日中の眠気がひどい! ただの睡眠不足と過眠症の違い
眠くてしょうがない…それはもしかしたら?
毎日十分な睡眠時間を取っているのに、日中眠くて仕方ない。そんな経験はありませんか?これは、単なる寝不足ではなく、特発性過眠症という病気の可能性があります。今回は、この特発性過眠症について、わかりやすく解説していきます。
特発性過眠症とは?
特発性過眠症は、原因不明の過度の眠気を主な症状とする睡眠障害です。夜十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気に襲われ、日常生活に支障をきたしてしまうのが特徴です。
なぜ眠くなるの? 原因とメカニズム
特発性過眠症の原因は、まだ完全には解明されていません。「特発性」という言葉が示す通り、はっきりとした原因が特定できないのです。しかし、脳の睡眠を司るメカニズムに、何らかの異常があると考えられています。
ナルコレプシーとの違いは?
特発性過眠症と似た病気として、ナルコレプシーがよく挙げられます。どちらも日中の強い眠気が特徴ですが、両者には大きな違いがあります。
・特発性過眠症:長時間の睡眠をしても眠気が解消されない。昼間の眠気が比較的長く続く。
・ナルコレプシー:短い睡眠で眠気がしばらく解消される。入眠時幻覚や睡眠麻痺といった特徴的な症状を伴う。
特発性過眠症の症状は?
特発性過眠症の主な症状は、以下の通りです。
・日中の強い眠気:昼間、強い眠気に襲われ、日常生活に支障をきたす
・長時間の睡眠:夜間の睡眠時間が長く、それでも眠気が解消されない
・覚醒困難:睡眠からなかなか起きられず、覚醒してもすぐに再び眠ってしまう
診断はどうするの?
特発性過眠症の診断には、睡眠ポリグラフ検査(PSG)や反復睡眠潜時検査(MSLT)が行われます。睡眠ポリグラフ検査では、脳波や心電図、呼吸、眼球運動などを記録し、睡眠の状態を詳しく調べます。反復睡眠潜時検査では、日中の眠気の強さを調べます。
治療法はあるの?
特発性過眠症の治療には、薬物療法と生活習慣の改善が中心となります。薬物療法では、中枢神経刺激薬などが用いられます。生活習慣の改善としては、規則正しい生活を送ること、昼寝を控えることなどが挙げられます。
自分でできる対処法は?
特発性過眠症の症状を少しでも軽減するために、ご自身でできることがあります。
・昼寝を短くする:30分以内の昼寝にとどめる
・カフェインを控える:カフェインは覚醒作用があるため、過度に摂取しない
・規則正しい生活を送る:毎日同じ時間に寝て起きる
・運動をする:適度な運動は睡眠の質を向上させる
まとめ
特発性過眠症は、原因不明の過度の眠気を特徴とする睡眠障害です。もし、日中に強い眠気に悩んでいる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。
雨晴クリニックでは、特発性過眠症の方の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。