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肌の乾燥には保湿と保温

谷津吉美

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テーマ:ちょっと気になること

 秋になって急に肌の乾燥が気になってはいませんか?肌が乾燥する原因は、湿度が低くなり空気が乾燥するからというのはイメージできると思いますが、実は気温が低下したことで起きる皮膚温度の低下(肌の冷え)の影響も大きいです。肌には外部からの物理的な刺激や、病原体やアレルゲンなどの異物が侵入するのを防ぎ、体の中からの水分の蒸発を防ぐバリア機能があります。バリア機能が低下すると肌が乾燥するのですが、バリアは1つだけでなく外側と内側の2つがあるからです。

 皮膚の角質細胞がキレイにくっついていると、バリア機能がしっかり働きます。これが外側のバリアである角質バリアです。アトピーの方はかゆみのために掻いてしまい、肌の表面を傷つけ角質バリアを壊してしまい、外から異物が入りやすくなってしまいます。外側のバリア機能は漢方薬を飲むだけでなく、保湿することでも強くすることができます。お風呂上りにすぐ保湿してください。保湿しても肌の乾燥がよくならないという方は内側のバリアを強くする必要があります。

 内側のバリアは、タイトジャンクションと言われる構造です。細胞同士をつなぎ合わせていて、しっかりくっついているとバリア機能が働きます。しかし皮膚温度が下がると、細胞同士をつなぎ合わせることができなくなるため、細胞の間に隙間ができて水分が逃げ、肌が乾燥してしまいます。肌が乾燥してしまうと、今までカットされていたかゆみを感じる神経が伸びてしまいます。すると外部からの刺激に過敏に反応するため、かゆみを感じやすくなります。内側のバリア機能を働かせるためには保温が大切なので、外出時にはマスクをしたり、首がつくところ(手首、足首、首、ウエストのくびれ)を冷やさないよう手袋などの防寒具をつけましょう。そして漢方薬でいつも温かい肌にしましょう。バリア機能が働くようになると肌がしっとりするので、かゆみに悩む方だけでなく美肌にも効果的です。

 透析中のつらいかゆみも漢方でよくなっている方がいらっしゃいます。お困りの方はご相談ください。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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