社長の言葉が社員に届かない理由【SNS成果が出ない会社の構造4】

「SNSを続けるのが苦しくなってきました」
経営者や担当者の方から、このような声を聞くことがあります。
最初は意欲的に始めたはずなのに、気づけば投稿が止まる。
更新頻度が落ちる。
何を書けばよいのか分からなくなる。
そして最終的には、
「SNSは向いていなかったのかもしれない」
という結論に至ってしまう。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
私は、そうした企業の発信を見せていただくたびに、ある共通点を感じます。
それは、
コンセプトが存在していない
ということです。
SNS運用の相談を受けると、多くの方は
「何を投稿すればいいですか?」
と尋ねます。
しかし、本来考えるべき順番は逆です。
先に問うべきなのは、
「私たちは何を伝えたい会社なのか」
なのです。
ここが定まっていなければ、投稿のネタ探しが始まります。
今日は何を書こう。
今週は何を投稿しよう。
他社はどんな発信をしているだろう。
こうして毎回ゼロから考えることになります。
当然、疲れます。
なぜなら、発信のたびに意思決定を繰り返しているからです。
一方で、発信が長く続いている企業には共通点があります。
それは、
発信内容を考えているのではなく、コンセプトに沿って選んでいる
ということです。
たとえば、
地域密着を大切にしている会社なら、
地域活動
顧客との関わり
地元への想い
といったテーマが自然と発信の中心になります。
技術力を強みとする会社なら、
施工事例
品質へのこだわり
職人の工夫
が発信の軸になります。
つまり、
毎回何を書くかを考えているのではなく、
「自社らしいテーマの中から選んでいる」
のです。
この違いは非常に大きい。
コンセプトがある会社は、発信に迷いません。
コンセプトがない会社は、常に迷います。
そして、この迷いが疲弊を生みます。
ここで重要なのは、
コンセプトとは“キャッチコピー”ではない
ということです。
「地域No.1を目指します」
「お客様第一主義です」
といった標語ではありません。
そうではなく、
なぜその事業をしているのか。
どのような価値を届けたいのか。
どのような顧客との関係を築きたいのか。
そうした会社の根底にある考え方です。
私は経営支援の現場で、
「発信内容が決まらない」
という相談を受けると、SNSの話をしません。
まず、
誰のために存在している会社なのか。
どんな困りごとを解決しているのか。
なぜお客様はその会社を選ぶのか。
という話をします。
なぜなら、その答えの中にこそ、発信の種があるからです。
逆に言えば、
発信が続かない会社は、
発信の問題を抱えているのではなく、
自社の価値が整理されていない可能性がある
ということです。
ここでもやはり、問題は運用ではなく構造にあります。
SNSが苦しい。
ネタが出てこない。
続かない。
そう感じたとき、
多くの人は発信方法を変えようとします。
動画にしてみる。
画像を増やしてみる。
投稿時間を変えてみる。
もちろん、それらも大切です。
しかし、それ以前に考えるべきことがあります。
「私たちは、何を伝えるために発信しているのか」
この問いに明確に答えられなければ、どんな手法を導入しても、いずれ疲弊します。
SNSは、継続が重要だと言われます。
その通りです。
しかし、精神論で続けることはできません。
続いている会社には、続く理由があります。
その理由こそが、コンセプトです。
コンセプトとは、発信を縛るものではありません。
むしろ、
何を発信すべきかを教えてくれる羅針盤
なのです。
次回は、
成功している会社は何をやっているのか──構造比較から見える本質
というテーマでお話しします。
成果が出る会社と出ない会社。
その違いは、センスや才能ではありません。
実は、これまで見てきた「構造」の積み重ねの中に、その答えがあります。


