「気」「血」と並んで私たちの体を構成する「水」についてのお話
がんの発生は遺伝子が変異することに始まります。しかし遺伝子に問題が生じたとしても修復されてもとの姿に戻ります。しかし、同じ遺伝子に問題が重なりますと細胞がおかしくなります。それでもその細胞は、最終的に`アポトーシス`という害のない自然死を起こすように設定されていて、ガン化を防いでいます。アポドーシスとは、細胞の異常を知らせる目印が出て免疫がそれを目標にして攻撃をすることを言います。しかしガンが進行しますとその目印を出させなくなります。そして免疫細胞に攻撃されなくなったガンはますます増殖・転移して手がつけられなくなります。
そこで、がん細胞表面に目印を出させて免疫細胞に知らせる事が出来れば・・・。
正常細胞か、がん細胞か識別し免疫細胞が攻撃するようになります。そこで開発されたお薬がパクリタクセルという有名な抗がん剤です。そのお薬は、一位科の自然生薬「紅豆杉」から作られました。この生薬は現在、北里大学、金沢医科大学、富山医科薬科大学、神戸薬科大学などで研究されています。
また紅豆杉の特徴として直接がんの分裂を止める働きを持っています。これはがん細胞がいよいよ分裂という時に紅豆杉が微小管という骨格細胞に結合してがんが分裂出来ない様にするのです。分裂出来なくなったがん細胞は無理のない自然死(アポドーシス)を迎えます。しかも紅豆杉はがん細胞だけに作用して正常細胞には作用しない選択的抗がん性があり、副作用はないと、研究では結論づけています。
また抗がん剤と併用される場合、紅豆杉は傷んだ正常細胞を修復しますので、副作用を軽減し、体調を良くするとも言われています。表現は難しいですが、これががんに対する紅豆杉の働きと考えられています。