何歳からでも、次の人へ渡せる
こんにちは。ホスピタリティコンサルタントの菅又蒼圭美です。
前回は、ルールを理由と一緒に渡すお話をしました。今回は、若い社員から人間関係の相談を受けたとき、どう聞いているか、というお話です。
「私のこと、嫌ってるんじゃないかと思うんです」
若い社員から、こんな相談を受けることがあります。
「あの人、私のこと嫌ってるんじゃないかと思うんです」
このとき私は、気持ちを聞く前に、まずこう尋ねます。
「最初に、なんて言ったの?」
「相手は、何て答えてきた?」
その場で交わした言葉を、セリフのまま思い出してもらうのです。
例えば、「頼んでおいた仕事、もう終わったの?」と聞かれたとします。その時に相手の表情がなかったり、声の調子が強いと感じてしまったりしたら、おそらく「責められた」と感じる人は多いかもしれません。
しかし、言っている言葉自体は、「頼んだ仕事をやったのか、やっていないのか。やっているのであれば、どの程度進んでいるのか」という情報を、単に聞きたいだけ、と受け取ることもできます。
もし聞いている側に、「自分は仕事が遅い」とか「いつもこの人に迷惑をかけている」といった負い目や自信のなさがある場合には、責められていると感じてしまうことが多いかもしれません。これは誰にでもあることではないでしょうか。
そこで相談を受けた人は、言葉を手がかりに、「客観的にどういうことが起こったのか」を紐解いていくことが大切なのかもしれません。
そのうえで、こう返します。
「別に嫌われてないよ。もし気になるなら、今度この一言を言ってみたら?」
次にできる小さな一歩を、一つだけ渡します。
御社では、相談を「気持ち」で受け止めて終わっていませんか
若い社員の人間関係の悩みを、励ましや「気にしすぎだよ」で終わらせていないでしょうか。
若い人を辞めさせない、聞き方の3つのこと
1. 人柄ではなく「癖」として扱う
会話がかみ合わないのは、人柄の問題ではありません。言い方の「癖」のようなものです。ですから人格は否定せず、トレーニングとして捉えます。「今の言い方だと、相手を責めているように聞こえるから、もう一言これを挟んでみたら?」と伝えれば、本人も受け取りやすくなります。
2. 気持ちではなく、セリフで聞く
「どう感じたの?」と聞くと、不安はどんどん大きくなります。「なんて言ったの?」と聞くと、上司と部下が同じ事実を見ながら話せます。責める・責められるではなく、一緒に場面を見直す関係になれます。
3. 直すのは、一言ずつ
「何度言ったら分かるの?」は、能力を否定する言葉に聞こえてしまいます。「さっきの言い方では伝わらなかったね。どこからやろうか」と、できる一歩から始める。小さな一歩が積み重なると、本人の自信になります。
言い方は、何歳からでも直せる
言い方の癖は、人柄と違って、練習すれば変えられます。だからこそ、職場で一緒に直していけるのだと思います。
若い人が「自分はダメだ」と思って辞めていく前に、セリフで聞いて、一言を渡す。そうした関わり方を、管理職や人事の方と一緒に考えるお手伝いをしています。どうぞお気軽にお声がけください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
明日からできること
部下から相談を受けたら、一度だけ「最初に、なんて言ったの?」と聞いてみてください。気持ちの話が、一緒に直せる話に変わるはずです。


