【医師監修】 甲状腺機能低下症と過眠:眠くて仕方ないあなたへ
毎日ぐっすり眠れていますか? 現代社会では、仕事や人間関係、スマホの使いすぎなど、睡眠を妨げる要因がたくさんあります。その結果、睡眠不足に悩んでいる人が増えています。今回は、そんな睡眠不足について、専門家の視点から解説します。
■睡眠不足症候群とは?
睡眠不足症候群とは、十分な睡眠がとれていない状態が長く続くことで、身体や心に様々な不調が現れる状態を指します。単なる眠気だけでなく、集中力の低下やイライラ感、倦怠感、そして深刻な場合はうつ病や高血圧、糖尿病のリスクも高まります。
■睡眠不足の原因とメカニズム
睡眠不足の原因は様々です。
・生活習慣の乱れ:不規則な睡眠時間や不適切な昼寝の習慣、カフェインやアルコールの過剰摂取などが挙げられます。
・ストレス:仕事や人間関係、経済的な問題など、精神的なストレスは睡眠の質を大きく低下させます。
・睡眠障害:不眠症や睡眠時無呼吸症候群など、特定の睡眠障害が原因となる場合もあります。
・全身の病気:心臓病や甲状腺疾患、痛みなど、身体の病気も睡眠を妨げる要因となります。
睡眠不足になると、脳の働きが低下し、ホルモンバランスが乱れるなど、様々な悪影響が身体に現れます。
■睡眠不足の症状
睡眠不足の症状は、人によって様々ですが、一般的な症状としては以下のようなものがあります。
・日中の眠気:これが最も分かりやすい症状です。
・集中力の低下:仕事や勉強に集中できず、ミスが増えることがあります。
・イライラ感:感情の起伏が激しくなり、ちょっとしたことで怒りっぽくなることがあります。
・倦怠感:常にだるい感じがして、やる気が出ないことがあります。
・記憶力の低下:物覚えが悪くなったり、忘れ物が増えたりすることがあります。
■睡眠不足の検査
睡眠不足の検査としては、腕時計タイプの行動計をつけたり、睡眠ポリグラフ検査(脳波や心電図、呼吸などを測定する検査)やMSLT(睡眠潜時反復)検査を受けたりすることがあります。
■睡眠不足の治療法
睡眠不足の治療法は、原因によって異なります。
・生活習慣の改善:規則正しい生活リズムを心がけ、カフェインやアルコールを控える、寝る前のスマホの使用を避けるなどが基本です。
・薬物療法:睡眠薬や抗不安薬などが処方されることがあります。
・認知行動療法:睡眠に関する間違った考え方を修正し、より良い睡眠習慣を身につけるための治療法です。
・基礎疾患の治療:睡眠を妨げている基礎疾患があれば、その治療を行うことが重要です。
■自分でできる対処法
・快適な睡眠環境:寝室を暗く静かにして、快適な温度に保ちましょう。
・リラックス:眠る前に温かいお風呂に入ったり、アロマセラピーを試したりするのも効果的です。
・運動:適度な運動は、質の高い睡眠を促します。ただし、眠る直前の激しい運動は避けましょう。
・食事:眠る前の食事は控えめにして、消化の良いものを食べましょう。
・ストレス管理:ヨガや瞑想など、ストレスを解消する方法を取り入れてみましょう。
睡眠不足は、放っておくと様々な健康問題を引き起こす可能性があります。もし、あなたが睡眠の質に悩んでいる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。
雨晴クリニックでは、睡眠不足症候群の方の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。