孤独死した入居者の荷物は勝手に処分できる? 大家さんが知っておきたい残置物と相続の基本

「特殊清掃は初めてなので、どの業者を選べばよいか分かりません」
孤独死が発生した直後は、大家さんや不動産管理会社も冷静に業者を比較できないことがあります。
しかし、料金の安さだけで決めると、臭い戻りや追加料金、不要なリフォームによって、結果的に費用が増える可能性があります。
今回は、特殊清掃を依頼する前に確認したい七つのポイントを説明します。
現地を確認してから見積りを作るか
特殊清掃の料金は、間取りだけでは決まりません。
残置物の量、亡くなった場所、汚染範囲、発見までの期間、臭いの広がり方によって必要な作業が異なります。
電話だけで金額を断定する業者ではなく、現地調査後に見積りを作る業者を選びましょう。
見積りの内訳が分かるか
「特殊清掃一式」とだけ書かれた見積書では、何が含まれているのか分かりません。
残置物撤去、汚染処理、消毒、消臭前クリーニング、完全消臭、原状回復など、作業ごとの金額を確認してください。
追加料金の条件が明確か
作業開始後に、
「床を剥がす必要がある」
「家財が多かった」
などの理由で追加料金を請求されるトラブルがあります。
追加料金が発生する可能性と条件を、契約前に書面で確認することが大切です。
臭いの発生源を調査するか
オゾン脱臭機を動かすだけでは、床下や壁、収納などに残った臭いの原因へ対応できない場合があります。
どこまで汚染されているのかを調べ、臭いの発生源へ処置するか確認してください。
誰が作業するのか分かるか
会社が専門団体へ加盟していても、実際に作業する人が必要な技術を習得しているとは限りません。
全花連の認定事業者へ依頼する場合は、作業を担当する特殊清掃完全消臭士の認定番号と認定証を確認できます。
作業記録を残すか
保険会社への請求や大家さんへの報告では、現場写真や作業内容を求められることがあります。
作業前、作業中、作業後の写真を撮影し、事故報告書や写真台帳を作成するか確認しましょう。
作業後の窓口があるか
作業直後は臭わなくても、数日後や気温が上がったときに臭いが戻ることがあります。
施工後に臭い戻りを確認するか、問題が起きた場合に誰が対応するのかも重要です。
全花連は見積内容を本部が確認します
全花連では、全国の認定事業者が作成した見積書、事故報告書、写真台帳を本部が確認します。
現場の状態と作業内容が合っているか。
不要な工事が含まれていないか。
写真と見積りに食い違いがないか。
これらを確認したうえで、全花連の名前で見積りを提示します。
施工後に問題が起きた場合も、施工事業者だけではなく、全花連本部が相談窓口になります。
今回のまとめ
特殊清掃業者を選ぶときは、最初の見積金額だけで判断しないことが大切です。
現地調査を行うか。
見積りの内訳が明確か。
追加料金の条件が書かれているか。
臭いの発生源を調査するか。
誰が施工するのか。
作業記録を残すか。
施工後の相談窓口があるか。
この七つを確認してください。
特殊清掃の目的は、作業を行うことではありません。
臭い戻りを防ぎ、もう一度安心して暮らせる部屋へ戻すことです。
次回は、孤独死後の特殊清掃や残置物撤去について、家財保険を使うときに必要となる書類と注意点を説明します。
作業内容や必要書類は、現場の状況、契約内容、保険会社の審査などによって異なります。正式に依頼する前に、見積書と契約内容をご確認ください。


