「気」「血」と並んで私たちの体を構成する「水」についてのお話
陰陽とは、東洋医学の考えです。食べ物に関しては体を冷やすものを`陰`、温めるものを`陽`としています。食べ物が取れる気候や時期によってその性質が変わってきます。鬱陶しい梅雨があって、真夏の太陽がじりじり照りつけ汗が吹き出る頃、茄子、胡瓜、トマトの初物が姿を見せ、西瓜は土用前後に、旧暦のお盆を過ぎると、南瓜が出回ります。漢方薬でもこの時期は体を冷やす白虎湯、五苓散の出番が多くなります。ところで「年寄りの冷や水」とは陰証に陥って冷え冷えした老人が、湯茶なら温まるのに空元気を出して、冷水を飲んで風邪をひいたり、お腹をこわしたりする事を言います。とかく年をとると冬は足が冷えて、腹力は弱く、疲れやすいので、日頃から体を温める食事を心がけて戴きたいと思います。また夏バテも冷たい物の摂り過ぎで起こります。それは氷が胃にはいると胃液の分泌はやみ、胃の運動は一時停止するからです。また、日頃から陰性の食事に傾いていて、冷え、神経痛、リウマチ、不妊症どどの方は漢方の効きが悪くなる事があります。青汁療法は陽性の方には良いですが、陰性の方には体を冷やしてしまうと、漢方の大家小倉先生は言っています。
陽性の食べ物(温める食べ物)
加熱した温い野菜、塩の利いた食品、太陽で乾した物、貯蔵日数を経た物、日本酒など。
陰性の食べ物(冷やす食べ物)
南国の果物、生野菜、氷、砂糖、アイスクリーム、冷しジュース、酢の物、水分過剰、無塩、
ビール、ワインなど。(また、加熱しても比較的陰性のものは、椎茸、わらび、ぜんまい、緑葉、茄子、筍、芋類)
次回に続く