漢方医学の始まり
最近、どことは言えないけれど何となく体調がすぐれない。
頭痛がとれないので病院で検査してもらったけれど、特に異常はみつからなかった。
そういった方、意外と多いのではないでしょうか。
漢方ではこのような、病気になる一歩手前の状態を「未病」と呼んでいます。
一見、健康そうに見えるけれども、検査ではみつけることのできないような小さな異常であったり、ほんの少しの歪みが出てきてしまっている状態です。
そもそも、検査をしても異常がみつからないのですから、西洋医学では病気とは診断されないわけです。ですが、個々の器官に分けた診断をせず、からだ全体を診る漢方では疾患の特定にとらわれることないので、不調という一つのサインを見逃さずに、それらを改善へと導いていくことができるといえます。
わたしたちが生きていく上で、病気との関係は切っても切れないものですが、それは決して、ある日突然に発症するわけではありません。
特に、年齢を重ねてから引き起こされる高血圧や糖尿病といった生活習慣病などは、これまでの食生活やライフスタイルなどの蓄積が原因となっています。
無理をしてきたり、不摂生の積み重ねによって、臓器も血管も少しずつ歯車がかみ合わなくなっていきます。時々、故障しかけることもありますが、それでも多くの機能は維持されているので見かけ上は健康に見えるのです。
色々なところで言われていることですが、古来の日本人と比べると現代では、体を使う場面が格段に減ってきていることに加え、食生活も欧米化しています。特に、食事の面では野菜の摂取量が減るとともに、肉類や糖分の多いものへと変化してきていますね。
普段からこのような生活の改善を意識していくことも未病を防ぐ、大切なポイントです。
これは病気に限ったことではありませんが、何事も起こってしまってから対処するよりも、不調や不具合を感じた時に対策を施すのとでは、かかる労力や時間も違います。
普段から自分のベストな状態を把握しておき、からだの小さな変化にも気付けるようにしておくとよいでしょう。