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若山誠治

素材を生かした木の家から数寄屋建築まで、エコデザインのプロ

若山誠治(わかやませいじ) / 一級建築士

株式会社若山建築事務所 一級建築事務所 雨楽

コラム

ソーラーパネルの取り付け 厳重な注意が必要 正しい付け方

2023年3月9日

テーマ:日本の家

コラムカテゴリ:住宅・建物

太陽の恵みはありがたい。
地球上のすべての生物の命のみなもと。

ソーラーパネルを設置して、住宅の屋根で発電して使う。
すばらしい。

私の事務所の屋根にもソーラーパネルが設置されています。
設置した時にはこの地域で6番目とか言われて、発電所を名乗って良いとか言われて浮かれたものでした。

しかし当時は蓄電池が一般的でなく自宅で発電した電気は電力会社に買ってもらうしか方法がなかった。
自分の家で発電した電気を自分の家で使いたい、と当時の私は強く思ったものでした。

でも現在では。
蓄電池の設置はほとんど当たり前のようになった。
ソーラーパネルの設置に対する補助金がほとんどでなくなった代わりに、設置費がコストダウンされ、
電力会社の買取料金が大幅に下げられたから、
今では蓄電池で自宅で発電した電気は自宅で使うことが主流になった。
車を蓄電池代わりにしている人たちも多い。

東京都では戸建て住宅にソーラーパネルを乗せることを義務化した。

私も、いずれ日本の住宅の家の屋根には、すべて太陽光発電パネルが乗せられるだろうと思っていた。

大変結構なことです。

しかし。
現場では大きな問題が起きている。
いやまだ起きていないかもしれないが、いずれ大きな問題になることが現場で行われている。

ソーラーパネルのほとんどが、屋根に穴をあけて設置されているという事実をどれだけの人たちが知っていて、
それがどれだけ大きな問題なのか認識している人たちがどれだけいるだろう。
大問題です。

屋根に穴をあけてはいけません。
これは古来からの常識。
穴をあけたら雨が漏ります。

メーカーも、設置している業者も、現場の職人たちも、
標準仕様として、屋根の脳天からパネル設置のためのビスを躊躇なく打ち込んでいます。
そしてコーキングして、いわく念入りなコーキングをしているので雨が漏る心配はありません。
15年の保証を付けています。
なんてことを言ってすまし顔をしているのです。

これってだめです。
15年たったら雨が漏っても保証されないなんて。
屋根は住宅が建ってる間ずっと雨漏りしてはいけないものなのです。
雨が漏り始めた住宅はいっきに痛みます。

屋根に平気で脳天からビスを打ってる、太陽光パネルで飯を食ってる皆さん。
あなた方のやってることは、古来からの家づくりの、絶対やってはいけないことの筆頭ですよ。
家づくりであってはいけないこと、タブーを犯していることに何で気づかない。

いや知っていて、知らん顔しているだろうと思う。
モノづくりの世界で生きている人間として恥ずかしいと思わなければいけないと、私は思う。

ここに出した写真は、屋根に穴をあけないでソーラーパネルを設置する方法の一つです。
これなら安心。








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