利用した風俗・メンエスが摘発された|客も逮捕・事情聴取されるのか
風俗店やキャストとの間で金銭を請求され、あるいは警察から連絡が来て、すでに弁護士に依頼している。それでも「この進め方で合っているのだろうか」「連絡が来ないまま時間だけが過ぎている」と感じることがあります。
こうした場面で、別の弁護士に意見を聞くことを「セカンドオピニオン」といいます。ここでは、依頼中でも別の弁護士に相談できるのか、聞く前に何を整理しておくべきか、弁護士を変える場合に何が起きるのかを整理します。
なお、費用の内訳や相場は「風俗トラブルを弁護士に依頼した場合の費用相場と流れ」、相談当日までの準備物は「風俗トラブルの無料相談で聞かれること」で扱っていますので、本記事では重複を避けています。
依頼中でも、別の弁護士に意見を聞くことはできる
セカンドオピニオンとは、すでに相談または依頼している事件について、別の弁護士に意見を求めることをいいます。医療の分野で使われてきた言葉ですが、法律の分野でも同じように利用されています。
依頼中の弁護士の承諾は、原則として必要ありません。 通常の法律相談と同じように予約を取り、相談することになります。相談したこと自体は、弁護士の守秘義務(弁護士法23条、弁護士職務基本規程23条)の対象です。
ただし、「絶対に知られない」と考えるのは正確ではありません。実際に依頼先を切り替えれば、新しい弁護士が相手方や捜査機関に通知を出すことになりますし、記録の引き継ぎも生じます。切り替えを前提とするなら、いずれ分かるものとして考えておくほうが現実的です。
なお、弁護士には「他の弁護士等が受任している事件に不当に介入してはならない」という規律があります(規程72条)。これは弁護士側の職業上の規律であって、依頼者が別の意見を聞くこと自体を禁じるものではありません。もっとも、この規律がある以上、相談を受けた弁護士が現在の弁護士の対応を論評することには慎重になります。求めるべきは「今の弁護士の評価」ではなく、「自分の事件でこれから何ができるか」です。
予約の際に「依頼中の事件についてのセカンドオピニオンを希望している」と伝えておくと、説明の重複を避けられます。事務所によっては、セカンドオピニオンを取り扱っていない場合もあります。
まず、不安の中身を切り分ける
「対応に不安がある」といっても、中身はいくつかに分かれます。切り分けないまま別の弁護士に相談しても、話が噛み合わないことがあります。
(1)説明や報告が足りない
弁護士には、必要に応じて事件の経過や結果に影響する事項を報告し、依頼者と協議しながら進めるべきことが定められています(規程36条)。処理が終わった際の説明についても定めがあります(規程44条)。連絡がないことへの不満は、現在の弁護士に「今どの段階か」「次に何が起きるか」を書面やメールで説明してもらうだけで解消することも少なくありません。
(2)方針そのものに納得できない
示談で終わらせるのか争うのか、いくらで折り合うのか。ここは弁護士によって見立てが分かれ得る部分で、セカンドオピニオンが最も役に立ちやすい領域です。
(3)進行が止まっている
弁護士は、受任したときは速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならないとされています(規程35条)。期限が絡む事件では、遅れがそのまま結果に影響することがあります。
風俗トラブルでは、これに加えて「請求してきているのは店なのか本人なのか」「今話しているのは民事の金銭の話なのか刑事の話なのか」が整理されないまま進んでいることがあります。この二つが曖昧なままだと、支払っても清算にならなかった、という事態が起こり得ます。
相談する前に準備しておく4点
- 委任契約書と、これまでに受け取った書面(請求書、内容証明、警察からの連絡など)
- 経緯を時系列にまとめたA4一枚のメモ(あいまいな点は「あいまい」と書く)
- 現在の弁護士から説明を受けた内容(方針、見通し、費用)
- 聞きたいことを3つに絞ったもの
重要なのは、現在の弁護士に伝えたのと同じ情報を出すことです。前提が違えば結論も変わるため、条件を揃えなければ二つの意見を比べる意味が薄くなります。
弁護士を変える場合に知っておきたいこと
意見を聞いた結果、依頼先を切り替えることもあり得ます。その場合の枠組みは次のとおりです。
解任はいつでもできる。
委任契約は各当事者がいつでも解除できると定められています(民法651条1項)。理由の説明も、相手の同意も要件ではありません。ただし、相手方に不利な時期の解除では損害賠償の問題が生じ得るとされています(同条2項。やむを得ない事由があるときを除く)。
着手金は、原則として戻りません。
弁護士報酬は各事務所が委任契約で定めており、既に行った業務に応じた清算になるのが一般的です。弁護士に落ち度があるといえる場合を除き、全額返還は期待しにくいのが実情です。新しい弁護士には改めて着手金が必要になるため、費用は二重にかかることになります。
次の弁護士の内諾を先に得ておく。
解任してから探し始めると、事件が宙に浮く期間が生じます。特に回答期限や出頭日が迫っている場合、この空白は不利に働きます。
刑事事件では扱いが異なります。
私選弁護人は、被疑者・被告人がいつでも選任できます(刑事訴訟法30条1項)。一方、国選弁護人は自分の意思だけで変えることができません。解任事由は刑事訴訟法38条の3第1項に限定的に定められており、「対応に不満がある」だけでは該当しないのが通常です。実際上は、私選弁護人を選任することが選択肢になります。
時期を選ぶ。
処分が決まる前の示談交渉、略式命令の告知後の期間など、動ける時間が限られている場面では、交代自体が時間を消費します。切り替えるなら早いほうが選択肢は残ります。
費用や対応そのものに納得できないとき
不安が「方針」ではなく「返金」「預けたお金」「対応の不誠実さ」に向いている場合、セカンドオピニオンとは別の手続があります。
紛議調停は、弁護士の職務に関する紛議について、その弁護士が所属する弁護士会が調停を行う制度です(弁護士法41条)。報酬の額、預り金の精算、事務処理上の問題などが対象で、双方の言い分を聴いて解決を図ります。話し合いの手続なので強制力はなく、合意に至らなければ不調で終わります。手続の詳細や費用の扱いは弁護士会ごとに定められているため、申立先となる弁護士会に確認してください。
懲戒請求は、弁護士に非行があると考えるときに、所属弁護士会に懲戒を求める手続です(弁護士法58条1項)。誰でも請求できますが、これは弁護士会が調査・審査する手続であり、金銭の清算や謝罪を弁護士に命じることを目的とする制度ではありません。また、事由があったときから3年を経過すると手続を開始できないとされています(同法63条)。
目的が違う制度です。 お金の清算を求めるなら紛議調停、非行の是正を求めるなら懲戒請求、という整理になります。いずれの場合も、まずは現在の弁護士本人に説明を求めるところから始めるのが順序として自然です。
そもそも「弁護士ではない相手」に頼んでいないか
風俗トラブルでは、店や第三者が「話をつけてやる」と交渉に入ってくることがあります。報酬を得る目的で他人の法律事件について交渉や和解を業として行うことは、弁護士以外には認められていません(弁護士法72条)。2026年2月には、風俗店の店長らが弁護士法違反の疑いで逮捕されたと報じられています。
この場合はセカンドオピニオン以前の問題で、そこで作られた書面や支払いの効力を含めて、あらためて確認する必要があります。
セカンドオピニオンの限界
- 判断材料が一方の説明に限られます。 相手方の主張や、これまでのやり取りの記録を持たない状態での意見になるため、精度には限界があります。
- 意見が違っても、どちらかが誤りとは限りません。 同じ事実から複数の進め方があり得るのが交渉や刑事弁護の実際です。
- 何人にも聞くと決められなくなります。 同じ趣旨の回答が続くなら、その内容を採用するほうが結果につながりやすいといえます。
- 時間を使います。 期限が迫っている場面では、聞くこと自体がコストになります。
まとめ
依頼中の弁護士に不安があるとき、別の弁護士に意見を聞くこと自体は制度上妨げられていません。ただし、意味のあるセカンドオピニオンにするには、不安の中身を「説明不足なのか」「方針の違いなのか」「進行の遅れなのか」に切り分け、同じ資料と同じ前提で聞くことが前提になります。
そのうえで切り替えを選ぶなら、費用が二重にかかること、着手金は原則戻らないこと、刑事では国選と私選で扱いが違うことを踏まえて、期限との関係で判断することになります。不安を抱えたまま進めるより、一度整理して現在の弁護士に説明を求めるほうが、結果的に早いこともあります。


