おなかに滞る ‘瘀血(おけつ)‘が妊娠を妨げる
受精卵をやさしく受け止め、しっかりと育てるためには、充分な“厚さ”と“うるおい”のある子宮内膜が必要。食生活に気をつけて、子宮内膜をよい状態にととのえ、妊娠力アップをめざしましょう。
“ふかふかのベッド”のような子宮内膜が理想
体外受精や顕微授精を繰り返し行っているのに、なかなかよい結果につながらないというかたがたの中には、“卵子の質にはまったく問題なく、きちんと受精している。でも、受精卵を子宮に移植すると着床できない”“着床しても、その後卵が育たない”というケースがあります。これらの原因の一つに、子宮内膜が薄いという問題があると思います。
一般的に、子宮内膜の厚さが10mm以上あると、内膜が6~7mmぐらいしかない場合よりも、体外受精の成功率が約3倍高いといわれています。受精卵が着床し、しっかり育っていくためには、やわらかくてあたたかい、ふかふかしたベッドのような、厚みのある子宮内内膜が必要なのでしょう。
甘いものを控え、緑黄色野菜を食べて
では実際に子宮内膜をやわらかく、ふかふかにするためには、どうすればよいのでしょうか。
東洋医学的には“子宮の血の流れをよくし、子宮をあたため、たまっている汚れた古い血(瘀血)をとり除くこと”を考えます。そして受精卵がうまく着床し、育つためには、植物を根付かせ育てる大地のように“子宮がみずみずしくうるおっている”こともたいせつです。
たとえば、チョコレートなどの甘いものには、子宮内に瘀血として滞り、さらに子宮からうるおいを奪う心配があります。子宮に古い血をためず、いつもみずみずしくうるおった状態にするためには、甘いものを控え、トマトやピーマンなどの緑黄色野菜を食べるとよいでしょう。
「乾いた子宮にうるおいを与えるなら、水分をとればいいのでは?」と考えるかもしれませんが、それはNG。水やお茶などの水分をとりすぎると、体内い余分な水がたまって(=毒素)、体が冷えてしまいます。
その点、緑黄色野菜には利尿作用のあるカリウムが含まれているので、体内に水分がたまりすぎる心配はありません。適度な運動をして、血液の循環をよくすることも大事です。