Mybestpro Members

坪田聡プロは北日本新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

【医師監修】 「時差ボケ」はもう古い! 旅の疲れを軽減する時差症候群対策

坪田聡

坪田聡

テーマ:睡眠覚醒リズム障害

時差・地球

■時差症候群とは?

時差症候群(Jet lag syndrome)とは、飛行機などで複数のタイムゾーンを短時間で移動した際に、体内時計が移動先の時間帯に速やかに適応できず、さまざまな症状を引き起こす状態を指します。私たちの体には、約24時間周期の体内時計が備わっており、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌などを調節しています。時差症候群は、この体内時計と外界の時間のずれによって生じます。

■時差症候群の原因とメカニズム

時差症候群の主な原因は、体内時計と移動先の時間帯とのずれです。体内時計は、主に光や食事、社会的活動などの外部からの刺激によって調節されます。しかし、短時間でのタイムゾーンの移動では、これらの刺激が急激に変化するため、体内時計が新しい時間帯に追いつくことができず、不調が生じます。

■時差症候群の症状

時差症候群の症状は、個人差や移動距離、方向によって異なりますが、一般的には以下のものが挙げられます。

・睡眠障害:寝つきが悪くなる、夜中に目が覚める、早朝に目が覚めるなど
・消化器症状:食欲不振、吐き気、便秘、下痢など
・全身症状:疲労感、倦怠感、頭痛、集中力低下、イライラ感など

これらの症状は移動後、数日間続くことがあり、日常生活に支障をきたすこともあります。

■時差症候群の検査

時差症候群の診断は問診が中心です。渡航歴や症状の経過、生活習慣などを詳しくお伺いし、他の睡眠障害との鑑別を行います。特殊な検査が必要となることは、通常ありません。

■時差症候群の治療法

時差症候群の治療法は、症状の程度や渡航先での予定によって異なりますが、一般的には以下のものが挙げられます。

・生活習慣の調整:移動先の時間帯に合わせて、睡眠・食事・活動時間を調整する
・高照度光療法:移動先の時間帯に合わせて、適切な時間に光を浴びる
・薬物療法:睡眠薬やメラトニンなどを服用する(医師の処方箋が必要です)

■自分でできる対処法

時差症候群を軽減するために、自分でもできる対策があります。

・渡航前の準備
出発前に、渡航先の時間帯に合わせて睡眠時間を徐々に調整する
渡航中に使用するアイマスクや耳栓などを用意する

・渡航中の工夫
飛行機の中では、渡航先の時間帯に合わせて食事や睡眠をとる
十分な水分補給を心がける
軽い運動やストレッチをする

・渡航後の対策
移動先の時間帯に合わせて、積極的に日光を浴びる
規則正しい生活を心がける
カフェインやアルコールの摂取を控える

■まとめ

時差症候群は、誰にでも起こりうる一時的な不調ですが、適切な対策をとることで症状を軽減できます。渡航前にしっかりと準備をし、渡航中や渡航後も工夫することで、時差ボケの影響を最小限に抑え、快適な旅を楽しんでください。


雨晴クリニックでは、時差症候群の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

坪田聡
専門家

坪田聡(医師)

雨晴クリニック

不眠症など睡眠障害の治療に30年以上携わり、快眠に関する正しい知識の普及に力を入れています。コーチングによる生活習慣の見直しから枕の選び方までサポート。メディア出演や著書、セミナーの実績も豊富です。

坪田聡プロは北日本新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

医学とコーチングから睡眠の質を高めるプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ富山
  3. 富山の医療・病院
  4. 富山の心療内科・精神科
  5. 坪田聡
  6. コラム一覧
  7. 【医師監修】 「時差ボケ」はもう古い! 旅の疲れを軽減する時差症候群対策

坪田聡プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼