【医師監修】睡眠中に足がピクピク…もしかして周期性四肢運動障害?
「眠ろうとすると脚がむずむずして眠れない」「夜中に何度も目が覚める」……そんな経験はありませんか?もしかしたら、それはむずむず脚症候群かもしれません。
◆むずむず脚症候群とは
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは、夕方から夜間にかけて、脚を中心とした不快な感覚が現れ、脚を動かさずにはいられなくなる病気です。この不快感は、じっとしていると強くなり、脚を動かすと一時的に軽減するのが特徴です。
◆むずむず脚症候群の原因・メカニズム
むずむず脚症候群の正確な原因はまだ解明されていませんが、脳内の神経伝達物質であるドーパミンの機能異常や、鉄分の不足が関与していると考えられています。また、遺伝的な要因や、妊娠・腎不全・糖尿病などの病気が原因となる場合もあります。
◆むずむず脚症候群の症状
主な症状は、夕方から夜間にかけて、脚(特にふくらはぎ)に生じるむずむず感、かゆみ、痛み、ピリピリ感などの不快な感覚です。これらの症状は、安静時や横になっている時に強くなり、脚を動かすと一時的に軽減します。重症化すると、腕や体幹にも症状が現れることがあります。
◆むずむず脚症候群の検査
むずむず脚症候群の診断は、症状の問診や、鉄分などの血液検査によって行われます。必要に応じて、睡眠中の脳波や筋電図を測定する睡眠ポリグラフ検査を行うこともあります。
◆むずむず脚症候群の治療法
治療法としては、薬物療法と生活習慣の改善が中心です。
・薬物療法:ドーパミン作動薬や抗てんかん薬、鉄剤などが用いられます。
・生活習慣の改善:カフェインやアルコールの摂取を控え、禁煙、適度な運動、規則正しい睡眠習慣を心がけることが大切です。
◆自分でできる対処法
・カフェインやアルコール、喫煙を控える
・眠る前に脚のストレッチやマッサージを行う
・脚を温めたり、冷やしたりする
・鉄分を多く含む食品(レバー・ほうれん草など)を積極的に摂取する
・十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を送る
これらの対策を行っても症状が改善しない場合は、専門医に相談しましょう。このコラムが、むずむず脚症候群に悩む方々の助けとなることを願っています。
雨晴クリニックでは、むずむず脚症候群の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。