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漢方薬でよくなった症例16~20

谷津吉美

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テーマ:漢方薬で良くなった症例

20下痢と漢方薬

34歳の女性。もともと腸は弱かったそうですが、ここ4~5年下痢に悩んでいるといいます。外出先や仕事中にもお腹がゴロゴロして便意を催し、水様性の下痢が出ることもあるといいます。今までに整腸剤や漢方薬も飲んでみたようですがあまり効果がなく、ご相談に見えられました。

体質は、顔色青白く冷え症で、お腹の張りが慢性的にあります。毎朝大便をするときは、腹痛で軟便といった状態が何年も続いているといいます。

漢方薬の大建中湯(煎じ薬)と理中丸を調合。飲み始めて1か月後、大便が少し形になってきているといいます。さらに1か月後、ひどい下痢はなくなり、日に数回あった大便が、1日1回になっているといいます。その後、腸の調子は順調によくなり、1年間服用したころには、腹痛、下痢はなくなり、きれいな形の大便が出るようになりました。

19手の平の湿疹と漢方薬

60歳の女性。毎年梅雨時になると、手の平に湿疹が出て悩まされているといいます。病院では、抗アレルギー薬の飲み薬とステロイドの入った軟膏を処方され、改善するようですが、できれば体質改善したいとご相談に見えられました。

体質は、胃腸が弱く、疲れやすく、神経質ですぐに汗をかきます。肩こり、寝つきが悪い、頭がボーとするなどの症状もあります。

漢方薬の柴胡桂枝乾姜湯と四君子湯を調合。飲み始めて1か月後、よく眠れるようになって調子が良いといいます。さらに1か月後、胃腸の調子が良くなったといいます。そのまま漢方薬を継続すること約半年、梅雨時になっても手の平に湿疹は出ませんでした。

18不眠症と漢方薬(38歳男性)

38歳の男性。もともと眠りが浅かったようですが、ここ1年くらい眠れないことに悩んでいるとご相談に見えられました。できれば病院の睡眠薬を飲みたくないとのことでした。
体質は、神経質で落ち込みやすく、肩こり、手足の冷え、胃炎、口内炎があります。仕事中は緊張しやすく、手のひら足の裏に汗をかきます。夜は、寝つきは悪くないようですが、2時間おきにすぐ目が覚めるといいます。朝もボーとして疲れが抜けないといいます。
漢方薬の四逆散料を調合。飲み始めて1か月後、2時間おきに目が覚めていたのが、3~4時間まとまって眠れるようになったといいます。そのまま漢方薬を継続。半年がたったころには、朝まで眠れるようになりました。

17原因不明の歯痛と漢方薬

65歳の女性。半年前より、左の奥歯に痛みを感じるようになり、歯医者で診てもらったが特に虫歯や歯槽膿漏はなく、噛み合わせを治してもらったようですが痛みは変わらなかったといいます。その後、病院で検査を受けたようですが特に異常がなく、三叉神経痛ではないかとテグレトールという薬も飲んでみたようですが痛みは変わらなかったといいます。
漢方薬の排膿散を調合。飲み始めて2週間後、痛みがやわらいでいるといいます。その後も継続し、約半年間の服用で痛みは出なくなりました。

16長引く咳、胸の痛みと漢方薬

40歳の男性。1年前に風邪をひいてから、咳と胸の痛みが治らないといいます。病院でレントゲンを撮っても肺炎はなく、抗生物質や咳止めも飲んだようですが改善がみられないので、漢方のご相談に見えられました。
体質は、痩せ型で神経質、汗っかきで、肩こりもあります。胃腸は弱く、胸から脇にかけて張っているといいます。また、痰は出にくく、舌に白い苔があります。
漢方薬の柴陥湯を調合。飲み始めて1か月、痰が出るようになり、胸の痛み、咳ともに減ってきたといいます。その後、症状は改善し、約半年間の服用で咳、胸の痛みもなくなりました。
柴陥湯は、水毒(すいどく)がみぞおちから胸にかけて固着する者が、風邪などをひいたときにこじらせ、胸や脇の痛み、咳、粘る痰などを起こした際に、胸中の水毒をさばき、改善する漢方薬です。神経質で虚弱な体質の人によく効きます。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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