Mybestpro Members

若山誠治プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

旧日本海軍針尾送信所電波塔

若山誠治

若山誠治

テーマ:廃墟







これは廃墟とは言えない。なぜなら痛んでいないから。
大正11年今から100年前に作られたコンクリートの構造物がどのような品質管理をされて作られたのかとても興味深い。
それで調べてみた。
重要文化財であるから調査方向書が作成されているはずなのでその文献を読んでみたいと思った。

土木学会論文集に論文があった。
建設当時の写真なども見ることが出来た。
コンクリートはドラム型ミキサーによる現場練り。
木桶に入れて運搬しトタンで作ったシュートで流し込んだ。
基礎は堅練り、躯体は中練り。
搗き固め蛸という道具を使って、人力によって搗き固めた。
堅練りは、表面に水を呈するまで永く搗きかためよ。
中練りは相当なる搗き固めをせよ。
軟練りは十分なる搗き固めをせよ。
と文献があるという。
養生はむしろが使われた。

現在コンクリートとして極めて健全な状態を維持している。
100年たっているのにかかわらず、中性化は極めて遅い。
鉄筋は
外部 縦筋32㎜、177㎜間隔 帯筋19㎜、200㎜間隔。
内部 縦筋16㎜、177㎜間隔 帯筋13㎜、250㎜間隔。
被り厚 外部88㎜、内部95㎜。
中性化 外部20㎜、内部38㎜。
まったく腐食なく健全。

あと100年は全く問題はないだろうという。

当時の技術者に敬意を表します。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

若山誠治
専門家

若山誠治(一級建築士)

株式会社若山建築事務所 一級建築事務所 雨楽

日本建築を志して、お茶、お花、陶芸、能、あげくに小唄まで、ずっと修行の日々です。数寄屋建築の美しさは日本の気候風土の求めた理にかなった美しさです。数寄屋建築に暮らしてみませんか?

若山誠治プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

素材を生かした木の家から数寄屋建築まで、エコデザインのプロ

若山誠治プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼