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坪田聡

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坪田聡(つぼたさとる) / 医師

雨晴クリニック

コラム

3分で読める認知症基礎知識①:認知症とは

2024年3月20日 公開 / 2024年4月13日更新

テーマ:認知症

コラムカテゴリ:医療・病院

3分で読める認知症基礎知識

■認知症とは

認知症とは、脳の病気や障害によって、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。誰でも歳をとるにつれて認知機能は低下しますが、認知症の場合はその低下が著しく、日常生活に支障をきたす点が特徴です。

■認知症の種類

認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症など、さまざまな種類があります。それぞれの種類によって、症状や進行の速度などが異なります。

アルツハイマー型認知症:最も一般的な認知症です。記憶障害、見当識障害、実行機能障害などの症状が現れます。

レビー小体型認知症:幻覚や妄想、睡眠障害などの症状が現れます。

血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって起こります。歩行障害や失語などの症状が現れます。

近年では、これらの疾患に加えて、ピック病などの前頭側頭型認知症や、正常圧水頭症などのいわゆる「治る認知症」なども注目されています。

■認知症の症状


認知症の症状は、大きく中核症状と周辺症状に分けられます。

中核症状
記憶障害:最近のことを忘れる、約束を忘れる、同じことを何度も聞く
見当識障害:時間や場所がわからなくなる、自分の名前や住所が言えなくなる
実行機能障害:計画を立てたり、手順通りに物事をしたりするのが難しくなる

周辺症状
幻覚:実際には存在しないものが見える、聞こえる
妄想:根拠のない疑い心や被害妄想
興奮:怒りっぽくなったり、暴れたりする
暴言:相手を傷つけるようなことを言ったり、罵ったりする
徘徊:目的もなく歩き続ける
うつ症状:気分が落ち込み、何も楽しめなくなる
不安症状:心配や不安が強くなる

これらの症状は、認知症の種類や進行度によって、さまざまな組み合わせで現れます。

■認知症の診断

認知症の診断には、問診、検査、脳画像検査などが必要です。問診では、本人や家族に症状について聞き、検査では、記憶力や判断力などの認知機能を評価します。脳画像検査では、脳の萎縮や梗塞などの異常がないかを調べます。

■認知症の治療

認知症の治療には、薬物療法と非薬物療法があります。

薬物療法:症状を改善したり、進行を遅らせたりする効果が期待できます。しかし、根本的な治療法ではないため、症状を完全に抑えることはできません。

非薬物療法
認知機能訓練:記憶力や判断力などの認知機能を維持・向上させる訓練
生活支援:日常生活動作の支援
介護予防:認知症の発症や進行を予防するための取り組み

近年では、認知症の症状に合わせた個別的な治療法や、生活の質を向上させるためのケア方法などが研究されています。

■認知症の予後

認知症の多くは進行性の病気であり、完治することは難しいです。しかし、適切な治療や介護を受けることで、症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させたりすることは可能です。

■認知症介護のポイント

認知症介護において、介護職員は重要な役割を担っています。認知症の人と家族の理解者となり、症状に合わせた適切な介護を提供することが求められます。

認知症の人への接し方
 本人のペースに合わせ、ゆっくりと話す
 わかりやすい言葉で話す
 本人の気持ちに寄り添う

家族への支援
 正しい情報をわかりやすく伝える
 介護負担を減らす支援を行う
 家族の気持ちに寄り添い、心理的なサポートを行う

■参考資料

厚生労働省「認知症施策ポータルサイト」
認知症介護実践ガイド

雨晴クリニックでは、 認知症予防外来 認知症セカンドオピニオン外来 を開設しています。

この記事を書いたプロ

坪田聡

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