【引き算コーチング】不自由だからこそ、自由になれる

山根浩二

山根浩二

テーマ:引き算コーチング

こんにちは、
サポートコーチ出雲の山根浩二です。

今回は、自由と不自由について、
少し考えてみたいと思います。

自由という言葉を聞くと、
皆さんはどんなイメージを持たれるでしょうか?

・何をやってもいい。
・誰からも指示されない。
・自分の好きなようにできる。

一般的には、制限がないことが
自由だと思われているのではないでしょうか?

もちろん、それも自由の一つだと思います。

でも、実は何の制限もない自由というのは、
逆に不自由なものなのかもしれません。

どういうことかというと、
以前、こんな話を聞いたことがあります。

自由に設計してくださいと言われたら

ある建築の設計者に、
図書館の設計を依頼することになりました。

そこには、二人の設計者がいました。

一人目の設計者には、こう伝えました。

「あなたが思う、理想の図書館を
 自由に設計してください。
 何をやっても構いません」

さて、この設計者はどうなったでしょうか?

何でも自由に設計していいわけですから、
可能性は無限にあります。

・建物の形も自由。
・大きさも自由。
・入口の位置も自由。
・色も、使う材料も、何もかも自由です。

考えようによっては、
こんなに楽しい仕事はないのかもしれません。

ところが、自由すぎるがゆえに、
何から考えていいのか
わからなくなってしまう。

どんな図書館にしてもいいと言われても、
どんな図書館が正解なのかがわからない。

あれもできる、これもできる。

考えれば考えるほど、
可能性が広がってしまい、
なかなか一つの形に決められないのです。

自由なのに、動けない。

ちょっと不思議な話ですよね。

条件を出された設計者はどうなったか

では、もう一人の設計者はどうだったでしょうか?

こちらには、いろいろな条件が提示されました。

・建物の向きはこっち。
・入口はこの場所。
・建物の大きさはこの範囲。
・デザインにはこういう要素を取り入れてほしい。

・利用者の利便性を第一に考えてほしい。
・運営にかかる時間やコストも、
 できるだけ少なくしてほしい。

ほかにも、いろいろな条件があったとします。

一見すると、こちらの設計者の方が不自由ですよね?

好き勝手に設計できるわけではありません。

あれもできない、これもできない。
決められた条件の中で考えなければなりません。

ところが、この設計者は、
その条件をもとに設計を進めていきます。

建物の向きが決まっているから、
入口や窓の位置を考えやすい。

大きさが決まっているから、
その中で必要な機能を配置できる。

利用者の利便性という目的があるから、
デザインの方向性も見えてくる。

いろいろな条件があるからこそ、
考えるべきことが明確になっていくのです。

そして、その条件を満たしながら、
設計者ならではの工夫やアイデアを生かしていく。

結果として、素晴らしい図書館が出来上がった。

もちろん、
これは自由な設計と条件付きの設計を
考えるための例え話ですが、
ここには大事なことがあると思うのです。

制限があるから、考える方向が見えてくる。*

そして、方向が見えているからこそ、
その中で自由に工夫することが
できるのではないでしょうか。

経営も同じではないでしょうか

これは、会社経営や個人事業にも当てはまると思います。

例えば、売上を伸ばしたいと考えたとします。

何でも自由に考えていいと言われたら、どうでしょうか?

・新しい商品を開発する。
・新しい店舗を出す。
・広告を出す。
・人を雇う。
・インターネットを活用する。
・新しい事業を始める。

いろいろな方法が考えられます。

しかし、実際の経営には制約があります。

・使える資金には限りがある。
・働いている人の数にも限りがある。
・今ある設備でできることも限られている。
・経営者自身の時間にも限りがある。

さらに、今まで積み上げてきた
経験や技術、お客様との関係などもあります。

そう考えると、
何でも自由にできるわけではありません。

そこで、
「うちにはお金がないから無理だ」
「人がいないからできない」
「今の設備では難しい」
と考えてしまうこともあるでしょう。

確かに、それらは現実的な制約です。

無理なものを無理やりやればいい、
という話ではありません。

ただ、ここで少し視点を
変えてみることはできないでしょうか?

・今ある資金でできることは何だろうか?
・今いる人員で、もっと効果を出せる方法はないだろうか?
・今まで培ってきた技術や経験を、別の形で生かせないだろうか?
・今のお客様に、別の価値を提供することはできないだろうか?

条件が決まっているからこそ、
具体的に考えられることがあります。

何もないところから
無限の可能性を探すよりも、
今あるものを出発点にした方が、
かえってアイデアが
出てくることもあるのです。

制約は、可能性を奪うものなのか

ここで、もう一つ考えてみたいことがあります。

私たちは、制約があると、
それを取り除こうと考えることが
多いのではないでしょうか。

お金が足りないから、お金があればできる。
人が足りないから、人を採用すればできる。
時間がないから、時間を増やせばできる。

もちろん、それで解決することもあります。

でも、いつも制約を取り除くことだけが
解決策なのでしょうか?

もしかすると、
制約があることを前提にして考えることで、
今まで見えていなかった方法が
見つかるかもしれません。

例えば、資金がないからこそ、
大きな投資をせずに、
今のお客様との関係を深める方法を考える。

人が少ないからこそ、
やらなくてもいい仕事を見直したり、
仕事の進め方を変えたりする。

時間がないからこそ、
本当に自分がやるべきことは何かを考える。

こうしてみると、
制約は
単に邪魔なものというわけでもなさそうです。

制約があることで、
考える方向が定まり、
余計な選択肢を
減らすことにもつながります。

私が取り組んでいる引き算コーチングも、
少し似ているところがあります。

何かを付け加えることばかり考えるのではなく、
今やっていることの中で、
やらなくてもいいことはないか。

当たり前だと思っている条件の中で、
変えられるものはないか。

そんな問いを通して、
別の可能性を探していきます。

ただし、制約があるからといって、
その範囲に無理に自分を押し込める必要はありません。

必要なら、条件そのものを変えることも考えればいい。

大事なのは、
制約に縛られて終わるのではなく、
今ある条件を出発点にして、
どんな選択ができるのかを
考えることだと思います。

不自由だからこそ、自由になれる

何でもできるということは、
可能性が無限にあるということです。

しかし、可能性が無限にあるからといって、
必ずしも行動しやすいわけではありません。

選択肢が多すぎて、
どれを選べばいいのか
わからなくなることもあります。

一方で、条件が決まっていれば、
その条件の中で考えればいい。

方向性が見えているからこそ、
工夫する余地も見つけやすくなる。

私は、ここに自由の面白さがあると思います。

自由とは、何の制約もないことだけではない。

自分が置かれている状況を理解し、
その中で何を選び、
どう工夫するかを自分で決められること。

それも、一つの自由なのではないでしょうか?

もし今、経営や仕事で
「できない理由」が
いくつも浮かんでいるとしたら、
少しだけ問いを変えてみてください。

「何があればできるのか?」ではなく、
「今ある条件の中で、何ができるのか?」と。

もしかしたら、
制約を取り除くことに
一生懸命になっていたときには
見えなかった道が、
見つかるかもしれません。

不自由だから、何もできない。

そう考えることもできます。

でも、不自由だからこそ、
考えられることもある。

そして、その限られた条件の中で、
自分なりの答えを見つけていく。

そこにこそ、
自分らしい自由があるのかもしれません。

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山根浩二
専門家

山根浩二(ビジネスコーチ)

サポートコーチ出雲

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