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連載 漢方、病気の治し方 その2

谷津吉美

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テーマ:漢方の研究


 
風邪を引いて2-3日、脈浮で頭痛がして項が強ばり、悪寒がして発熱する場合は太陽病が病んでいます。太陽病の病気の治し方は、発汗して病邪を体外へ追いやることです。その主要な役割を担う二味の薬徴は、「麻黄・桂枝」であり、お腹をたたいて、バシャバシャ音がして喘咳があれば小青竜湯。顔が赤く、暑がりで咳をしているならば桂麻各半湯。渇があり尿不利で体痛すれば桂枝二越婢一湯。無汗で項背強ばれば葛根湯。同じく無汗で体痛、喘咳があれば麻黄湯が応じます。また、同じ太陽病であっても体力は低下し闘病反応が減弱している者は、顔赤く、のぼせて汗ばむ傾向にあり、解肌の剤桂枝湯と‘お粥‘と‘どてら‘で、しっとりとした汗をかかせて治していきます。このような方に間違って麻黄剤を出してしまうと、汗が止まらなくなり脱汗します。脱汗とは流れるような汗が出ることで、汗が止まず尿不利で手足が冷え引きつれば病は少陰病に流れて、桂枝加附子湯の出番となります。また、この証が更に深く進行し寒冷し、攣急疼痛するものは芍薬甘草附子湯であり、また、動悸、めまいするものは真武湯です。更に病が進行し陰の極、厥陰病まで行き着くと精気衰憊し、四肢厥冷し煩躁するのを治す茯苓四逆湯で起死回生をはかります。脱汗は誤治だけでなく過剰服用でも起こります。私の失敗談ですが、疲労と寝不足がたたって風邪を引き、寒さ、頭痛、咽頭痛、腰痛から麻黄湯を服用、30分後、汗が出ないことから再び麻黄湯を服用しました。その後激しい動悸に見舞われ、流れる汗が止まらず手足が冷たくなり小便が出ない。渇もない。茯苓甘草湯を急ぎ作り服用30分後、汗が止まり動悸も無くなりぐっすり眠ることが出来ました。

                                     ・・・その3につづく

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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