熟睡障害:グッスリ眠れない夜にさよなら!
朝、すっきり目覚められないことはありませんか? 目覚まし時計が鳴っても何度もスヌーズにしてしまう、起きても頭がぼんやり重い、午前中の仕事や勉強に集中できない…このような症状は、起床障害と呼ばれる睡眠障害の一種かもしれません。
■起床障害とは?
起床障害とは、睡眠時間の長短に関係なく、朝起きるのがつらいという症状です。夜中に何度も目が覚めたり、寝つきが悪かったりした結果のこともあります。朝すっきり目覚められないと、倦怠感や集中力低下、頭痛、気分の落ち込みなどいろいろな問題を引き起こします。
■起床障害による問題
起床障害は、日常生活や仕事に大きな支障をきたす可能性があります。
・倦怠感や集中力低下:朝から十分なエネルギーが得られず、仕事や勉強に集中できない
・頭痛:睡眠不足による脳の疲労が原因で頭痛が起こる
・気分の落ち込み:慢性的な睡眠不足は、うつ状態やうつ病のリスクを高める
・遅刻や欠勤:朝起きられず、仕事や学校に遅刻・欠勤してしまう
・事故やミスのリスク増加:睡眠不足による判断力や注意力低下は、事故やミスのリスクを高める
■起床障害を起こす病気や生活習慣
起床障害には、いろいろな原因が考えられます。
【病気】
・睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が止まる病気で、慢性的な睡眠不足を引き起こす
・ナルコレプシー:昼間に突然強い眠気が襲ってくる過眠症
・慢性疲労症候群:長期間にわたる疲労感や倦怠感などの症状がある
・甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの不足により、全身の代謝が低下し、睡眠障害を伴うことがある
・うつ病:気分の落ち込みや疲労感などの症状があり、睡眠障害を伴うことが多い
【生活習慣】
・不規則な睡眠習慣:毎日違う時刻に寝起きしたり、昼寝を長時間したりすると、体内時計が乱れ、起床障害が起こりやすくなる
・眠る前のスマートフォンやパソコン:スマホやパソコンから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を減らし、寝つきを悪くする
・カフェインやアルコールの取り過ぎ:カフェインやアルコールは覚醒作用があり、眠る前に取ると眠れなくなる
・運動不足:適度な運動は、睡眠の質を高める
・ストレス:ストレスは自律神経を乱し、睡眠障害を引き起こす
■起床障害の治療や対策
起床障害の治療法は、原因によって異なります。
【病気の場合】
・睡眠時無呼吸症候群:CPAP(持続陽圧呼吸)療法などの治療を受ける
・ナルコレプシー:薬物療法などの治療を受ける
・うつ病:抗うつ薬などを飲んだり、カウンセリングなどの心理療法を受けたりする
・慢性疲労症候群:生活習慣の改善や、薬物療法を受ける
・甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン補充療法を受ける
【生活習慣の場合】
・規則正しい睡眠習慣:毎日同じ時刻に寝起きし、昼寝は30分以内にする
・光のコントロール:眠る1時間前にはスマホやパソコンの使用を控える
・刺激物:眠る前のカフェインやアルコールの摂取は控える
・適度な運動:週に3~5回、30分程度の運動をする
・ストレス解消:趣味や運動など、ストレス解消法を見つける
■起床障害で医療機関を受診する際のポイント
上記のような対策を試しても起床障害が改善されない場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。医療機関を受診する際には、以下の情報を医師に伝えましょう。
・起床障害の症状:いつ頃から症状があるか、どんな症状があるかなど
・睡眠時間:寝つく時刻や目覚める時刻、寝床を出る時刻も
・生活習慣:運動や食事を中心に
・服用している薬:医師からの処方薬と薬局などで買う薬、サプリメントも
・これまでの治療歴
医師は問診や検査を行い、起床障害の原因を診断し、適切な治療法を提案してくれます。
■まとめ
起床障害は、生活習慣の改善や治療によって改善できます。朝すっきり目覚め、充実した一日を過ごせるよう、自分に合った対策を見つけていきましょう。
雨晴クリニックでは、 朝すっきり目覚められない(起床障害)の方の診療を行っています。