なぜビジネスに引き算コーチングが有効なのか?
こんにちは、
サポートコーチ出雲の山根浩二です。
コーチングをしていると、
「選択肢を増やしましょう」
ということをよくやります。
今まで、
「これしかない」
と思っていたところに、
「ほかにもあるんじゃないですか?」
と問いかけてみる。
すると、今まで見えていなかった
選択肢が見えてくる。
これは、
引き算コーチングの中でも大事なことです。
思い込みを引き算して、
一度フラットな状態にする。
そして、選択肢を広げてみる。
ただ、実はここからもう一つ
大事なことがあります。
それは、
広げた選択肢を、
もう一度絞り込むこと。
選択肢がたくさんあることは、
いいことのように思えます。
でも、10個、20個、30個と
選択肢が出てきたら、
「じゃあ、結局どれにする?」
となりますよね。
ここで迷ってしまう。
そんなときに、
私は「未来の自分」から見てみる
ということを使うことがあります。
以前、会社員のクライアントさんと
コーチングをしていたことがあります。
その方に、
「この会社で自分はどこまで
出世できるんでしょうか?」
という質問をしました。
そして、
「自分の職域だったら
部長あたりが一つの上限ですかね」
という話になりました。
そこで私は、
「じゃあ、
将来、部長になっている
〇〇さんだったら、
今のこの場面でどうするんでしょうね?」
と聞いてみました。
今の〇〇さんだったらどうするのか。
ではなく、
「将来、
部長になっている〇〇さんだったら
どうするのか?」
です。
すると、面白いことが起こります。
今の自分だったら、
・「これもあるな」
・「こっちもあるな」
・「でも、これはちょっと難しいし……」
と、いろいろ考えてしまう。
ところが、
「部長になる自分だったら?」
と考えると、
「ああ、それだったら、こっちでしょうね」
と、意外と答えが早く出てくる。
これは、将来のことを
正確に予測できたという話ではありません。
その答えが、
本当に部長になるための正解なのかどうかも、
もちろん分かりません。
でも、本人の中では違うんです。
「部長になる自分だったら、こうする」
という判断基準ができる。
すると、
それまでたくさんあった選択肢が、
急に絞られてくる。
私は、ここが面白いなと思っています。
未来を考えるというと、
「10年後はどうなっていたいですか?」
「将来の夢は何ですか?」
というような、
大きな目標を考えることを
イメージするかもしれません。
もちろん、それも大切です。
でも私は、未来の自分を、
「今の選択肢を絞るための基準」
として使うことにも意味があると思っています。
例えば、
・「将来、社長になっている自分だったら、
今この仕事をどうする?」
・「将来、独立している自分だったら、
今この人間関係をどうする?」
・「将来、こういうお客様に囲まれている自分だったら、
今の仕事のやり方をどうする?」
そんなふうに考えてみる。
すると、
今の自分とは違う答えが
出てくることがあります。
今の自分の立場だけで考えていると、
「これをやるのが普通」
「今はこれしかできない」
という判断になりやすい。
でも、未来の自分を基準にすると、
「いや、それだったら、
これはやらないな」
という選択肢も出てくる。
つまり、
未来の自分が、
今の自分のためのフィルターになる。
そう考えると、
未来って、ただ「目指す場所」
ではないんですよね。
今の選択を決めるためにも使える。
私は、これも引き算の一つだと思っています。
選択肢を増やして、
「さあ、好きなものを選んでください」
ではなく、
「未来の自分だったら、どれを選ぶ?」
と考えることで、
・「これは違うな」
・「これは今じゃないな」
・「これは将来の自分なら選ばないな」
というものが、ごそっと減っていく。
すると、
残った選択肢が、かなり見やすくなる。
もちろん、
それが絶対に正しい答えとは限りません。
やってみたら違った、
ということもあるでしょう。
でも、それでいいと思うんです。
正解って実は沢山ありますから。
そのときの自分が、
「未来の自分だったら、こっちを選ぶ」
と、自分で決めたことだからです。
誰かに、
「こっちが正解ですよ」
と言われて選ぶのとは、
少し違います。
自分で未来をイメージして、
「だったら、今はこれだな」
と選んでいる。
そこには、
自分なりの納得感があります。
そして、その選択を一つ実行する。
次にまた迷ったら、
「未来の自分だったら、どうする?」
と考える。
そうやって一つ一つ選んでいく。
もしかすると、その積み重ねが、
気がついたら、
「未来の自分に近づいていた」
ということにつながるのかもしれません。
私は、コーチングというのは、
「正しい答えを教えてもらう場所」
ではないと思っています。
むしろ、
自分で答えを選べるようになる場所。
そのために、時には思い込みを引き算する。
選択肢を広げる。
そして、未来の自分という視点を使って、
もう一度絞り込む。
そうすると、
「何をしたらいいか分からない」
という状態から、
「これならやってみよう」
というところまで来ることがある。
未来は、まだ来ていません。
だから、正解かどうかは誰にも分かりません。
でも、
未来の自分から今を見る。
それだけで、
今まで見えていた景色が
少し変わることがあります。
そして、その景色が変わると、
今までたくさんあった選択肢の中から、
「自分は、これを選ぶ」
というものが見えてくる。
私は、これもコーチングで使える、
かなり面白い「引き算」の方法だと思っています。


