絶妙なバランスをとる補と瀉の考え方
何もない時代に、どのようにして薬が作られたのでしょうか。(3000年前の謎)
時は今から6000年前。ヒプシサーマル期と言って、世界の気温が現在よりも2−3度気が上昇したころ、日本では縄文時代の全盛期でした。サハラ砂漠は青々とした草原であったそうです。
その後4000年前になると寒冷化が徐々に始まり、氷河は前進し海面は2−3mも低くなりました。3000年前には、アイスランドにあるヘクラ火山で中国でも影響があるほどの大噴火が起こり、元々の寒冷化に拍車がかかるようになったのです。
私たち人類の祖先は過酷な環境に苦しめられていました。食料も減り人口も激減しました。もちろん、多くの病気が蔓延したのは間違いありません。究極に追い込まれた人々は、感性だけを頼りに病気を治す薬草を見つけていきました。これが漢方薬の基原となります。
神農本草経(しんのうほんぞうきょう)と言う中国最古の薬物学書があります。神農という神様は、身近な草木の薬効を調べるために自らの体を使って、毒に当たりながら有効的な薬草を発見し多くの民衆を救ったと言われています。(神農様は牛の頭で角があり木の葉で作った衣類をまとっています。東京御茶ノ水の湯島聖堂にその像があります。)漢方薬は、命懸けで作られてきたのですね。
・・・・・次回につづく