのも悪いと思い、本音を言えなくなった」など、カウンセラーとそりが合わずストレスを感じた人もいます。そのため、自分に合ったカウンセラーに出会い、信頼することでより良い対話につながると言えるでしょう。

カウンセリングが逆効果に感じるのはこんなケースも

カウンセリングの技法によって、相談者が苦しさなどを感じる場合もあります。例えば、自分の心に向き合い心の中に浮かぶことを話したり、他者(特に家族や親しい人)に対して抱いている感情について考えて話す心理療法の場面などが挙げられます。


あまりにも悲しい体験で、無意識のうちに心の奥底に押し込んでいた記憶など、耐え難い感情に向き合うこともあるため、カウンセリングが苦しくなるのです。「カウンセリングは逆効果だった」という声は、カウンセリングのこういった場面を指しているのかもしれません。


自分を見つめるというのは、相談者に大きな負担がかかりますが、心のケアをしていくために必要な工程でもあります。逃げ出したくなることもあるかと思いますが、途中でやめてしまうと次の一歩に進めなくなる可能性があります。違うカウンセラーに変えても同じような状態になり、あちこち転々としてしまう場合もあります。


相性が良い相手でも、カウンセリングがつらくなることがありますので、しんどくなったり、不安や不満が出てきたときは、まずカウンセラーに伝えるようにしましょう。


「カウンセリングを受けることがつらい」「今は話したくない」というのも相談者の感情であり、ありのままの姿なので、カウンセラーは受け入れ、支持・援助してくれます。「カウンセリングでは対話をしなければならない」と身構える人も少なくないようですが、カウンセラーは「話したくないときは無理に話す必要はない」「話せるようになったときに話せばいい」といった言葉をかけてくれるはずです。

カウンセリングが無意味に感じた理由は?

「カウンセリングは意味がない」といった意見もネットなどで目にします。病気がまたたく間に治る特効薬がないように、カウンセリングも即効性を期待していると効果を感じにくいでしょう。相談者によってさまざまではありますが、カウンセリングは時間をかけて進めていきます。その過程で、カウンセリングの目的や目標を見失っている可能性があります。


先に述べたように、カウンセリングにより急激に変化が表れるわけではありません。少しずつ少しずつ歩みを進めていくことが多いので、カウンセリングを通じて「どんな状態になりたいのか」「どういう解決をしたいのか」ということが明確でなければ、カウンセリングのプロセスが無意味に感じるかもしれません。

また、相談者自身の心身のコンディションによって「自分がどうしたいのかわからない」「目的や目標を見いだせない」ということもあります。「何のためにカウンセリングに通っているんだろう」と思ったときは、その気持ちをカウンセラーに話して一緒に考えていきましょう。

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