漢方医学の始まり
(写真は、薬草「当帰」の花)
以前、こちらで少しご紹介しましたが、身体の調子の良し悪しには“気、血、水”が深く関わっています。
その中でも“気”は、生命エネルギーを表しており、所謂、気力や元気といった気のことを意味しています。
もともとは、この世に命を受けたことで得られた気。これを先天の気と呼びますが、ここから私たちに流れている気は始まっていきます。
そして、その後は美味しいものを食べ、太陽の日差しをたっぷり浴びるといったことを通じて私たちが生きていく力を得ている。それを後天の気といい、目に見えるものではありませんが、私たちはあらゆるところから気を取り入れて生命活動を営んでいるのです。
ひとたび気に不具合が起こると、途端に身体に不調をきたします。
例えば、循環が悪くなってしまい、気が同じ場所に溜まっていることもあるでしょう。
このような状態を気滞と呼びますが、これは流れを良くさせることで沈んでしまった、気の流れを良くさせることができます。
また、気の流れが悪く不足しがちになると、やる気が出なかったり胃腸の調子が悪いなどの症状が出てくることがあり、気虚と呼ばれる状態になります。
このような場合には、気を補充する治療を行っていきます。
この他、通常は上から下へと向かっていく気が逆流することで、冷えやのぼせ、動悸発作などが見られる気逆によって、身体に不具合が生じることもあります。
「病は気から」という言葉もありますが、肉体的そして精神的バランスを保っている根幹には、スムーズで十分な気の流れがあるといえます。
なぜ、気に起因する不具合が起こるのでしょうか?
その原因は様々です。
ですが、ストレスや不規則な生活からくる食欲減退は大きな要因として考えられます。
また、運動不足は何事においても良い結果を生まないので、日常生活の中で少しでも身体を動かすことができるよう工夫しましょう。
なかなか寝付けない・・・そんな人は、実は気の巡りによるものかもしれません。