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鈴木寛彦

不妊で悩む女性の思いに応える漢方薬の薬剤師

鈴木寛彦(すずきひろひこ) / 薬剤師

不妊専門 むつみ薬局

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コラム

不妊症 子宮内膜症、子宮筋腫、左卵管が不通

2019年7月25日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:妊活と不妊症(薬局の現場から)

コラムカテゴリ:医療・病院




29歳 女性 

【体質】肥満型、楽天的ではあるが、人に気を使いすぎて落ち込むことあり、寒がり、足腰の冷え(足の冷えは足首から先)があり、以前しもやけあり、少しのぼせがあり、夏は汗をかきやすく、疲れやすい、食後眠くなりやすい、血圧正常、大便1日2行、小便8行、雨の前に偏頭痛になる、肩こり(側面)、皮膚がかぶれやすい、ニキビ、シミがある、生理は順調、生理痛なし、嗜好品は甘いもの、果物で肉と魚は同等量、睡眠時間は6時間、運動なし、舌は白苔で水滞あり、生理痛頭痛にロキソニン服用、この半年は内膜症治療のため生理を止めていた。
【経過】足腰の冷えがあり小便が近くなることから、金匱要略五臓風寒積聚病篇「身体重く、腰中冷え、水中に坐するが如く・・小便自利・・・」の苓姜朮甘湯で腰から下の裏水を除き温め、桂枝茯苓丸(日に30丸)で子宮内膜症、子宮筋腫を攻める方をとり60日後、手足は温まり、小便回数が減り一回量は増えた。基礎体温の高温期が上がり、生理の量が増えた。その後体外受精の治療が始まり、ホルモン剤よって卵巣の大きさが右3㎝、左10㎝と腫れ、病院にて両卵巣から300ccほど血液を抜いた。その時の検査でCAの値も53と思ったより低く、その後漢方薬も当帰芍薬散、温経湯など処方変更するが結果は出ない。2年後再び両卵巣(左55cc、右190cc)から水を抜いた。その後2回目の子宮筋腫の手術があり、腸との癒着も剥がした。残っていた筋腫が再び大きくなり、最大4㎝のものを含めて3つ確認。生理前にお腹が張るのが辛い。その中で体外受精を行うが妊娠に至らず、後厚くなった内膜を剥がす手術をする。そのとき右卵巣4㎝、筋腫5㎝、3㎝その他小さいものが多数あり。三度体外受精に挑戦するが妊娠には至らず。このとき漢方の服用が始まってから4年の歳月が過ぎていた。半ば諦めかけていたこの年の11月、皮膚の乾燥、体脂肪が増え、肩こり偏頭痛がひどくなって来たので、桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用開始。その4ヵ月後自然妊娠された。本人はさることながら主治医も信じられない様子。このとき5㎝の筋腫が3つさらに2㎝のものが新たに見つかったので大事をとって大病院に入院、診察を受け、漢方中止となった。妊娠12週目に筋腫が上がっていると主治医の話であった。2度の筋腫手術にもかかわらず、優れた名医により自然分娩でご出産。お母さんのお腹の中で筋腫に競り勝った男のお子さんは、今でも月に一度薬局にやってきて店内を元気よく駆け回っている。

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